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絵画に隠された謎や背景について解説する本でした。
絵画を見る視点が変わって美術館に行きたくなりました。
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美術館の公式ガイドには書かれない有名絵画にまつわるゴシップ的な話を集めた本。
個人的に実物を見たことがある絵画もたくさん紹介されていて、180度印象が変わった作品も。美術館鑑賞が楽しくなる一冊。
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ルネサンス、バロック、ロココ、新古典主義、ロマン派、印象派、などの西洋絵画の様式が生まれたヨーロッパの歴史の背景を丁寧に解説してくれる一冊。
ロマネスクから20世紀美術まで、時代の流れに沿って、その時に興った芸術の流派、グループを追っていく。
特徴的なのは、それぞれの様式が何故生まれることになったのか。その原因となった当時の各国の状態(戦争や近代化など)を詳しく書いてくれている点。
それぞれの様式の違いだけでなく、その変遷の流れも理解することが出来る。
こうやって全体を見ると、歴史画、宗教画、神話が最上とされた時代から、風景画をテーマのメインとし、描写方法も新しいものを開発した印象派たちが、やっぱり西洋絵画の歴史では最も切り開いた感があるように感じた。絵もやっぱり全体的に明るいし、後の表現主義やキュビズム、フォービズムなど抽象画に繋がるものもある。(学生のころは完全に抽象画の方が好きだったけど、いつのまにか印象派以前の作品に惹かれるようになってたなぁ)
なんと言っても、雇われるわけでもなく、自分たちで展示を企画したその動きは、美術史においてかなり大きいと思ってる。
私が印象派の画家たちが好きなのは、絵だけでなく、その行動力も素晴らしいと感じるからです。
芸術の中心がフランス→イタリアときて、また新古典主義ではフランスが逆転する。
17世紀のオランダ、スペインの黄金期など、ヨーロッパ全体を俯瞰で見た芸術の流れもよくわかる。
ルネサンスの時代画家たちを支えたメディチ家、ラファエロを支えたユリウス二世、ベラスケスを官邸画家として重宝したフェリペ四世などのパトロンの存在。
硬派なバロックから軽快なロココを好んだルイ15世。
そして17世紀以降幅をきかせ、後に写実主義や印象派などと真っ向勝負することになる王立絵画彫刻アカデミーの存在。
各時代の画家たちに影響を大きく与えた人物や組織のことも抜かりなく書かれており、西洋美術をより立体的に見ることが出来る。
絵画作品単体を見るより、やっぱり歴史を知った方が美術は面白い。
世界史ももっと勉強しなくちゃな。