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さまざまな事情で「無縁」な人々の生と葛藤が描かれています。
満足したわけじゃない、でも諦めたわけじゃない。
そんな地に足をつけた淡々とした人々の生きざまに静かな感動を覚えます。
「量刑ってのは人生の更生に与えられたチャンスなんだ」
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桜木さんの小説を読むたびに
貧しさとかやるせなさを感じて、
暗い気持ちになってしまうこともあるんだけど
それでも、引き込まれる文章は力強くて
最後まで読むと、希望ややさしさを感じる
音楽だと、なんとなくブルースを聞いている感じ
北海道が舞台というのもあり、
親しみやすく、読みやすいというのもあり
桜木さんの小説は、わたしにとってハズレなし
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生と死。人との繋がり。孤独。
様々な人の生き方を描いた短編集。
どれも、何かしら寂しさの中に温かいものを感じる。
2015.12.13
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6つの短編集。どれも孤独、 貧しさ、寂しさ、哀愁、覚悟といった言葉が根底にあるような作品。
桜木さんの作品はどれもこのようなテイストでせつない。起終点駅が一番良かったかな。
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桜木紫乃は、女版重松清だと思う。
重松清が父から息子へと続く哀切を描くなら、
桜木紫乃が描くのは、母から娘へと受け継がれる一筋の光。
毒親育ちのあたしにとって、
母恋しさと、寄る辺なさがあいまって、
どの話も泣けて泣けて仕方ない。
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やっぱりこの作者の作品は好きだ。これまで長編しか読んでこなかったが、短編でも作者らしいペーソスが根底にしっかりと土台となりまとめられている。
どれも佳作だったが、海鳥の行方と潮風の家を特に推したい。
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短編6作。
突きつけられる孤独。
風の冷たさ、心の揺れ動きが感じられる描写は恐ろしいほどに研ぎ澄まされている。
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釧路で法律事務所を開いてから30年。鷲田完治は国選の弁護だけを引き受け続けてきた。
そんな彼が9月に入って最初に担当した事件は、覚醒剤の使用で立件されたある女性の弁護だった。ずっと無愛想にしていたその女性が「恋人を捜してほしい」と鷲田の事務所を訪ねてくるが......。(表題作「起終点駅」より)
北海道を舞台に、それぞれの登場人物の分岐点を描いた短編集。
2015年月18日電子書籍にて読了。
明るい装丁に惹かれて読み始めたのですが、予想に反して重たい物語ばかりでした。
予想と違ってはいたけれど、悪い意味ではありません。
タイトル通り、それぞれの起点であったり、分岐点であったり、終点であったり、と、様々な人生を描いていて、それぞれの味わいがありました。
読み終わってから知ったのですが、表題作は映画化が決まっているようですね。ちょっと......というか、かなり気になります。
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表題作を含む6つの短編集。どの作品も桜木紫乃らしい作風。しかし、話に入り込めなかったため、読むのに苦戦。『かたちのないもの』と『海鳥の行方』は良かった。どちらも桜木紫乃らしさが存分に発揮をされていた気がする。
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孤独な人生を過ごす人々の過去の清算と未来への光りを描く短編集。今秋、表題作の映画が公開される。
明るい物語ではない。北海道の各地が舞台ということもあるが、冷たい風や暗い曇り空に深い雪が情景として思い浮かぶ。しかし、何故だか悲観的な気持ちにはならない。登場人物たちが現実を直視して、自らを戒める姿が清々しさを感じるからだろう。ただ生きるのみ、生きていくことに価値がある。そして、必要最小限の縁だけ大切にする。なかなか真似できるものではない。
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桜木紫乃作品の三作目読破。
やはり、一気読み。
桜木紫乃さんは、社会の底を愛をもって書く作家さんですね。
自分の周りにも存在する人たちなんでしょうけど、普通すぎるくらい普通に生きている人には、夜の街に生きる女性の私生活とか、廃品回収をする人の生活とかの「生」はわからない。
そこを覗くような小説だな。
大好きな北海道が舞台で、私の知らない世界が覗くことができた。
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どれも暗く重たい人生を背負った話。
だからと言って悲壮感漂う感じはないけれど、明るく読み飛ばせる感じでもなく。
ただただ、人は誰も背負っているものがあるんだと、それは当たり前のことであるかのような。
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この人の中で1番すき。どの短編も粒揃いでよかった。特に最後の話読み終わるときには涙がでた。人って 酷いことするなぁ。
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自分の環境とは全く異なる環境にいる登場人物たちではあるが、気づけば自然と感情移入しており、一冊読み終えると別の人生の一端を経験したかのような錯覚に陥った。物事は全て綺麗事のようにはいかず、人が生きていくというのは苛酷なことなのだ。一人と思っていても決して一人ではなく、一人の人間は必ず誰かの人生に影響を与えており、自分の人生を生きるというのは誰かを生かすことでもあるのだなと思った。
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祝!映画化(どの話が映画になったのだろう?)
北海道を舞台とした貧しい暮らしの中で生きる人の短編集。物悲しさの中でも、楽しさや生活することがじわりとくる。生きるとは大変だよな、でもそんな悪いことばかりでも無いよなと思ったり、退屈そうな人生も年をとるとともに馴染んでくると言うか。
小説を書いている弟の事を思い出した。「東京では書けない、地元ならではの色を出した小説を書きたい」と。まさにこれは東京から遠く離れた北海道の地だからこその、特色、味が良い感じで滲み出る作品であった。群馬だとどうだろうか?私も一時期住んでいたが、東京からそう遠いわけでもなく、特色もこれと言ってパンチが無いように思う。「おまえはまだグンマを知らないだけ」と言う漫画があったが、その後どうしているだろうか?
【心に残ったフレーズ】
名を成した人間は、死ぬと必ず喜ぶ人がいるものだ
私の死を喜んでくれる人がいるような強烈な力、個性にも憧れる。