投稿元:
レビューを見る
本書で繰り返し強調されるTPPのバリューチェーンへの好影響には説得力を感じた。日本企業は近年の国内需要の低迷により生産拠点をアジアに移設している。アベノミクスの必死の円安政策でも輸出が上向かなかった原因の一つだが、TPPでバリュチェーン内のコストが下がれば交易条件は良化し、アンチデフレ効果が期待できる可能性がある。このことを取ってもTPPに一定のメリットありとしても良いと思うが、本書では他にも対ブロック化経済、対中国、さらによりマネージャブルな規模の経済協定の模索の面でもブライトサイドありとしている。「ガードを下げた打ち合いでは絶対に日本が負ける」と信じて疑わないペシミスティックな向きに取っては恣意的な事例の羅列にしか見えないのも理解できなくはないが、最早参加国間で大筋合意がなされた今に至っては、出来上がったルールの中で如何に力をつけるかに知恵を絞ったほうが遥かに建設的だろう。
投稿元:
レビューを見る
アジア太平洋地域の12ヶ国、世界経済規模の40%を占める地域での大型連携協定 日本がこれまで取り組んできたどの経済協定に比べても自由化比率が高められている TPPをきっかけに農業改革を進めていくことこそ、日本の農業より強固なものにしていくはずである 社会全体の利益のほうが損失より大きい
投稿元:
レビューを見る
自説に都合のよいように、データがあれば示し、なければ誤魔化しているアンフェアな本。例えば、ISDS条項(制度)は誤解が多いとしながら、事例は過去の米国のケースを挙げ問題ないという。だからと言って日本に当てはめて大丈夫とは言えず、制度論と事例がごた混ぜになっている。科学的に言うと、必要条件と十分条件を混同するという、基本的なことが守られていない。
投稿元:
レビューを見る
TPPは12ヵ国、世界のGDP40%域における史上最大、95%の自由化率となる。今後、連鎖的にEUとの経済連携交渉など、様々なリアクションが起きてくるだろう。変化に対応しつづけなければ倒れてしまう。国内では、対応・改革に向けての動きも出てきている。
長い目で見たときにはグローバル化は必至の流れだとは思いますが、当面の不利益が、長期的な更なる不利益とならないように、と思います。