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アメリカ・インディアンの神話の話もおもしろかった。ジョシュア族の神話に、創造主が二人でてくるのです。一方は名前があり、他方は名前がない。名前のある方は、努力をして、どうにか動物や人間をこしらえようとするのですが、失敗に終わる。他方の創造主は、三日間ずっとタバコを吸っていると家が出現し、その中から美女がでてくる。名前のない創造主は、その美女を結婚して、16人の子供を授かったのだそうです。16人はインディアンのすべての種族の祖になった。つまり、創造というのは、ひたむきにガリガリやって無茶して努力してできるものではなく、タバコを吸うという行為に象徴される行為によってなされるということが言われている。著者は、昨今の禁煙の風潮によって、「タバコを吸う態度」までなくすると、人間のたましいに悪いのではないでしょうか、とやんわりと禁煙の風潮に疑問を突きつけます。そうなんですよねえ。一般的に、詰め込み教育であったり、馬車馬のように、忙しく働くのが正しい、みたいな考えであったり、そういうのに僕なんかはよく出くわしますが、そういうのでいいひとは良いかもしれないけれども、思索したいひともいるだろうし、それこそクリエイトしたいひとはそういうのが害になりますよね。というか、これからの時代って、ばたばた忙しいのが傍流になるんじゃないだろうか。いや、傍流にしていくべきなんじゃないのか。いずれにせよ、ひとつの価値観を強要するようなのはよくないということですね。