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ミステリーとしては、要所要所にたくさんの鍵が見え隠れする設定でありながら、主人公の定家があまりにも鈍感である。
歌人としての定家への尊敬の念から、こんな定家は見たくないと思うのである。
定家の話を聞いただけで、ほとんどの推理を脳内の仮定と論証で解き明かす長覚の冴えは魅力的だが、どうも釈然としない筋運びだと思うのだ。前半のだらだらした展開は要らないではないか。
とは言え、古典文学を学ぶ者にとっても、この本は興味惹かれる内容だとは思っている。
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小倉百人一首周辺くらいしか和歌の造詣はないワタクシですが、しっかり楽しませて戴いた。
六歌仙のプロファイルと合致する、当代の歌人を探していくのなんか、ミステリの王道じゃないの。
しかし、こうやって改めて弔歌ばかりを並べられると、その豊かさ深さに驚嘆してしまう。恐るべし、三十一文字。
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http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2015/06/post-2e29.html
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藤原定家 謎合秘帖 シリーズ2
藤原定家、41歳。御子左家当主。
昨年、後鳥羽上皇によって勅撰和歌集の撰者、六人の内の一人に選ばれた。
歌人としての最高の栄誉をつかみながら、官職の方は、昇進せず、近衛少将のままで、今一つぱっとしない。
定家はじめ、勅撰和歌集の撰者たちは、日々、和歌所に参上して、和歌選びにいそしんでいる。
そんな折に、歌神と名乗る者から、
当代六歌仙の死を予告する不吉な文が、届いた。
一首の歌と、もう一首「本歌取り」の歌が書かれていた。
やがて、一人、二人と、歌人が死んで行く。
歌神の正体は?
歌人たちの死を利用して、いかにも自分の力であるかのように見せかけているのか?
それとも、強力な呪詛の力を持ち合わせているのか?
定家は、現場を検証する事なく、事件の本質を見抜く、園城寺の美僧・長覚の力を借りて、見事に、謎解きをする。