投稿元:
レビューを見る
不動産会社に勤める男性が主人公。不動産、ブラックすぎる。休みは水曜のみ。けれど水曜も休日出勤。厳しいノルマ、怒鳴る、蹴るの上司。恐ろしいところだ。嫌な人はいっぱい出てくるけど魅力的な人は一人も出てこない。主人公の性格もよくわからず。ラストももやもやする。
投稿元:
レビューを見る
タイトルと、冒頭で家探しの女性が迷走しているところから始まるので、家選びのあれこれ、というお話かと思ったら、不動産屋の営業として働く若者の、仕事に対するあれこれ。ブラック中のブラック企業じゃないか、というパワハラ満載、労基法違反満載のチェーン不動産屋で、ぼろぼろになりながら、でも仕事って、ということに目覚める主人公。でも仕事が楽しくなるにつれむなしくもなり。結末を読者にゆだねる終わり方は私はあまり好きではない。結論とかしっかり描かなくてもいいけど、せめて誰もが同じ方向を向ける程度の指針はあってもよいだろうと思うけど。だから? え、それで?というような終わり方って。
投稿元:
レビューを見る
不動産屋さんに入社したけれど、あまり営業成績のよくない若い社員の話。
読み手としては「もう転職したら?」と言いたくなってくる。なんでそこまでしがみついてるんだよ。いい加減にしなよ、ってところでストーリーが動き始める。(とはいえ、このケースは実力ではなく、運だ)
不動産屋の営業マンとして順調に進み始めたかと思えば、あるところで突然話は終わる。うーん なんかもどかしい。そこがいいのか。
女が出てくるあたり、『ブラックジャックによろしく』の斉藤先生を見ているようでもあった。
内容的にはちょっと期待外れかなぁ...
投稿元:
レビューを見る
「お前は自分を特別な存在だと思っているが、お前は特別でも何でもないし、何者にもならない」
資本主義社会において市場が労働者に開放されてからというもの、資本をもたない労働者は自らの労働力という資本を使って市場というフィールドに参加することができるようになった。
仕事がこれほどまでに人生を多くを占めるようになった理由はとてもシンプルで、資本を持たないものは労働でしか社会の階層を登ることができないからであり、裏を返せば「労働すれば階層を登ることができる恵まれた社会」という物語が成り立っているということである。働かなければ(売らなければ)何者にもなれないというリアリティが不動産営業にはり、そんな大変なことで有名な営業職の本丸といっていい不動産営業の話。
ここに書かれている日常は嘘じゃないと思うから心が沈む。受話器と手をガムテープでグルグル巻にするってのも聞いたことあるし、営業の仕事は客の背中を押すことって不動産営業マンが言ってたし。
そんな不動産営業の日常を書きながら、何者でもない売れない営業マンが自分のがんばりと上司のサポートで売れるようになり仕事を通じて自己を獲得していく。なんてビルグンドゥスロマンな物語と思いきや、家を売りギラついた目をするようになった主人公が手にしたのは果たして自分が手にしたかったものなのかという、非常に考えさせられるラスト。というか、そんなことは売ってからしかわからないわけで、家を売った後、何者でもなかった主人公は一体何者になったのかと。
投稿元:
レビューを見る
社畜生活を思い出し、もう戻りたくないと胃をキリキリさせ、師を見つけた主人公を羨み、やり甲斐を見つけて抜け出せなくなっていく姿には未だ体調が戻らない自分を重ねて暗澹たる思いに沈み…そのまま悶々と読了。
働くことは生きることで、生きることはよく死ぬことだから、働くことは良い死につなげることでありたい。ハッピーやキラキラの必要はなく、痛くて辛くて吐き気と戦う毎日でも、よく死ねるなら人間らしい人生だったといえるんじゃないかな。
憂鬱だけど。
彼は確かに数年前の私であるけど、今の私は彼の未来とはいえない。私もまだ違う未来にすすめると思おう。
投稿元:
レビューを見る
すべての評価は結果次第。不動産販売営業社員・松尾の苦悩と葛藤を描く青春小説。第36回すばる文学賞受賞作。
どんな職業でも、まずは自己否定からスタートすべきなのか。松尾に浴びせられた「お前は特別でも何でもない」というストレートな言葉は、これから社会に出る者全てに与えたいメッセージである。仕事に答えはない。自らがたどり着くから『仕事』だ。『仕事』は『為事』とも書く。
投稿元:
レビューを見る
営業で1番辛かった時期を思い出した。どの業界も似たり寄ったりだな、と思った。
主人公がどんどん壊れていく感じが、恐い。
投稿元:
レビューを見る
図書館で借りた、初の作家さん。
ブラック企業で働く主人公の、自分との、会社との戦い。こういう環境だったら、私だったら、即辞めるかな。
読み始めから、最後まで、主人公がしぶとく会社にしがみつく様は、滑稽を通り越して、不思議。
どうなるのか・・と思っていた矢先、物語は、唐突に、ブツりと終わる。
きっと読み手の環境によって、主人公のその後は、その読み手の想像に委ねられ、想像して完結するようになっているのだろう。私が選んだ主人公のその後は・・転職だったけれど。
青春小説と謳ってはいるけれど、青春とはちょっと違うような。奮闘日記・・ともちょっと違うような。
そもそも主人公の、「会社を続ける意義・信念」みたいなものが全くないので、先述の通り、会社に居残るのは、不思議でしかない。そういった意味では、全く共感は出来ないけれど、よっぽど、命の危険が、とか、自分の確固たるスタイルが、とかが無い限りは、意外とそういうものなのかも知れない・・とも思ったり。
良くも悪くも、不思議な読後感が残りました。
投稿元:
レビューを見る
同じ営業をしている者として、感情移入して一気に読めてしまった。
不動産の営業の世界の過酷さと、営業としてやるべきことまで学べる小説。
特にエース課長の淡々としたキャラクターが、的を得た営業アドバイスをズバズバ主人公に指摘するシーンは爽快。
ただ、最後の終わり方が呆気ない…
三部作の一部目のような終わり方だったのが残念。もっと主人公が活躍する姿が見たかった。
投稿元:
レビューを見る
某東証一部上場ハウスビルダーがモデルと思われる小説。超絶ブラックな住宅営業のディティールは必見。ひとつの成功体験から徐々に自信を深めていく描写も上手い。
投稿元:
レビューを見る
ブラック企業の代表のような不動産会社で働く主人公は、まったく家が売れない。しかしなぜか会社を辞める気にはなれない。新しく配属された支店の課長の指導で徐々に売れる営業マンに変わっていく過程が面白い。しかしエース社員になった後の主人公の心には以前とは違う空虚感が広がっていく…。その描き方も上手い。
投稿元:
レビューを見る
ブラックな不動産の戸建て販売業者に入社した主人公の物語。
上司の言葉が、私の心に良くも悪くも刺さります。似たような業種に勤めているので、感情移入できました。
営業という仕事において、大事なことも書かれてあると思うのですが、本質はもっと深いところにあるようです。
サラリーマンで先に希望を見出せていない方にオススメの本です。
投稿元:
レビューを見る
he dies at the end? why can't or don't he quite his job? why can meet a qute girl only once night? why japanese people('_'?) so he likes the pencil house?
投稿元:
レビューを見る
すばる文学賞受賞作品とのこと、これも初めて読む作家さん。主人公が新卒で入社した不動産会社は販売専門。きついノルマとプレッシャーの嵐。客に買わせることを業界用語で「殺す」と言うのだとか。興味を示した客を現地へ案内するテクニックなど面白い。家を購入したときに回った不動産会社数社を思い出し、なるほどこういうことだったのかと納得したり苦笑いしたりもして。結局わが家が購入を決めたのは、いちばん口の上手くない、正直すぎる不動産屋さんの物件でした(笑)。あ、もしかしてそう思っていることが向こうの思うツボ!?
投稿元:
レビューを見る
主人公の松尾氏が入ったのが不動産屋さんで、そこでの会社の様子が書かれています。昭和時代ならまだしらず、今でもこのような体育会系の職場があるかとしたら驚きですね。少なくともこの小説の前半は、読むのも気が引けました。
小説に動きが出るのは、松尾氏が恵比寿支店から、用賀支店に転勤になり、少し毛色の異なった上司の下で働くことになり、そこで個人的指導を受けたおかげで、周りの人たちが売ることができず、社長も気にしていた物件を売ることができてから人生が変わってきたようです。
不動産業界の話あり、最近の若い人たちの仕事に対する考え方もでてきて、恋愛に関する話題もあり、楽しく最後まで読めました。でも、最後まで読み終わって、まだ結論に至っていないな、まだ話が続いているかのような終わり方でした。
以下は気になったポイントです。
・覚えることは意識して覚えるようにした、道路・物件・鍵、この3つのことを覚えるだけで、見える景色は変わった(p136)
・利便性、広さ、環境の三拍子を揃えることは難しい。(p145)
・ネックを潰すには、客が諦めるまで「まわし」の物件を案内し、勧め続けるのが鉄則である(P146)
・まわしの物件は、それがどれだけ気に入らないものだろうと勧める、本命はその逆、押しの営業と引きの営業の使い分けも大事(P153)
・仕事は何か、という答えは自分で見出すものであり、出来るだけ多くのビジネスマンに会い、できるだけ多くの経験を積み、そうして自分なりの答えを出せる土壌をつくるのが大事、この本を読むことで取っ掛かりは掴めるかもしれない(P190)
2017年5月14日作成