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国民会保険制度は社会保障である
アメリカはこの仕組みをこわそうとしている
健康保険制度はかなり複雑である
時間をかけて勉強しなければ理解できない
一部の有識者により国民に知らされぬままこの制度が蝕まれつつある
民間医療保険・薬の自由価格
かわった後に元に戻すことは困難だ
著者の主張は大げさかもしれない
医療にはお金かかかること
知るきっかけになる
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基本的には堤さんの一連の主張を繰り返した本。
これはもう資本主義の終焉だね。自分を含め無知、無関心の結果、この日本でも抜き差しなら無い所までもう来ている。新安保法案の時に一時的に、その成立を阻止しようと市民レベルでも盛り上がったが、日本の皆保険制度は何としても守らねばならない。
もう、アメリカの強欲資本主義の餌食になってはいけないだろう。処方箋は、堤さんの物だけでなく色々あるような気もする。何れにしても、無知、無関心が一番ダメ。
幸い選挙権も18歳に引き下げられる。アメリカでリーマンショック後一人で、保険会社の前でビラ配りする若者姿が本書でも紹介されているが、こうしたことから粘り強く始めなければいけない。
それにしても、マスコミの怠慢は許せない。もっと分かりやすく伝える義務がある。
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やはり、やはり。医療の公平性が怪しくなってきた日本。アメリカばかりでなく、ヨーロッパの成熟した諸制度をもう一度学ぶべきかな、と思う。
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沈みゆく大国の第2弾
国民皆保険を謳っているが、中身は投資家や保険会社、企業の利益が中心となり、医師や患者が置き去りにされているアメリカの新たな保険制度オバマケア。
医療は商品ではない、心が入って成り立つものである。
対岸の火事ではなく、日本にもその触手が伸びている。
「日本の国民皆保険は共同体の精神から生まれた制度」
助け合いの精神を忘れず、お互いを思いやる気持ちがないと国民皆保険は継続できない。
反面教師であるオバマケアと比較しつつ、制度について理解しなくてはならない。
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いつも思う。この人はアメリカのことを見ながら、将来の日本を見ようとしていること。
食料の次は医療。アメリカと同じような運命をたどることになったら、間違いなく医療破産は起こるでしょう。いくら収入があっても足りないでしょう。
すごく考える。これは無くなって欲しくない。
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沈みゆく大国アメリカの第二弾、強欲資本主義とエセ民主義国家と化したアメリカという超ニヒリズムの実態。
しかしながら、草の根部分から、超ニヒリズムを克服しようとする芽生えがあるとの現場取材の報告があり、少々の安堵感が得られた。
しかしながら、金で権力を操る強欲資本主義の攻撃はまだまだ続くだろう。
お金で情報操作を繰り返され、庶民も騙され続けているが、目覚めの時点はいつ来るか不明だが、ある限界点に達した時、一挙に、流れは変わるのだろう。
地道な強欲資本主義との戦いを期待しておこう。
日本社会に忍び寄るアメリカの強欲資本主義、無知・不勉強の隙間を突かれる。
くれぐれも、政府、マスゴミが垂れ流す強欲資本主義の下請け情報にご注意を!
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製薬会社と民間医療保険によって市場化が進んでしまったアメリカ。そのアメリカの医療現場を破壊した市場原理を日本の医療に導入しようとしているアメリカの動きがよくわかる。
アメリカでは、薬価は製薬会社の言い値で決まるという。これは保険会社との協議、ないし話し合いで決まるのではないだろうか。協議の形をとっているにしても、製薬会社の立場が圧倒的に強く、言い分がほとんど通るがゆえの「言い値」という言い方だろうか。
ともかく、アメリカの医療の特徴は以下のようになるだろう。
① 所得層によって入る医療保険が異なり、また加入した医療保険によってカバーしている医療内容が違うため、受けられる医療の格差が激しい。
② 製薬会社と政府が政治献金・ロビー活動で強く結びつき、薬代が高止まりしている。医薬品に市場原理はそぐわないが、逆の意味で反福祉的に働いている。
③ 医療機関も利潤を追求しているため、お金がないことを理由に、患者の最善の利益が図られないこともありうる。
これに対して、日本の医療は以下のような良い点とよくない点を持っている。
① 国民皆保険という制度が浸透し、公的保険で提供される医療サービスがほとんどをしめる。医療サービス内容が患者の経済力に左右されにくく、平等である。
② 医療機関は公的保険による医療サービスを提供すればいいという考えのため、患者を平等に扱う。
③ 高度な医療技術が同じ公的医療保険で受けられる。
④ 悪い点 現物支給のため、検査漬け、薬づけの医療になりがちで、無駄が多い。
⑤ 患者の話を丁寧に聞く見返りが医療側に少なく、定着しない。
⑥ いい医療が浸透しているため、臨床研究をすすめる環境が整わない。
⑦ ベッドが多い。在宅医療の環境が整っていない。
⑧ 保険外サービス、自由診療の部分で自由度が少なく、患者に選択肢が少ない。
こうやって書き出してみると、日本の医療は優れている。混合診療も無制限に拡大すると、国民皆保険が崩れていく心配があるため、それほど自由度をあげる必要はないと思われる。保険診療がエビデンスが備わった医療から適用させていけば、恩恵が広がっていくという精神は非常に理解できる。
日本の医療で、しいて問題をあげるとすると、出来高で過剰診療、過剰投与、過剰治療の余地が認められる点か。これもまた、過小治療などに比べれば、患者にとってむしろ望んで受けている人がいるわけなので、いいようにも思える。
さて今後の問題であるが、TPPがやはり焦点になるものと思われる。できるだけ必要な医療については、できる限り保険診療でカバーする、しかも高額療養制度を維持する、というところは、異論がないところである。
医療費の伸びを抑えるという点では、薬剤費の部分が大きいわけなので、この部分を合理化すべきように思える。検査も同じ。
また入院ベッドの削減も進められる地域はすすめたほうがいいと思う。
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知らないことは、隙をつくることになる。
本書を読んで、強くそのことを実感した。
日本の医療制度は本当によくできている。しかし、多くの人は家族か自らが利用するまでそのことに気づかない。
高額療養費制度の存在など、その最たるものだろう。
いかにわたし達が守られていて、それを邪魔に思い、奪い去ろうとする存在がいるのか。
そして今、誰の手によって奪われようとしているのか。
これらを知ることができただけでも、大きな収穫だったと思う。
わたしも、父の病で触れるまで知らなかった、日本が守り続けてきた医療制度。
しかし、わたしはもう知っている。
失う気など、少しもない。作者が書いていたように、わたしも行動を起こしたいと思う。
政治に諦めの気持ちを抱いている場合ではないようだ。
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前作(沈みゆく大国アメリカ)に続く続編。
アメリカの医療制度の荒廃ぶりを臨場感あふれる文体で書き記し、現在の日本の医療制度のすばらしさ、そしてそれを失ってはいけないと警鐘を鳴らす一冊。
筆者の熱い思いが伝わってくる一方で、やはりこういった類の本はきちんと状況を理解するためにはカウンターパート的な立ち位置の本もあわせて読んでおきたいところである。
p.182には、「統計的にも、予防医療は医療費を大幅に下げる」
と記されていますが、これはちょっと疑問です。
医療経済学的には、逆であり、「病気予防や健康づくりによって医療費が削減できると実証されたものはない。」と私は理解しています。
参考情報として、
「病気予防政策で医療費がむしろ増加するという逆説」
http://diamond.jp/articles/-/75765
を挙げておきます。
付箋は16枚付きました。
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逃げ切れるのか? と第二弾を読むのをすごく楽しみにしていた。
結論から言うと、かなり逃げ切れない(日本の医療と健康保険はアメリカのようになってしまう)、ところまできていて、「知らないうちに」いろいろ決まっていて始まっている。この「知らないうちに」が厄介。本当に知らないうちに? 知ろうとしていないだけでなく? そんなんだったら、失っても自業自得かもしれない。この本を読んで、そう思ってしまった。失ってからじゃないと気づかないのかもしれない。
本としては、第一弾より、「報告型」の文章が多く、固有名詞をだして主人公を設定し、現実を感じさせるところは少なくなっていたような気がする。それでも充分内容はせまってきたし、それだけ切羽詰まっているのだろうと恐怖も増した。
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私たち一般庶民の生活や医療や老後を考える上で重要なことが、本書には色々と記されています。それらを一つ一つ挙げていくことは私にはできません。内容を詳しく紹介されたブログも色々あるので、ぜひ検索して見て下さい。
でも一番いいのは、実際に本書を読むことでしょう。
本書ではアメリカの政治状況について記されています。
政治は公平に行われている、と思うのはもはや幻想ですね。 大企業や投資家といった金と権力を持った連中がロビー活動を行い、利潤を追求しているというのが現実です。そして日本の政治も同じようになっていく、いや既になっているでしょう。
そしてアメリカの製薬企業や投資家がビジネスチャンスとして狙っているのが、日本の医療業界。彼らの参入に障壁となる日本の国民皆保険制度などを潰そうと虎視眈々と狙っています。
離れ小島の竹島や尖閣諸島を領土的に狙うというのは、ビジュアル的に分かりやすいものです。医療制度の改悪というのは分かりにくいものですが、国民の医療や生活に直接関係する重要な問題です。
国民の命をアメリカの大企業や投資家に売り渡していいものか、これは日本の庶民をアメリカの大企業や投資家の奴隷とするものであり強生連行ではないのか、ということです。
新自由主義の論客が規制緩和を主張する際、反対する層を「既得権益」と攻撃します。
日本の医療制度を考える際、「既得権益」で守られているのは、一般の国民なのです。まさしく、このレビューを書いている私であり、このレビューを読んでいるあなたのような人々が「日本の医療制度の既得権益」で守られているのであります。
医療や介護を金儲けの手段として考えている連中が、この「既得権益」を狙っているのです。
しかし悲しいことに、我々一般庶民は自らが享受している「既得権益」についてよく分かっていません。
日本の医療制度が改悪されようとする時、まず反対するのが医師や医療関係者でしょう。
だから「既得権益」を狙う連中は、医師や病院や医療業界を「既得権益者」としてバッシングするでしょう。アメリカもそうだったといいます。日本もそうなるでしょう。
「政府やマスコミが医師たちを積極的に仮想敵にし始めたら要注意です」
医療業界を規制緩和して外資系の企業が参入したら良くなるのではないか、と騙されてはいけません。我々国民は、我々を守っている日本の医療制度について知る必要があります。
「無知は弱さになる。持っている人がその価値をわかっていないものほど、奪うのは簡単ですからね」
(実は日本国憲法の改悪を巡る問題でも、同じことが言えます)
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20150913/p1
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この本を読み終わった頃に日歯連の贈賄事件が明らかになった。あれって、TPP交渉山場を前に医療関係者を恫喝する材料にされたんじゃないか?ってのは穿った見方なのかぁ〜。
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米国の暗部を抉り返す刀で米国化する日本を憂う、お得意の安定した作風で前著に引き続き健康保険問題に切り込みます。特に当初がん保険が米国の保険会社の独占で日本の保険会社が参入できなかったなど、米国の圧力とそれに唯々諾々従うわが国の政府の事例を紐解き現状の国民皆保険を守れと強く呼びかける後半には心を動かされます。本当にぼんやりしていると日本の医療が米国の保険会社の餌食になりそうです。本書でも紹介されている互助組合のような解決方法もネットの時代らしいですね。
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メインはオバマケアです。
崩壊するアメリカの医療現場がリアルに描かれています。
本当に読んでいて、恐ろしくなります。
これが世界一の経済大国アメリカの医療や保険の現実なんです。1%の超富裕層のために、医療と保険が食い物にされている現実を突きつけられました。私は少なくとも、絶対にアメリカには住みたくないと思いました。
そして、日本も決して他人事ではなく近い将来同じようになるのでは?という危機感を持ちました。
前も書いたかもしれませんが、アメリカの今を知るには、堤未果氏と町山智浩氏の著書で事足りると思っています。
それ程秀逸な著書の数々です。
おすすめ
堤未果氏
「ルポ 貧困大国アメリカ」
「ルポ 貧困大国アメリカⅡ」
「(株)貧困大国アメリカ」
町山智浩氏
「教科書に載っていないUSA語録」
「99%対1%アメリカ格差ウォーズ」
「底抜け合衆国新版」
「アメリカは今日もステロイドを打つ」
「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」
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株式会社化したアメリカの医療がいかに企業、保険会社によって食い物にされているのかを具体的かつわかりやすく 説明してくれている。
国民皆保険にちかい制度として導入されたオバマケアも実は保険会社や製薬企業の利益を優先させる仕組みで、実際は庶民の保険料は上がってしまったというのだから恐ろしい。
著者はそんなアメリカ企業による医療のマネーゲーム化が日本にも押し寄せてきていると警告している。
国民皆保険で守られていた日本は規制をなくせば、企業がこれから利益を上げる余地がいくらでもあるのだ。
そんな先行きくらい社会に対して著者は処方せんも示してくれている。
まず、国民が無知でいないこと。いくら優れた制度を持っていてもそれを自覚していなければすぐに掠め取られてしまうだろう。
医療の原点に立ち返り、共生、協同の精神で地域社会を自らが支えていくことが、医療を守っていくことになるのだ。
内容も優れているし、文章もリズム感がありとても読みやすい本書であった。