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まさかの展開に驚いたけれど、文句なく面白かった!
観光地でありながら、目に見えない結界がはられている京都の奥深さも含めて、物語が展開していく。青緑の小品、睡蓮の絵の小品を見てみたい。
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みたこともない「絵」なのに
まるで
みているような
それも 壁に掛けられて
ちゃんと 照明も当てられて
魅せられてしまう
そんな「一枚」が
脳裏に浮かび上がってくる
元キユレーターの面目躍如ですね
もちろん
登場する人物たちは
それぞれ魅力的に描かれ
頁を繰っていく先から
物語の中に すっかり
包まれてしまう
そうです
「読書」という至福の時に
ゆだねられる
心地よさ を
確かに 味わえる一冊です
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面白くテンポ良くて一気読み。
菜穂と樹の秘密が解った時、最後はこうなるよなと納得しました。
一輝の立場で見ると菜穂の事は納得出来ないと思う
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うつろい/青葉萌ゆ/火照る夜/山鳩の壁/葵のあと/花腐す雨/無言のふたり/寄るさざ波/秘密/睡蓮/屏風祭/宵山/巡行/川床/送り火/蛍/残暑/焔/魔物/落涙/夕闇/紅葉散る/氷雨
の23章からなる作品。
1,200年の歴史と伝統に生きる京都の街と人。その古都の四季のうつろいの中で、一枚の画が菜穂と樹の止まった時間を動かし始める。
夫婦、親子、男女の感情の機微、心理やしぐさが京都の街や人、そして東京の人間を通して丁寧に描かれている。うつろいゆく京の四季の描写も魅力だ。
たかむら画廊の青年専務・篁一輝と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は3.11による東京の放射線被曝を避けるため、出産を控えて東京を離れ京都に長期逗留していた。妊婦としての生活に鬱々とする菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗の画廊で菜穂の類まれな審美眼が見出した一枚の画。画廊の奥で強い磁力を放つその画を描いたのは、まだ無名の若き女性画家 ―― 樹であった。深く冷たい瞳を持つ樹は声を失くしていた。
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これは原田マハしか書けない作品。今までも絵、美術作品が出てくるものはあったけど、こちらもアートの世界を読みながら楽しめる。最後まで一気に読み進めた。
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例によって事前の知識なく読み始めたため、父の画廊で働く一輝と、樹(たつる)という謎めいた女性との恋愛物なのかと思いきや、違った。むしろかなり終盤まで結局誰が主人公なのか、そして異邦人が何を指すのか、漠としかわからないようなところがある。一輝の妻でありもうすぐ母になる菜穂、アートとアーティスト、さらにその業界、震災・原発事故、一輝と菜穂の両親つまりそれぞれの"家"の存在。これらと、京都という町とによって浮かび上がる物語。読了後に本作がミステリらしいと知って驚いたが、確かに多少それらしい要素はあるものの、これはあくまでも人間のドラマだと思う。個人的には、京都の風情を含めて楽しめた。
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京都を舞台に絵の世界を垣間見せてくれ、セレブな人々のお家事情(恋愛、夫婦、母娘間のあれこれ)。京都の街案内としても面白かった。お家事情はさらっとし過ぎていた感もあるが、美術に的を絞ったとしたらこうなるのかな。
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美しい京都を舞台にした
メロドラマ?(表現が古い!)
原田マハにはもっと深い美術の世界を教えてと
勝手に期待してしまう。
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今回は、どんな美術作品が登場するのかワクワクしながら一気に読んでしまいました。登場人物の意外な展開もみどころでしたが、何より京都の日常生活に馴染んだ美のたしなみを、うまく描き引き出されていたところが良かったです。
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ここのところ、マハさんの“独占市場”である美術界を背景にした人間模様。あれこれの仕掛けが周到に用意され、この物語はいったいどう流れていくのか、決着はどうつけるのか?と、先を急いで読んでしまう、という意味では面白かったのですが…。
東京の老舗画廊の御曹司・篁(たかむら)一輝。(この苗字、カッコいいよね。いかにも高貴&物語の主な舞台となる京都の匂いを始めから感じさせて巧いなぁ、とも。)そして、彼の妻・菜穂は、父親の経営する日本有数の不動産会社を母体とするセレブな私設美術館の副館長。幼いころから“名作”を見抜く目を持つ彼女は今妊娠中で、3・11直後の東京の放射能を恐れ、京都に一時避難中という導入です。
・・・・・・ う~~ん、これはマハさんの意図したとおり、なのかもしれないけど、どうしてもこの菜穂が好きになれない。いかにもお嬢様育ち、という自分の価値観だけを主張する我の強さ、想像力のなさ。
美術の世界では、人好きのするような穏やかな女性ではわたっていけない、ということなんだろうか。うん、新人を発掘したり、大御所とやりあったり、また、他の画廊を出し抜いたり、と性格の強さは必須なのかもしれないけれど、それにしても、夫に対するモノの言い方、思いやりのなさは読んでいて辛かったし、うんざりだったんですよね。
で、京都で出会った無名の若い女性の画家・白根樹。彼女の描いた絵に一目で惹かれていく菜穂の心の動きやその絵の描写はさすがマハさんと思わせる素晴らしさで、また、樹の持つ謎めいた空気・生い立ちはまるでミステリーのように読む者をぐいぐいと引っ張ってくれたし、京都に何百年も前から住み、その家系を誇る人たちの奥深い営みも素直に面白かった。
でも、一輝がなぜ菜穂を愛したのか、こんなイヤな女(と言ってしまうけど)との結婚をこれからも続けたいと奮闘努力しなければいけないのか、がどうしてもストンと来なくて…。
ネタバレです。
愚直に妻を愛し、家業を守ろうと努力した彼がなぜこんな目に合わなければならなかったか、あまりに可哀想すぎる、と後味が悪すぎるんじゃないでしょうか。ねぇ、マハさん、と言いたいです。
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面白かった~!!
京都の四季や伝統文化の中に絵画を絡ませ、その中にちょっとしたドラマがあり、心行くまで楽しんだ。
圧倒される絵画とはどんなものなのだろうか。
是非めぐり会ってみたい。
京都には簡単に受け入れてもらえないという“異邦人”という感覚は分かる様な気がする。
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原田さんが描くアート小説では
いつも絶妙な位置に絵画が配置されていて
私達は
絵画自身が語りかけてくるような
深い余韻のごとき物語に耳を傾けつつも
視線はずっとそこでいい、
絵画を眺めていていい、
まるで美術館にでもいる様なそんな心地良さが好きだった。
が、
今回目線が若干落ち着かないな?と、感じたのは
絵画と読者の間にいる人物の色が濃すぎたせいだろうか。
<本当に価値のある絵画を見抜く目>が
後世に残して行く偉大な作品を発掘するのだから
大事な事だとわかっていても、
私にはあまり興味が持てなかったせいもあるのだろうか。
主人公が経営する美術館で所蔵していた
モネの『睡蓮』を諸事情で夫に売却され、
落ち込んでいた彼女に
ある人が言った
「気の毒でしたなぁ。
せやけど、その『睡蓮』は
もともとあんたのもんやなかったん違いますか?」
の、言葉が最も私の心を捉えた。
人の心を打つ絵画は
画家の生活を支える為に描かれたのだろうか?
一部の収集家の欲を満たす為に存在するのだろうか?
そうじゃない、と思う私には
物語の中での売却合戦が、ちょっと哀しく感じられた。
でもミステリー小説だと思って読めば、
間違いなく面白い。
ぐいぐい物語に引き込む筆力には圧倒された。
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京都の空気感を感じながら、読みました。
樹の絵が、目の前にあるような気持ちになりながら。
最後は、「なるほどー、そう来たかー」
という感じ。
おもしろかったです。
つくづく、マハさんは、絵を愛していらっしゃるんだなあ、と思いました。
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優れた審美眼を持つ菜穂が見出した樹の作品は、どんなだろうか、と想像しながら読みました。美術館に行きたくなります。ラストは物足りなかったです。
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表紙の絵や帯にヒントがあったんだ。
夫が主人公だと思っていたのに、何となく好きになれなかったもの言わぬ女主人公を、いつのまにか応援していた。
この夫が少し可愛そうに思えたけれど、それも仕方ないのかな。