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女性なら誰もが追求するもの。それは美なのかもしれない。美に囚われ、どんどんと破滅へと向かうシーンはとても怖かった。美貌を手に入れても必ずしも、幸せになるとは限らないという事だろう。グロテスクなシーンは皆無だが、歪んだ愛や大石圭らしさは健在の作品であった。
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冴えない女の子が、美容整形医師から美容整形と愛人契約の話を持ち込まれる。
…整形したとたん、大石圭のステレオなヒロインに変わってしまって、ちょっとびっくり。
ま、人の性格は外見で左右されるところが大きいからな。
あと、最近のヒロインは結構強いです。
火事場の馬鹿力的な強さかもしれないけど、なんか強いなって感じ。
にしてもタイトルが上手すぎるよね。
胸の底に、チクっとくる感じが絶妙。
と、結局のところ自我がない子の親って、いわゆる毒親なんだよね。
親がせっせと子供の自我をつみとって、いざ子が自分で自我を得たら猛烈に拒絶する。
美容整形で愛人という自我の獲得は確かに問題だが、それにしてもヒロインの親が毒すぎて切なかったよ。
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表紙の写真が刺激的
美容整形の話
手術すると美しくなる、愛人になる、マンションで暮らす、妊娠する
美しい容貌を手に入れたが、別人となってしまった
男の視線から見た美人、女の視線は求めていない
美しさとは粋であること、かな
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スポーツジムで受付のアルバイトをする鈴音は自分の容姿にかなりのコンプレックスを持つ。同じ受付の女の子は「受付のかわいい方」と言われていて、常にうらやましく感じている。そこへ、客である美容外科クリニック院長、榊原に手術を提案される。費用を無料にする代わりに愛人になる条件付きだ。美貌や贅沢な暮らしと引き換えに大切なものを失う鈴音。最終的には愛憎劇に発展し、当然な結果となるが、外見と反比例で醜くなる内面から何も同情できず…まぁ、何事も程々に…か。
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途中までは良かったんだけれど、切羽詰まった主人公の状況が、最終的に、「あ、やっぱり(結末が)そっちにいく~?」でした。個人的には、結末をどういうふうに描写して、うまく事件にせずに心理描写なども含めて描いてほしかったです。まあ、そうなるとまったく違う小説を探した方がいいっていうことかな。こればっかりは読んでみないとわからないので・・
全体的に心理描写というよりも、この奇想天外な申し入れに対する主人公の対応、成り行き、人生などを描き切った、というのがこの作品に対する評価ですね。
期待したものとは違いましたが、著者の別の作品も読んでみたいなと思います。
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大石圭 著「きれいなほうと呼ばれたい」、2015.6発行です。168cm、21歳、とても美人とはいえない容姿の星野鈴音と、彼女を一目見てダイヤモンドの原石と知った38歳の美容整形外科医、榊原優一の物語、手術前と手術後で構成されています。整形の話では、自らが整形を選択してゆく田淵和子を描いた百田尚樹氏の「モンスター」がありますが、この「きれいなほうと呼ばれたい」の星野鈴音は、整形外科医の「野心」からくる誘惑にのる形で身体を改造されます。どちらの作品も結末は哀しみの世界ですね・・・。
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全顔と全身の整形が半年〜1年程度で済んでいる辺りがリアリティに欠けていた。百田直樹さんの『モンスター』に比べると美への執念や美をめぐる愛憎劇も弱かったように感じた。