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もうはるかに昔の中学時代、確かに人間関係で悩むこともあったかもしれないが、ここで描かれているほど、面倒ではなかったというのは過ぎた人間の感想かもしれない。いずれにしろ、うっとおしい女の人間関係に辟易としてそのあたりで読むのが辛くなるが、それも主人公が起こすべき事件の動機となるためなので、我慢して読み進み、猫の殺害で陰惨な結末?となるものの、ああ、こう終わるのねという感じ。これはこれでよいが、もう少し読者の期待を裏切るものがあるかと思ったが、それがなかったのが残念。でも、こういう終わりもあるだろうな。
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続きが気になって通勤電車の中で夢中で読んだ。
大学生や社会人になっても自虐的な表現や揶揄のときに出てくる中二。
子どもも決して楽ではないなと改めて思わされた。
私の中二はアンの学校ほどではないけれど
やっぱりスクールカーストはあった気がする。
そしてバスケ部にいたし、
2つの小学校のうち少数派の小学校出身だった私は
アンの立場と似てたのかもしれない。
でもアンには共感はできなかった。
コロコロ変わる状況をめんどくさくなるところはわかるけど、
私は中二の頃も今も死にたくない。
昆虫系の徳川が自分の周りだと誰だろうと思ったけど
思いつかなかった。
共感できないもどかしさと懐かしさと私は中二の頃と比べて大人になれたのかなという疑問が読後に残った。
辻村さんは本当に難しい年頃の子どもたちの心理描写が上手い。
さて、次は何を読もうかな。
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半年ぶりくらいに辻村さんの本を購入。やはり辻村作品の登場人物は、どこか自分に似ている要素を持っていたり、「こういう人いたなぁ!」と感じる。解説にて大槻ケンヂがこの作品を「中二病同士の初恋はかくもまわりくどい」と表現しているが、まさにその通りだなぁー。それを、だいぶ大人になった今、読むから「面白い」のだろうな。
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スクールカースト、特別になりたい気持ち等、辻村深月さんが描き出す学校という空間で起きる物語。
辻村さんは爽やかな青春も得意とするはずなのにこんなにも負の感情の物語も描くとは。自分を殺してほしい少女、依頼された少年、二人の行く末は…?
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中学2年生の中二病の話。
自分を殺してくれと同級生の男の子に依頼して、理想の殺人をオーダーメイドで作り上げていく。
途中まで良くない方向に進んでいたが、そこは辻村深月作品。最後は良い方向へ。
徳川が実際に猫を殺したのだろうか。河瀬と何があったのだろうか。
最後の解説がオーケンさんでびっくり。解説も独特でおもしろかった。解説のおかげもあって、最後はすっきり。
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思っていたの違う話だった。もっとぐぐっと来る感じの話だと、過去に読んだ作品から思ってたのだけどね。
あと、暗い。
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中二病ったらないな。
人を殺してみたいとか、死体(の写真)をみるとゾクゾクするとか、まさしくそんな感じ。
自分が死んだら誰が悲しむとか、人を殺したらどれだけ周りに迷惑かけるか、とかそういうの全部「知ったこっちゃない」と思ってる風なのも含めて中二病。
それにしても中学生って、本人的にも他人にも、一番やっかいな世代。
親からすれば扱いにくいし、でも本人たちは学校でいかに「一人にならないか」に必死。
嫌な時代だったなあと、自分の過去を思い出してもそう思う。
二度と戻りたくない。
その戻りたくない感じがすごい伝わってきて、ちょっともう読み返したくないな、と思いました。
でも、アンにも徳川にも共感できなかったなぁ。
アンは、なんだかんだいっても顔もかわいいし彼氏もいたし、ヒエラルキーの上の存在で、「運動部の子の方が上。文化部なんて(笑)」みたいな感じや、「上の方にいる私だけど、本当は仲間たちが考えもしないようなこと考えてる」って思ってるのが、どうやっても好きになれない
。
徳川も最初は暗めな男子なだけかと思ってたけど、途中からすごく嫌いになった。
たとえ少し大人になってまともになったとしても、過去に動物殺したりしてた人だよ!? まともな神経の持ち主なら、そんなこと絶対しないし、私ならこんな人、いくら自分が大人になっても好きになれない。
だからラストは「え?」でした。
ところで、私の住んでる地域では、自分の子のいる学校に、教師である親は勤務できないんだけど、それがOKな地域もあるの??
それを言っちゃあおしまいか?
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全力っていいなぁ。
ぼちぼちよかったね。
最後まで読んだからこう言えるけど、初めの方は「余談はええから早よストーリー進めろや」って思いながら読んでました。
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自意識過剰すぎるアンと、死とか残虐な行為に魅力を感じている徳川の存在がただただイタいなぁ、と。
確かに「そういう年頃」なのかな、とは思います。ずいぶん前に遊んだネトゲでも、ティーンエイジャーが自分のキャラにShadowなんちゃらとか、Darkなんちゃらとかつけてたのを思い出します。
「イケテル組」には分からないだろうけど、そうじゃないサイドの側なら過去の自分と照らし合わせて、ちょっぴり痛々しい気分になれる変なお話、という印象でした。
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平凡で趣味の合わない母親。
くだらない事にご執心なクラスメートや教師達。
引き出しの奥に誰かの訃報を集めながら特権的な死を夢見る少女。
自分の死後の世界は想像するだにとても甘い。
やがて現れる理解者。
この人なら私をセンス良く殺してくれる。
その事件は二人の青春に必要だった。
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まさしく中二病と言われることを理由にしたオーダーメイドした殺人事件。ミステリではなくて、中二病を描いた青春小説でした。読んでいる途中は、中学二年生独特の雰囲気と、中学のスクールカーストってこんな感じでいつどこでひっくり返るかわからなくて、声が大きい子が強くて、びくびくしている感じがものすごく伝わってきて、読んでいて苦しかった。立場的に上位にいる子ですら、こんなに大変だったのかとも思わされる。大人になった今だからこそ、そうだったのかと思い知らさらされている中で、現実はどうかはわからないけれど、わかって動いている子たちはすごい。人間関係の息苦しさを描いているのに、結末の展開がとてもすがすがしかった。
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少年Aは、どこにでもいる。
少女Aも、すぐそばにいる。
たった一人の自分でありたくても、
ただ流される。
流れに逆らいながら、
自分を生きる。
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「私を殺してほしいの」中学2年生の美少女・小林アンは、同じクラスの「昆虫系」男子・徳川にそう依頼する。ふたりは被害者と加害者として「特別な存在」となる計画を進めるが…。(解説/大槻ケンヂ)
読み進めるのが辛くて、苦しくて、リアルが伝わってきた。中二という思春期でお互いの思いを共有した2人のラストは、希望が見えるラストだった。
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2015/6/22読了。
自殺、ではなく自分が殺人されること、を企てる少女、とその目を通して語られる同級生や、親たち。
『自分の世界で手一杯で、人のことが見えず、人の話を聞かない、考えることと人をバカにすることだけ一人前~』
と大学進学を控えた主人公が中二だった自分を表現する。そうなんだよなあ。と妙に納得。
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単行本の時から気になっていた作品。くだらない日常に埋没したくなくて、特別な存在になりたいという発想は短絡的で衝動的。そんな誰しもが一度は思ったことがあるようなことも突き詰めると、いっそ清々しく美しいものになる。儚い記憶に光が射すラストシーンには胸をグッと揺さぶられる。