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第二次世界大戦の直前、世界各地に突如現れた異能力者たちは各国の情報機関や軍に徴集され、死闘を繰りひろげた。そして現在。イギリスの情報機関を辞して久しい異能力者のひとりフォッグは、かつての相棒と上司に呼び出され、過去を回想する。
突然の能力発現、仲間との初めての出会い、終わりなき闘いの日々……。
新鋭の世界幻想文学大賞作家が放つ、最先端をゆく“戦争×SF”。
英ガーディアン紙2013年ベストSF選出作。
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第二次大戦中のヨーロッパを舞台にした異能SF。先にハヤカワ文庫から邦訳が出た『ブックマン秘史』で見せたハチャメチャ(※褒め言葉)な冒険小説とは違い、こちらはハードボイルド的な語り口と、切ないロマンスが特徴。特に語り口は余計なものをそぎ落とした簡潔な文体でありながら、静かな叙情性を残している。
ところで、ハヤカワが『ブックマン秘史』を出し、創元が『完璧な夏の日』を出したのは、どちらも翻訳ミステリ・SFの版元でありながら両社のカラーの違いが出ていて、そういう面でも面白い。
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クララが出てきてから一気に物語が動き出した感。
邦題が詩的でいい。The violent century のままだったら手にとって無かったと思う。
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たまたま書店の本棚の上に上下巻が無造作に置かれてあり、なんとなく手に取った本だったが、個人的には大当たり。好みにぴったり当てはまる本だった。
”戦争×SF”がテーマである。
第二次世界大戦の折に活躍、暗躍した異能力者「ユーバーメンシュ」達について。淡々とした描写からはまるで映画を見ているような印象をうけた。
霧を自在に操れるフォッグと触れたものを消し去ることができるオブリヴィオンの暑苦しくなく、お互いを思いやる穏やかな友情がアツい。
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現代のロンドンで、フォッグ(霧)とオブリヴィオン(忘却)という二人の男が再会する場面から始まる物語は、1926年〜44年のパリ、ワルシャワ、トランシルヴァニアなど時間と場所が転々と行きつ戻りつしつつ進んでいきます。
ある出来事により特殊な能力を身に付けた、ユーバーメンシュと呼ばれる超人たちが、第二次世界大戦の中で敵味方となって戦う様が描かれます。
ちょっとX-MENを連想させられますね。
フォッグは能力に目覚め困惑している時に、イギリス情報機関にスカウトされ、仲間たちと出会います。
そして機関の任務中に出会った一人の娘に、心を奪われていきます。
細かく場面が切り替わるテンポの良さ、謎めいたストーリー、乾いた語り口などが、いつの間にか中毒にかかったように、僕を物語に引き込みました。
まだ、このお話がどんな方向に向かっていくのか予想もつきませんが、続きを見届けるべく、下巻に挑みたいと思います。
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X-MEN かなぁ〜
とりあえず上巻終わったけど、翻訳が悪いのか、とにかくストーリーがわかりづらい。
謎の少女クララとは何者かってところが下巻なんだろうけど、乗り切れるかなぁ。
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第二次世界大戦で、特集能力を持った人間が暗躍していたのなら?みたいな内容。
読みやすいのだけれど、とにかく回りくどい。回想形式で物語が進んでいくけど、視点がころころ変わる。でも読みやすかった。
なんというかイギリス人って感じの文体、嫌いじゃない。
完璧な夏の日はある種のメタファーみたいな感じってことでいいのかな???
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第二次世界大戦前後で活躍する特殊能力を持った超人の話。超人たちの回顧録で話は進む。上巻では超人のフォッグがクララ(超人を産み出した博士の娘、恐らく超人)との出会いまでが描かれる。この先、どうなるかは予測がつかないが、面白くなりそうな予感はある。引き続き下巻を読む予定。
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どんどん面白くなってくる。構成が絶妙。キャラもみんな魅力的だし、設定も少しずつ明かされる謎も見事。でも訳が読みにくいな。原作がどうなのか知らないけども、一切カギカッコを使わないセリフの描写が読みづらい。下巻にも期待。
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面白かったです。
フォーマフト波という波動を浴びたことで異能力を持つようになった〈ユーバーメンシュ〉と呼ばれる人々は、その為に徴収され第二次世界大戦で死闘を繰り広げました。
大戦が終わって随分経った現在、ユーバーメンシュのひとり〈オブリヴィオン〉は〈フォッグ〉と再会し、〈オールドマン〉という上司の下でフォッグはあの頃を回想する…というお話。
オールドマンの目的は〈完璧な夏の日〉と呼ばれた女の子について情報を得ることみたいだけれど、フォッグと彼女の間には特別な感情が…恋愛感情か、あるようで。
中心として描かれるのはフォッグなのだけれど、見ているものを全て描写する文章は、彼ら全てを見ている観察者視点なのかなと思います。観察者がどういう人たちなのかはまだ分からない。
異能力バトルも加わるので、大戦の描写が更に過酷です。連合国側にも枢軸国側にもユーバーメンシュはいる。彼らは超人とはいえ、傷付いたり損なわれたりはする。それが戦争だけれども。。
下巻も読みます。
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過去や現在を行ったり来たりし、超人の人数も多かったため、少し読み辛かった。
アメリカの超人はスーパーマン然と活躍しているのに、イギリスの超人は諜報活動のようにしているところが、国によって違って面白かった。
ただ、イギリスのMI6って、国民から愛されるへタレ諜報機関のイメージがあるんだが…。
もしかしたらあったかもしれないパラレル歴史ものとしては良かったと思う。
フォッグが超人となって経験した家族や仲間、今までの日常との別れがより一層、夏の日に対する憧憬につながっているのではないか。
クララの正体は一体、何者なんだ。
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第二次世界大戦を戦った趙能力者たちのお話。現在と過去が交錯する。「霧」と「忘却」が、ともにいい味を出している。