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男の子版『魔女ジェニファとわたし』だなあと、やっぱり思った。いろいろな要素をちりばめながら、それらがうまく結びついていくところは『きみに出会うとき』にも通じるところがあって、うまいなと思うし、後半は読んでいてぐいぐいひきこまれた。
ただ、なんていうか、主人公が中学生にしては幼く感じるのが惜しい。これは原書で読んだときにも感じたし、原書のレビューでも同じことを言っている人がいた。小学生でもよかったのにね。科学の授業の単元が、小学校だと合わないのかな。そこらへんがちょっと謎。
ミステリとしてどうこうというより、小さな点、大きな絵、イケてる子などにまつわるすてきなせりふがあちらこちらにちりばめられているのがいい。ジョージの父さんが、すごく愛情深いけどいろいろなことでいっぱいいっぱいで子どもの姿が見えなくなっていることとか、子どもたちをどーんと受けとめているセイファーの両親とかも、よく描かれていると思う。
自意識が強くて、自分のことを、友だちの少ないイケてない子どもだと思っている子にぜひ届けたい本。
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いつの間にかイジメの対象になっていたジョージ。両親の仕事がうまくいかなくて、家を手放しマンションに引越ししてきた。ランドリーがある地下室で見つけた古びたスパイクラブミーティングの張り紙。父さんが「何時から」と書きつけると、「1時30分は?」の答えが書かれていた。この張り紙をきっかけに、ジョージと同い年のセイファーとのやり取りが始まる。
学校に行かず自宅学習をしているセイファーと妹のキャンディ。セイファーの言いなりに、マンションの黒づくめの男の監視を始めるジョージ。黒づくめのスパイを監視することになる。
ミステリアスなセイファーに振り回されるジョージ。大好きな母親とはすれ違いの生活。
学校生活でも追い詰められながら、けなげにがんばるジョージ。そして、最後は学校のいけてない子同士の団結で、自分のイジメから脱出し、セイファーをも救いだす。
最後になるまで、ジョージやセイファーが本当に直面している状況がうまく伏せられ、最後にガラッと生き返らせて見せる。面白いストーリー運びだった。
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最近評価の高い作家なので読んでみた。
まあ、悪くはない。
翻訳ものは読みにくいと敬遠する小中学生でも読めそうだし。
しかし、母の入院にしろ、セイファーの秘密にしろ、どんでん返しというほどでもないし、そんなに褒めるほど面白いか?
『トムは真夜中の庭で』や『夜が明けるまで』やウェストールやサトクリフのような、大人でもガツンとくるような本物の児童文学やYAを求めてもう長いこと経つが、なかなかない。
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どこがウソつきなんだろうと思って読んでいたけれど、そういう嘘だとは思いもしなかった。
いじめっ子に仕返しするやり方が素敵。
セイファーとの一風変わった友情も面白い。
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引越しだけのせいじゃないけれど、かつて仲良しだった友達と距離が出来てしまったジョージ。
引越し先で、ちょっと変わり者のサイファーとだんだん仲良くなる。
学校では隅っこに追いやられてしまうような、ちょっと変わってたり、パッとしなかったりする子ども達にも、スリルや友情を深める毎日があるんだよ!と教えてくれる。
アパートの構造など、シチュエーションが、日本の子どもには理解しにくいかもしれない。