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ひとつの戦争の終わりは、べつの戦争のはじまりに過ぎない。老いることのない異能力者たちは、無数の戦場で果てしない闘いを重ねる。そんな血と憎悪にまみれた世界にも確かに存在した愛と、青年たちの友情。そしてフォッグはついに、彼が呼び出された理由である、終戦直後のある事件に隠された真実を語りだす。
“暴虐の世紀”の最中にあって〈夏の日〉と呼ばれたあの少女は、異能力者たちすべての運命の鍵を握っていたのだ。
解説=渡邊利道
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下巻。
第二次大戦終結後のエピソードを挿入しながら、『いったい、あのとき、何があったのか?』が徐々に明かされて行く。SFというよりはミステリのような構成で、上巻に続き淡々とした語り口が作品の雰囲気に合っている。
ラストのどんでん返しも良かった。
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Twitterでアメコミぽいとの評判だったので、釣られて購入。読んで納得。作者がかなり意図的に書いている感がある。自分はさほどアメコミに詳しくないので、あーと思う程度だったんですが、詳しい人はにやっとする仕掛けがもっとあるんじゃなかろうか。
話は過去現在、それと場所がかなり頻繁に入れ替わるので、最初は読みづらいかも。ザッピングのような感覚で謎を積み上げ解く印象。その辺もアメコミというか映像に近い感覚なのかな~。SFというよりはミステリーとまでは行かないけれど謎解きメインなのかなと?
あと比較的伏線がわかりやすいので、それを探して読むのも楽しいかも知れない。個人的にはちょっと最後脱力してしまった。
ただ正直に言うとこのボリュームだとこの値段はちょっと高いかな…。
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上巻に引き続き、第二次世界大戦におけるユーバーメンシュたちの戦いの様、そして、東西冷戦時代を経て現代にいたるまでの彼らのその後が描かれます。
上巻の冒頭で、オブリヴィオンがフォッグと会ったのは、彼らの上司オールドマンの元に呼び寄せ、フォッグの戦時中の報告書で語られていなかった事柄について、真相を聞き出すためでした。
オールドマンの事務室と過去がテンポよく切り替わりながら物語は進みます。
そして思いがけないエンディング。
フォッグ、オブリヴィオン、オールドマンのそれぞれが抱える様々な苦悩や願望が絡み合い、ややほろ苦くもありつつ、爽やかな幕切れに大きく息をつきました。
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後半になってもだるさは変わらず
視点変化が多いからか、わかりにくいまま読了。とにかく読み手である自分が不調だから余計に乗れない。残念。
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上下巻通して読んだが比較的読みやすかったおかげでわりとサクッと読めた。場面転換がひっきりなしだったけども作品を通して映画的・テレビドラマ的であるのでシーンを思い浮かべやすく、混乱もあまりない。
私は「ロマンチックなSF小説」が読みたい欲求というのがあるので、この作品はちょうど良いのでは?と思ったのだけど、うーん、普通かな。そもそもSF小説かと言われると違う……のか?スーパーヒーローもの??カテゴリ分けが苦手なのでよくわからないのだが、乗れなかった理由はヒロインのゾマーターグ。いつまでも少女のような汚れなき乙女を想い続ける的なロマンスはあまり好みではないのだ。一個の人格というよりは、何かの投影じゃん、というのが強く匂いすぎると醒めるというか。その分、親友のフォッグをジットリと何十年も想い続けるオブリヴィオンの報われない恋が不憫でよかった。
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幼稚と言われればその通りなのだが、ジャスティスリーグやアベンジャーズ、劇場版の戦隊モノや仮面ライダー等、超人がドカドカ出て来て活躍する系のお話が大好きだ。
絢爛豪華で華やかなスター勢ぞろいに、本能的な何かを刺激されるのだろう。
この小説も、ユーバーメンシュと呼ばれる超人たちが大勢出て来て、第二次世界大戦やその後の冷戦、ベトナム戦争等で活躍する。主人公も相棒もその超人である。大人な小説なので単純な正義などなく、それぞれの国のそれぞれの政治的思惑の元、超人たちが超能力を駆使して戦いを繰り広げる様は、痛々しくも読ませどころである。
アメリカは派手な衣装を着てショーのような戦いをし、イギリスは地道にスパイ活動をし、ドイツは真面目に律儀に苦悩し、ソ連は冷たくも暴力的で共産主義的で…と、各国のユーバーメンシュがそれぞれの特徴をもっていて面白い。
ただ非常に残念なのは、ヒロインがキャラクターとして弱すぎる。美しく純真で明で善なのだというのは分かるが、あくまで説明されていることに終始し、それが個性として生かされていない。まあヒロインのキャラ設定が弱くても面白い小説だってあるんだけど、この作品の場合、ラブロマンスに着地点を求めているのだから、ヒロインが弱いと着地が上手く決まらないのである。途中まで面白かったので、仕上がりが決まらないのは非常に残念だった。
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霧を操ったり物を消し去ったりといった特殊能力を持った超人(ユーバーメンシュ)が、第二次世界大戦からベトナム戦争、ソ連のアフガニスタン侵攻、911同時多発テロなどの時代を生きつつ、主人公のフォッグが完璧な夏の日にたどり着くまでの物語。下巻では特に最後で、これまでのエピソードがパズルのピースをパチリパチリとはまっていくようで、とてもリズム感よく読み進められる。ネタバレになってしまうかもしれないが、愛というか恋というか、最後はハッピーエンドであると同時に切ない結末でもある。単純なメタフィクションだと思って読んでいたが、最後で一気にラブストーリーに変わって、驚かされた。このサプライズが楽しい。
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面白かった。ただ、ヒロインがただの白痴みたいな感じでなんで主人公が惹かれたのかいまいちピンとこなくて共感できなかった。それと、あーやっぱりこれホモネタかよと思って苦笑いした。超能力持ったスーパーヒーロー達をスパイにするって画期的な設定で楽しめた。あと、20世紀の歴史の重要シーンをパッチワークのように描いてて楽しめた。ただ、訳が苦手。最後まで。
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SF要素がそんなになかったね。。。超人物語じゃないか。。。それにヒロイン全然役に立ってない。。。おまけ叙述手法も飛びすぎて話が見えなくなる。。。
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下巻も面白かったです。オールドマンの目的がやっとわかりました。長かった。。
フォッグは失踪してる間クララと一緒にいたのか、クララを探し続けてたのか。オブリヴィオンはずっとフォッグを想ってたのか…オブリヴィオンの気持ちを考えるとつらい。これまでずっと孤独で、これからもずっと孤独だね…ユーバーメンシュは不老不死みたいだから。
ミセス・ティンクルの異能力も強い、時間を前後させるの。オールドマンの異能力は最期までよくわからなかった。
〈完璧な夏の日〉の中にあるフォーマフト波動の発生装置、それは止められなかったばかりか、クララとフォッグによって夏の日は閉じられてしまった。浮動する参照点として発生し続けながら。。
2013年に発表された本作ですが、「この国でいくら戦争をやっても、勝てるわけないんだ。イギリスは勝てなかったし、俺たちだって勝てそうにない。今後も勝てるやつは現れないだろうよ。アフガンという国そのものが、侵略者を拒むんだからな」という台詞があってびっくりでした。さすがSFです、凄い。
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下巻は終戦後から現代にかけての話。
世界大戦が終わって歴史上の舞台から超人が姿を消しても、彼らの人生が終わったわけではなく、彼らは老いることもなく日々がひたすら続いていくというのは辛い。
オブリヴィオンはフォッグをどのような気持ちで夏の日へと送りだしたのだろうか。
BLのような視点でも読んでしまった。
結局、夏の日とはなんだったのだろうか?
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だんだん物語が見えてきて読みやすくなったが、これどうやっても主人公以外に感情移入してしまう。しかしラスト、一気にSFになったな…
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図書館で。
とりあえず忘却は可哀想だった。彼が主人公だよなぁ、実質の所。原題はバイオレンスセンチュリーって書いてあったけどそちらの方が内容にはあっている気がする。けれども邦題の方が興味はそそられるかな。
国家機関が結構ダーク。有無を言わさず引っ張ってきて拾ってやったって言いぐさはどうなんだろうか。というわけでオールドマンもなぁ。最後はああいう結末だけれどもまあ当然の結果なのかも。
フォッグがゾマータークに惹かれたのはただの現実逃避じゃないかと思ったり。戦争の渦中にありながらまるで戦争なんて無いように生きている彼女に惹かれた彼はわかるけどクララの方はどうだったんだろう。彼女にアプローチする男性が他に居なかったからなのかな。彼の何に惹かれたんだろうとちょっと考えちゃいました。お話の根底にあるであろう二人の堅い(ハズの)結びつきがあまりに簡素で安易な為あまりそこが基盤という感じがしないんですよね。大体、なんで50年以上離れ離れだったんだ?そこも謎。一緒に逃げれば良いじゃないねえ。そうすれば少なくとも半世紀は一緒に居られたんだし…
純粋で善良な存在の美少女と位置付けられているヒロインですが出会ってすぐの男(まあ大分前から気配は感じてたらしいけど)とベッドインするヒロインを純真とはあまり思わないんだけどな…。そこはお国柄の感性の違いかな。
自分としてはクララという意味不明な天然ちゃんよりも苦悩している忘却の方に味方したくなりました。他国に亡命するより、あの時点で二人で夏の日に逃げてればよかったのにな、あの二人。そして二人で逃げるんじゃ無くて他の超人たちも連れて行ってあげたら良かったのに。そう言う意味でもなんだかよくわからない終わり方だなと思いました。
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まさに暴虐の世紀のなかクララに見つけた完璧な夏の日。フォッグの想い、取らざるを得なかった選択に胸が苦しくなる。いろいろ想像しながら読んでいて面白かった。