紙の本
浅い考察?
2016/01/18 00:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:joe90 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私としてはそれなりの知識のある分野もあれば、まるで知らない世界の話もあってふんふんなるほどと読んでいたのだが。電子書籍についての章に到り、冒頭で「いずれ紙の書籍はなくなる」と断言されたのにはショックを受けた。
ネットと出版の双方の要職にある人間が言うのだからこれは避けられない未来なのかと思ったのだ。
しかし! その理由というのを聞いて唖然とした。電子書籍が紙媒体の本にとって替わる理由というのが。
1・電子書籍は紙媒体の本と比べ軽く携帯性に優れている
2・紙媒体と比べ省スペースである
3・文字列の検索が可能である
4・製作コストが安い
であると言うのだ。
「は?正気ですか?」というのが直後の私の反応だった。
それはレストランで食事をしている人に「この丸薬なら、持ち運びに便利でどこでも栄養補給ができて、時間も取られず、しかも安いですよ」と言うようなものだ。
まあ、川上氏といえど食に対してそんな事は言わないと思うのだが読書に関しては効率が全てのように言うのは何故なのだろう。
と疑問型で書きはしたが、おそらく氏に取って本は知識を得るツールでしかないのだろう、ならば効率がいい方に決まっている。
しかし「読書」は作業ではない。
重厚な装丁の本の分厚い扉を開けると、一転して繊細な薄紙の見返しが目を引き、その後ろでは紙質から、書体、そのポイント数に一分の緩みもないタイトルが読者を迎えいれる、ページをめくると、行間の狭い2段組の本文が現れ、読者にその後の長い旅路を予告する、といった舞台装置まで含めた体験を楽しむものだ。
こう言っては何だが川上氏は幸福な読書体験をしたことがないのではないか。
あまりに面白く、寝る暇も惜しんで読みふけり、次第に減っていく残りページを見て「この魔法のような時間もあとわずかで終わってしまう」と悲しい思いをしたことがないのではないか。
右手は飛ぶようにページをめくり、しかし終わりが来るのを少しでも遅らせようと、その右手を左手で押さえるというようなマネをしたことがないのではないか(この行為、自分だけかと思ったら同じ事をしている人がけっこう居るので驚いた)
「『姑獲鳥の夏』も異常な厚さと思ったら、出す本出す本、どんどん厚くなっていって、しまいにはコロコロコミックと見まごうばかりの縦横比で、これはどうなるのかと思ったんだが、今度の『塗仏』ちょっと薄くなってないか? え? 前後巻?! これで半分?合わせてこの倍? あはははwwwwwww、京極どうかしてるぜ(狂喜)」というような思いをしたことがないのではないか。
つうか、きっと無いのだろうな。
読書とは本を手に取ることから始まる「体験」なのだ。
書籍の未来について語るなら、書痴の意見も聞いてみたらどうなのかと思う、リサーチした上でやはり電子書籍は紙媒体に取って替わるという意見なら耳を傾けてもいい、しかしここまで浅い分析で書籍の未来を語られてもまるで信用ならない。
そして、ここが重要なのだが、こうなってくると他の項目に関してはどうなのか?と思わざるを得ない、他の考察でも実はこの程度の分析でモノを言っているのではないだろうかということだ。
私自身は川上氏の人となり知識、経験については何も知らない、従って言っていることにどれだけの重みがあるのかはわからない、その手がかりは自分のわかる範囲の事についてどれだけ相手が「わかっているか」で判断するしかない。
そういう意味で、私としてはこの本は傾聴するに値しない本であると判断せざるを得ない。
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全てはクラウド上に移行するはずだったのに、iPhoneがそれを逆流させた。
ネットがオープンからクローズドになっていく・・・企業によるユーザーの囲い込みが導く結論。実に悲しい。
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【所在・貸出状況を見る】
http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=all&category-mgz=all&materialid=11500444
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インターネットをビジネスにするとはどういうことなのか、コンピュータの始まりから、OS戦争、ITバブルなどの歴史から何を読み解くことができるのか、ビットコインとはどういうものなのか分かりやすく説明しています。イデオロギー的なものと事実を分けて考える必要があるということはこれまでになかった視点なのでとても参考になりました。
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ネットの発生による新たな世界(あるいは文明と呼ぶべきか)の現状と未来を描く.ネットの世界に馴染む現若者世代と馴染まない現老人世代の2極化が発生しているように,ネットは世界を階層化するだろうと感じる.ネットワークも,無料ハイパーリンク網と別に有料書籍間によるハイパーリンク網が構成され,それが新たな知的ネットワークを構築するあたりは極めて現実的な考察.15年前には予想もしなかった世界が実現している以上,15年語の世界を予想することは困難だが,そんな差分があるからこそ生きている価値がある.面白い.
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標題から内容は連想できないでしょう。
ふざけた内容ではなく、しっかりしたものです。
にこにこ動画の人ですから・・・・。
著者の未来像がすべて当たっているとは思いませんが、分析力はありそうです。
ビットコインについては語りすぎです。
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パーソナルな機械は人間に合わせてくれる、でもパブリックな機械には人間が合わせるようになる、そういう未来がくるに違いありません。61%
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ぼやっと思っていたことが整理された。筆者の「思い込み」もあるだろうけど、それも呑み込んで読むのが良いと思う。
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ネットの世界について、その将来も含めてわかりやすく、かつ刺激的に解説していてとても面白かった。
日本にネット住民が多いのは、そこそこ豊かなニートが多いからだそうだ。
それにしても、ネット世論て何なんだろう。ソーシャルメディアが口コミだ、というのが分かるが、それがなぜネトウヨを生み、自民党支持が圧倒的なのか。不思議だ。
あと、筆者は、ビットコインには懐疑的。本書が出てから2年になるが、ビットコインはまだまだ元気ですね。さて、どうなりますか。
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電子書籍 電子本棚ができるのではないか?
テレビ インターネット放送に入れ替わる
集合知は頭がいいのか?
集合知は遅くなる
集合知の特徴 頭が悪い、遅い、頑固
UGC user generated contents
複数のネットユーザが作る オープンソースソフトと二次創作
ビットコイン
P2Pソフトで仮想通貨のやりとりをするのは、サーバ上で仮想通貨のやりとりをするのに比べて、とても遅くて効率が悪い
平均10分 念を入れる場合は一時間
ビットコイン
決済のための通貨としては認証が遅くコストも高いので適さない
大量の取引のデータを処理するのに向かない
普及してくると、個人のコンピュータが参加するのは困難なくらいにデータ通信量や共有する過去の取引履歴のデータ量が肥大化する
性能、処理能力を考えた場合には仮想通貨のシステムはP2Pソフトではなくサーバ型で構築すべき
仮想通貨をサーバ型でなくP2Pソフトで構築するのは、根本的には法律で規制されないため。その際には、ビットコインは中立な通貨であるというイデオロギー的な主張が付随する
現状でもビットコインの取引量は限界に近づきつつあり、クライアントソフトウエアのバージョンアップで対応されるだろう
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ネットの今を考えるうえで叩き台となる。とてもまとまっており、分かりやすい。特にコンテンツホルダーはプラットフォームを握らないと搾取されるばかり、という指摘はその通りだと思う。
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ジブリの鈴木プロデューサーにも分かるよう、「ネットとはなにか」を説明した本。
前半は、自分のネットに関する理解が、如何に薄っぺらい思い込みであったかを思い知らせてくれる内容で、素晴らしかった。
ただ後半失速した感じが否めない。最終章もいまいち。
前半部分だけ半分の値段で売って欲しい。
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多分,鈴木さんはかなり頭がいいのでしょう.わかりやすそうで,ビットコインなど,結局何かよく分からなかった.そして,紙媒体の本については,筆者に反対するようではあるが残ると信じている.
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ニコニコ動画を興したドワンゴ会長が、スタジオジブリの機関紙「熱風」に連載したインターネット論をまとめた1冊。
インターネットに対するスタンスの世代間対立、ネット世論の性質、コンテンツ業界で稼ぐ業界の未来、集合知の知性。
連載モノだけにテーマが多岐に渡る。
「I T業界にあって正しいとされている多くの概念は 、本当に正しいかどうかは理屈ではよく分からなくて 、宗教のように信じ込むものだという感覚を I T業界の中の人自体がみんな共有しているのです 」
と冒頭で述べられているとおり、
本書の論考の多くも川上さんの経験と分析から導き出された主張。これがインターネットの真実だと頭から信じ込んでしまうのは、よろしくないかもしれない。
しかし、あの鈴木プロデューサーに語るというスタンスゆえ、
ネットの外のひとに、ネットの本質を説明する姿勢として、とても慎重かつ誠実に言葉選びをしているので、安心して読み進めることができる。
コンテンツ市場がこれからどう動くか考えるのは、
商売の仕方はもちろんのこと
ひとが生み出す文章や絵や漫画が、社会といかにコミットしていくかの未来を考えることでもある。
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なかなかいい内容だと思いました。
若いネット系の経営者のなかで、この人は、個人的
には面白いと思っているのですが、今回もネット
の成り立ち、そこでおこっていること、コンテンツとは
ネットとリアルの対立・融合などの説明は、独自の
観点もありなかなか読みごたえのある内容になっている
と思いました。やはりこの人はだいぶ頭がいい人だと
思います。
ただ、ジブリの鈴木さんに本当にこの内容で理解
してもらえるのかどうかは少し疑問というか
本の題名にするにしては、その観点について
考慮されている内容が見えないように思えるのは
いかがなものかと思います。
でも、現在のネットの世界についての解説本としては
充分で分かりやすい内容だと思います。