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時間・金銭の欠乏と認知能力の低下との関連を考察し,これに対する提案を試みた内容.何かを有効に活用しようと考え,行動すること自体による負担は,確かに見落とされがちであるし,回数としては少なくてもうまくいくことが望ましい.欠乏状態を脱却する鍵は,その人を取り巻くもののちょっとした組み換えや,ちょっとした積み重ねであり,それは決して負担をしいるものではないこともあるが,当人はそれに気づいていないか,気づいていても不可能と思っているために,うまくいかなくなる.そこに対して,本人の意識しない,あるいは逆に意識を強いる形で,そうした組み換えや積み重ねを行わせることで,より楽な方向へ歩むことができると説く.結語にあった豊かさの中での慢心に似た心理に対する考察も今後ぜひ刊行してほしい.
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一般的に時間がないのは、
・運動不足だから
・テレビの見過ぎだから
・スマホ中毒だから
と誰もが知る理由が挙げられてる。
しかし本書は行動経済学の観点から〃貧乏=欠乏〃が原因だと提唱している。
お金がないから生活が苦しく、稼ぐことに目がくらみ長時間働いて体を酷使する。
もしくはお金のこと以外に目が向かず、借金や宝くじなどの短期的な利益に手を出す。
もし心に余裕があれば、広い目で客観視でき、本当に必要な行動が見えてくる。
しかし貧乏人は欠落しているものに意識が持っていかれ、冷静な判断が下さず、結果的に解決には至らない、だから貧乏から抜け出せない。
そういう意味で成功者らは貧乏=欠乏に縛られなかったとも言える。
自由な心でなんで挑戦できるのも、欠乏を抱えていない証拠だからだ。
行動経済学を基にしてるので、ノウハウ本より信用できるだろう。
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集中とトンネリング
時間がなくなると、会議では中間軌道修正がおこり、肝心なところに集中し、より具体的な進展がある
残された時間がほとんどない、と感じると、彼らは毎日を最大限に活用しようとした
欠乏がさまざまな時間尺度で人の注意を引きつける
トンネリング
トンネル内のものは見えるが、外のものは何も見えなくなる視野狭窄状態
‼️集中は有益だが、もっと重要かもしれないことがトンネルの外に押し出されてほったらかしになる
‼️マルチタスクは代償を伴う、運転中の電話、食事会議
処理能力への負荷=欠乏
線路沿いの生徒は、他と比べ、学力が落ちた
人の気を散らすものは外から来るとは限らない、住宅ローン等
‼️バックグラウンドで沢山のプログラムを開いていれば、ブラウザーはもたつく
貧困は能力を低下させる。
彼らの持って生まれた能力が低いわけではなく、知性の一部が欠乏によって占拠される
ダイエット中、成績悪い
‼️欠乏とは、重要な心配事が連続発生している状態
人の豊かさは気にしないでいられるものの数に比例する。
洗濯用洗剤メーカー
小さいキャップは満杯まで注ぐので満足する。
大きいキャップは少なく感じるので、沢山消費してしまう
人は目先の利益を過大評価して、将来の利益をおろそかにする
ジャグリング
緊急の課題を曲芸のように次から次へと処理する最悪状態
‼️欠乏の罠から抜け出すには計画を立てる必要があるが、計画は重要だが緊急ではないのでマインドセットが難しい
‼️部下の火消しを手伝うことができれば、新たな処理能力を生み出すことになる
組織における欠乏への対処
セントジョンズ医療センター、手術室はいつもいっぱい
解決策は、手術室を1つ使わずに開けておくこと
計画外の手術がいつも計画を狂わせていたが、これにより対処できるようになった
貧困層が貯金をしない理由
貯金は重要だが、緊急ではない
リマインダーメールを送るだけで、貯金は6%増えた
‼️欠乏は往々にして豊かさのもとで生まれる
無駄に使われたたくさんの時間の元に、
余裕があった時に下手なお金の使い方をしたせいで
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久しぶりに行動経済学ものでおもしろいやつ。不足や欠乏は頭を悪くする(部分的には頭よくする)。読んでて気分悪くなった。生活上にも、道徳やら貧困やらを考える上にもとても重要な本。
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2022/04/24 読了
#読書記録
#rv読書記録
時間に追われる人、あるいはそれに限らずなにかに追われ苦しんでいる人には、例えば金銭や時間といった問題だけでなく、処理能力においても問題が発生しているという事実を、明確なデータとともにしめしている。
仕事でもあったなと感じる場面も想像でき、逆に言えばあらゆる人に読んで欲しいと思える。再読価値あり…かな。
読んでる最中、途中適当に読んで理解がかなり薄い所がある。まさに"欠乏"状態に陥っていた。理由の一つが図書館への返却期限。まさに"欠乏"による処理能力の低下が起こった一例か…
おそらく今後も同じことに直面するんだろうなぁ。。。人間は愚かだ。
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経済学者と心理学者が共著した行動経済学の本。
欠乏は心を占拠し、その対象のことをいつも頭のどこかで考えることになる。心の中の一部が占拠されることで処理能力が落ちる。処理能力が落ちるとへまをする。これは著者によるとバックグラウンドで開いているプログラムのせいで処理速度が落ちたパソコンと同じ状態らしい。
そして欠乏は新たな欠乏を生み出し、深みにはまっていく。
その負の連鎖を裁ち切るには「想定外」に対応する時間やお金をあらかじめ「計画内」にいれておくといいらしい。本の中ではこれはスラックという言葉で表現される。
負の連鎖を人間の意志の力で断ち切るのは難しいので、外的な仕組みを作ることが大切なのだそうだ。
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橘玲の推薦本。
読んで改めて、余裕(ゆとり)が大事だと思った。
常に忙しく、コップの水がいっぱいの場合は新しい水を入れることが出来ず、入っている水を捨ててから入れるしかない。
切羽詰まった状況だと目先のことしか見えず、大切なことを見落としてしまう可能性がある。
心に余裕をもつ生活が大切だと思った
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「時間がない」「お金がない」などの欠乏(◯◯が足りない)とその影響を解説した本。貧困の解説が多い。欠乏によって頭の中がいつもその事にとらわれ処理能力が低下し、肝心の欠乏を引き起こしている原因を解決するのが難しくなる負のループに入ることが解説されている。時間がない場合は最悪すべてのスケジュールをドタキャンして断ってしまうこともできるが、貧困でお金がない場合は何も手放すことができない。そのため貧困の欠乏の負のループは脱出が難しいという。
欠乏とそれによる処理能力の低下は新しい視点でとても参考になった。豊かな内に欠乏状態にならないように対処することと、処理能力は筋肉のように疲れると落ちるものであるという点はこれからの生活ですぐに役立てられるところ。
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【感想】
いつも時間がない、時間がないと思いがちだったけれども、
時間がないと言う欠乏性に陥っていることに気づかされた。
特に、身体の疲れにより休息が必要と同じように、精神的にも消耗したときに回復を必要とするというのは心に残った。
育児はまさにこれ。
あと、今まで貧困は金銭面しか考えていなかったけれども、
心理的状況や処理能力まで目を配ると言う事はなかった。これも新発見。
【心に残ったところ】
・ひとつのことに集中するということは、ほかのことをほったらかしにするということ。
・欠乏とは、自分の持っているものが必要と感じるものより少ないこと
・欠乏は人の心を占拠する
・欠乏状態とは、失敗できる余裕がないことだけではく、失敗する場面が多い。
・だから、スラックがあることは、豊かさを感じられ、心のぜいたくにも感じる。
(大きなスーツケースに物を詰める時、トレードオフになっていることにすら気付いていない)
・トンネリングは、トンネルの内側のものが鮮明に見えるが、トンネルに入らない周辺のものは何も見えなくなる視野狭窄の状態。
・トンネリング(差し迫った欠乏時に起こす。
例:借金を重ねることなど)を起こし、ほったらかしにし
・ジャグリング(緊急の課題を曲芸並みに次々とやりくりすること)によって欠乏の罠に陥る
・スラックをもとう(ショックをやわらげるくらい)
・本人の意思の問題ではなく、欠乏マインドセットを知り欠乏の罠を避ける方法、やわらげる方法を
・ダイエット、孤独感、借金なども欠乏マインドセット
・処理能力に負荷がかけられると、衝動抑えるのは難しくなる。
(控えたいケーキを食べることや、言うつもりのない言葉を口走るなど)
・自分が孤独になると思い込んだ人は2倍近くたくさん食べている。
他には脂っこい食べ物の摂取量がかなり多い。
★貧困は物質的は状況に重点が置かれがちだが、心理的状況、処理能力にも目を向ける必要がある
(よく眠れていない?頭をきちんと働かせるのが難しい?気が散りやすい、動揺しやすい?そんなことが毎日起こる?)
・圧倒的に1番多かった答えは時間。(中略)
もっと自由な時間が欲しいのだ。
人は身体的に疲れきって休息を必要するのと同じように、精神的にも消耗するので回復する必要がある。
ところが欠乏が長引くと処理能力の負荷は蓄積されがち。
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【琉大OPACリンク】
https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB18111818
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「貧すれば鈍する」と言われる。常におカネや時間などの不足分に気を取られて(どんな手を使ってでも埋め合わせよう!)IQが下がってしまっているという。「まな板の法則」のように不足分に関する雑念がCPUを専有して、切るべき具材を置くスペースが狭くなるのだ。つまりピンチ度合いが増すほどに酔っ払っているくらい思考力が低下してしまうということ。本書はそんな「欠乏の行動経済学」について解説されている。
(行動)経済学からの説明は本書に譲るが、自己啓発系の本家「7つの習慣」の第一の習慣「主体性を発揮する」ためのマインドセットとしても本書は重要である。つまり「0の習慣」ともいうべきなのが「心身ともに余裕のある状態を作ること」である。本書のアドバイスに従えば、「第三の習慣」で最重要視される「緊急ではないが重要なタスク」を継続できるようになる。
行動経済学の権威であるダニエル・カーネマンが「ファスト&スロー( https://x.gd/18Q0p )」で説いた認知バイアスの「システム1」に囚われないようにするためにもまずは「余裕のある状態」に自分を置くことである。
そのためにはおカネも時間もギチギチに使い道(予定)を詰め込むのではなく3~4割程度の余裕(バッファー)を設けておきたいところだ。