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【「――もっと、オレを頼れよ」テニスに青春をかける、二人の夏が始まる。 】
天才であるが故に誰とも協調することができない孤高のプレイヤー・琢磨。
練習熱心だが、とあるトラウマから他人を信用することができなくなった駆。
高校の名門テニス部で出会った二人は、入部当日から衝突してばかり。プレースタイルも真逆で、初めてコートで向かい合ったときからお互いのことが気に食わない。
だけどある日突然、「お前ら、ダブルス組んでみない?」と理不尽な部長命令が下り――。
喧嘩ばかりの凸凹コンビが、練習と敗北を重ねる中で徐々に成長し、絆を深めていく熱血部活テニス物語! 少年たちの、世界で一番暑い夏が始まる。
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想像以上に軽いタッチで、学生時代部活にのめり込んだことを思い出しながら読了。全体としては気持ちが重くなり過ぎず、すっきり読めたし、気分転換にはもってこいの一冊だった。
ただ、2人の抱えてるトラウマというか葛藤というか、個人的にもう少し丁寧にというか踏み込んで描かれていても良かったという思い。ちょっとあっさりしていて物足りなかった。
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献本企画で頂きまして、読みました。
タイブレの説明ってめんどくさいよねぇ。後輩に教えるのがめんどくさかった中二の春を思い出しました。戻りた〜い。戻れな〜い。
なんてね。ライン作業で大量生産されたやっすいJ-POPみたいなことを言ってしまいましたね。
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献本企画で頂きました。
中学時代に軟式テニス部で部長となり、ダブルスで全国を目指していたが目標は果たせず、その高過ぎる目標を重荷に感じていたダブルスの相棒にキツい言葉を投げつけられた過去のある駆。
子供の頃からテニスを続け、長じるにつれどんどん腕を上げて行ったが為に自分の望む動きのできないダブルス相手を全く頼りにできなくなった琢磨。
別々の中学でダブルスに絶望した二人が、進学した同じ高校のテニス部で曲者部長にダブルスを組むように勧められる。
後衛からのストロークが得意な駆と前衛のボレーが得意な琢磨は絶好の組み合わせの筈なのに、お互いダブルスを組むための精神的な部分が決定的に欠けていて、まるで実力を活かせない。
けれど周りの人たちからの助言や試合経験、互いに過ごした時間のなかで徐々に関係性が変わっていって…というお話。
私はテニス観戦が大好きです。ダブルスはあまり見ませんが主に男子シングルスの世界戦はテレビ放送があればかなりの頻度で見ています。
なので、この本に出てくるテニス専門用語にもなんとかついていけました。
…というくらい、試合にしろ練習にしろ打ち合わせにしろとにかく専門用語が多用されます。正直多すぎると思います。
表紙の爽やかな雰囲気に惹かれ、ジャンプの青春部活もの漫画のようなイメージで買ったテニスの詳しくない人は挫折してしまうのではないかと懸念するくらい。
試合描写は勿論必要ですし、ふたりの特性がどう活かされるかなども気にはなるのですが、それにしてももう少し読んでいてスッと入れるようにはならないのかなぁ…と感じてしまいました。
そして淡々とテニス用語が並んでいく試合展開はどうにも熱くなれないのです。
もっと試合のポイントになる部分を絞って、そこでどんな思いが交錯するのか、決め手になった場面はどこなのかを深く描いてくれれば感情も試合の緊迫感も伝わったと思うのですが…。
そしてメインの二人がトラウマを脱して今のこの相手だからこそ信じられる、という思いに至る部分ももう少し掘り下げて欲しかった。
駆が過去のトラウマの原因である小関を理解するくだりなど、まだ小関に出会って間もないであろう山神に全部説明されて終わり、というのはかなり強引に感じました。山神のキャラクターがいいので(むしろメインの二人より)そこに頼り過ぎでは…とも。
素材はいいのに料理をする力の入れどころがなんとなくちぐはぐな感じで、個人的にやや残念でした。
テニスに詳しい人には詳細な描写はある程度楽しめるかもしれません。
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何でも一人でやろうとする
孤高の天才、曲野琢磨と
情熱的だけど人を信頼できなくなった
軟式上がりの、進藤駆。
二人は藤が丘高校硬式庭球部で
出会いダブルスを組むことに。
凸凹コンビの成長を追った
青春ストーリー。
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爽やかな青春ストーリーでした!
ダブルスとはパートナーとの息が合わないとなかなか大変な競技だと思います。
そんなダブルスを中心としたこの本は読んでてとても良かったです。
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この作者の小説は2冊目。最初に読んだサマーランサーの方が好き、かな。
三人称と一人称の入り交じった文体が肌に合わなかったり、登場人物の多さに少し散らかった印象を受けたり。学園部活モノである以上関わる人が多いのは当然なんだけど、それを持て余しているように見えてしまって。なので終盤の佐藤先輩の試合なんかも、事前に一度名前が出ているとはいえ、そこに辿り着くまでの段階で思い入れを築くのが難しかったので今ひとつ感情移入できなかった……。
後半になって増えてくるテニス用語の乱れ打ちも入り込めなかった理由の一つかもしれない。スマッシュコートで得た知識で戦いました。
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うん、やっぱり王道って面白い。
『なぎなた男子』を読んで気になった作者を読む2作品目。
個人的好みの部活モノで、しかも題名からして王道展開を予想させる本作。
いやあ、ほんとに青春王道そのもので、やっぱりこう言うのって大好き。
『ダブルス』とか『バッテリー』とか題名見ただけで、これは二人の登場人物が反発しながらも、本当の○○になっていく物語なんだろうなと予想が付く。
それがスポーツの勝負が絡んだ青春物語ならば、これはもう面白くないはずがない!
ここではテニスのダブルスの、互いにダブルスにトラウマを抱える高校生二人がちゃんと互いを信頼して、"ダブルス"になるまでを描いて、いや青春だよなあ。
いいなあ。
『なぎなた男子』ではあまり試合の勝ち負けの部分は描かれなかったんだけど、ダブルスでは試合の緊張感がとてもいい。
ぎりぎりの戦いのなかで芽生える相方への想いと信頼と、勝負に掛ける想い。
それは自分たちの戦いだけでなく、先輩や女子部の戦いも含めて、そう言う勝負の厳しさと負けた悔しさと勝つ喜びを、読んでて痛いほど感じることが出来る。
ハイライトはやっぱりラストの試合場面。
故障を抱えながらもちゃんとダブルスになれた彼らの戦いに涙が出る。
また一つ優れた青春物語を見つけた。
と言うわけで、ちょっとこの作者に注目してみようかな。
ちなみに作者の名前『天沢』と聞くとどうしても某「耳を澄ませば」を思い出す。
うん、青春だ(笑)
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中学で軟式テニス部長を務め最後のダブルスでトラウマを抱えた男の子と、上手いあまりにパートナーに満足できず孤独となった男の子が高校の硬式テニス部で出会い、ダブルスを組む話。私自身が軟式テニス経験者なので、後衛がラリーを続けて前衛がチャンスを掴むとか、うまく決まった時のよっしゃあって気持ちとか体感できたけど、用語とルールの説明がそんなに上手くなく、未経験者はあまり楽しめないんじゃないかと思った。日々の練習に試合、先輩からのアドバイス、部活仲間での買い出し、校内合宿と高校の硬式テニス部の青春がきゅっと詰まっている。
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それぞれトラウマを抱えた二人のテニス部員がダブルスを組む話。ありがちな青春部活ものといえばそうだけれど、さわやかで読み心地がよい。
2016/10/25
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タイトル通りの本。
過去にダブルスにトラウマのある高校一年生男子が、硬式テニス部でダブルスを組むことによってお互いも周囲も成長しようという熱血体育会系小説。
面白かったし、テニスのルールブックもかくやというくらい詳しくテニスについて語られていたと思う。
わかりやすくは砕いてくれているけれど、テニスをやったことがない身としては想像しながら読むのに相当時間がかかった。笑
まあ、団体競技を語らせるとねー・・・。
(今までの)人生の半分は団体競技をやってきている身としては、曲野くんや進藤くんの言いたいことも、越えられない壁も、わからなくもない。
団体競技の鬼としては・・・。なんだろう、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」ちゅうやつとはまた違うんだよな・・・。
作中でもちらっと語られていたけれど、団体競技は足し算ではない。
例えば3の力を持つ人たちが二人プレイするとなると、きちんと団体競技がハマッた場合は3×3になる。
決して、3+3ではない。
これが大前提ちゃうかな、と、思う・・・。
どうでもいいように見えて、例えば一人が
「自分はそんなに上手じゃないし、そこそこできればいいし、1できればいいでしょ」
と、思った場合、恐ろしいことに3×1になってしまう。
さらに
「自分ができてなくても迷惑はかからないし、あなた一人でするほうが気兼ねなくできるでしょ。私はマイナスにならない程度のゼロで」
と、いうタイプやった場合、3×0になる。
そういう感じ・・・。
(わからん)
自分ひとりでは責任が重すぎるから誰かといっしょにやりたい、と、いうような「団体競技ごっこ」の場合は掛け算じゃなくて足し算なので、1やったり0の人も参加できるのもミソ。
だから、足して合わせた数は大した合計になってもいない。
どちらがいいかはわからないけれど、掛け算になると個人の責任が倍からあがるからね、自分のほかにも人がいるから、自分は目立たなくすませたい、なんて思われると一蓮托生になってしまうのです。
そして相手も人間なので、ああでもないこうでもないと言われてやっても楽しくない。
どうせなら相手のいいところを先に探し出して、そこをうまく組み合わせて掛け算をしようと考えるのも当り前のようになっている。
この人はこれができる、これが得意、なら、こうやって組み立てよう、と、いう感じ。
この人はこれができない、こんなふうなやり方しかできない、などと否定的な見方しかできなくなると、掛け算にはならなくなるんだよね・・・。
相手に責任を転嫁するのでもなく、相手を切り捨てるのでもなく、信用して、頼りにする、と、いう関係・・・。
これを築くのが案外難しいのだと思う。
どこがって、信用するというところ。(この本でも、ここを一番浮彫にしていた)
とはいえ、相性というのは必ずあるんやけども。笑
(私が)10代のころから叩き込まれたこの考えと姿勢は、いくつになって��、何をやるときにもとてもとても役に立っている。
個人でどこまでも自分を高められる人ももちろん数多くいてはると思うけれど、掛け算がうまくハマッたときのあの高揚感を、一度も知らないなんてそれはひどく損をしているのではないかとすら思ってしまう・・・。
と、まあ、エラそうに語るけれども、ここ最近の私はややさじを投げつつ団体競技をやっているかもしれない。
学生のころはキャプテンをずっとしていたので、進藤の気負いも他人事でもなかった。
「本当はあなたがキャプテンであることを認めたくなかった」
と、引退間近に言われることや、
「受験のためだけに所属しているのに、あれこれ言われたくない」
と、言われることもしっかり経験済み。
同じようにしんどい目を見て、同じように勝ちにこだわっていると思っている人たちが、まったく違うものを見てたのか・・・、と、
「あっ・・・」
と、ぽっかり「栓が抜けてしまう感じ」も、すごくよくわかる。
わかるだけに、「栓が抜けてしまう感じ」と、いうのは、うまく言うたなと思った。
とにかく成長物語なので、この先進藤と曲野のダブルスがどんどん上達していくんやろうと思う・・・。
果たしてこれは、同じように熱血体育会系をやってきた人間が面白いと思えるのか、逆にまったくこういう世界とは縁のなかった人たちが面白いと思えるのか、どっちなんやろうね。
小説としての感想をいえば(いやいやそこやろ感想文なんやし)、登場人物の名前がめっちゃわかりにくい(笑)。
難しい名前ばっかり出てくるな・・・、と、思ったのは、これまた私がこの本の対象年齢を大幅に逸脱しているせいか。
助詞がちょいちょい省かれている文章も気にならないといえば嘘になるし、多人数の会話では、誰がどれをしゃべっているのかいまいち見失うシーンもあった・・・(そこは私の読解力か)。
特に曲野のキャラがつかみきれないまま終わった感もあるけど(一番わかりやすかったのはソラ先輩)、これは続編が続いているから、徐々にわかりやすくなってくるのかな?
ラストシーンは、著者もめちゃめちゃ悦に入ってくるのか、改行多々の構成になっちゃって、
「これは、まんがか!? それとも、昔のX文庫か」
と、思ったのだけど、そこらへんはノリといきおいで読むべきかな。
曲野と藤村さんはもしかすると今後お付き合いをしちゃうみたいなフラグなのかこれ、と、思っていたら、あっさりアドレスの交換までしていた様子で
「はやっ!」
と、思った。
そして進藤は愛されすぎですよね。
ここまでわかりやすいと全然BLもえはしないけど・・・。なんちゅうか・・・。(;^ω^)
ひつこいようやけど、テニスというスポーツは、すんごい細かく掘り下げてるんちゃうんかなー、と、思った。
(わからんけど・・・)
特に会話上でぽんぽん飛び出す専門用語も
「?」
と、思うけど、なんとなく流れで読んだ(笑)。
テニスは、カウントの入り方からよくわかってないから・・・。そこにデュースやらゲームやらが絡んでくるともう、さ��ぱりわからん。
また、バレーがテニスを元にしたスポーツと知って、
「へええ!」
とも、思った。
「ボールを床に落とさない」と、いう縛りはテニスより難しくなってるとは思うし、チーム内でボールを三回叩くことができるという、一番難しい縛りが加えられているとはいえ、基本的なルールはテニスよりもわかりやすく改善されてるんちゃうやろうか・・・。わからんけど・・・。
それにしても「ダブルス」の「ス」が複数形のエスでないなら、何やの!?
ここに一番びっくりした。
複数形のエスで「ダブルス」なんやったら、「シングルス」の「ス」は何になるのって、ダブルスが「ス」やからシングル「ス」にしといたほうが語呂がエエんちゃう、程度なのかと思ってたよ・・・(本気)。
続編、読むかどうかは、迷うなー。
面白いんやけども~・・・。
■■■■
■雁行陣
雁行陣は、鳥の雁(ガン)が、斜めに編隊を組んで飛ぶ形からそう呼ばれているそうですが、兵法では隊列を斜めにして相手に対峙する陣形を「雁行陣」と呼んでいましたので、直接的にはそちらから名前をつけたかもしれません。
■フィジカル
[形動]
1 物質に関するさま。
2 物理的。物理学的。「フィジカルな力」「フィジカルサイエンス」
3 肉体的。身体的。「フィジカルな関係」「フィジカルトレーニング」
■ゲシュタルト崩壊
知覚における現象のひとつ。 全体性を持ったまとまりのある構造(Gestalt, 形態)から全体性が失われてしまい、個々の構成部分にバラバラに切り離して認識し直されてしまう現象をいう。幾何学図形、文字、顔など、視覚的なものがよく知られているが、聴覚や皮膚感覚においても生じうる。
■肯と答える
(2016.11.2)
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ダブルスは、単なる二人じゃない。
熱い話だった。私は部活で軟式をしていたので、ダブルスの経験もあるし、硬式もちょっとだけしたことがあるので、違いもなんとなくわかる。一方で、私は駆みたいに軟式から硬式に移行したわけでもないし、ハードヒッターだったわけでもない。琢磨みたいに自分の技術に絶対の自信があったわけでもないし、それを頼みに相手を引っ張ったこともない。相手に失望したことはない、そこまで燃え上がる試合を経験したことはない。でも、知っている。ダブルスが足し算じゃなくて、掛け算になること。すごくわかると思った。続きものなので、このペアを追っていけるのが楽しみ。
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この本はとても面白い。テニスのルールを知らなくてもサクサク読める。青春物語でもあり、青春物語が好きという方にもおすすめだ。シリーズ物だから何回読み返しても面白く感じる。是非読んで欲しい。
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テニス青春もの。
中学時代、パートナーに試合で裏切られた駆とプレーヤーの技能が違い過ぎてパートナーを見限っている琢磨。
高校ではシングルスをプレーするつもりが、部長に命じられダブルスを組むはめに。
“パートナー”を信頼していない2人のテニスプレーヤーは本物のペアとなれるか?
☆登場人物の熱さに対して、地の文が訥々としている。それが独特の雰囲気になっている。
☆試合シーンがしっかり書かれていて(私は素人ですが…)経験者はさらに楽しめる。
☆主人公たちのまわりの友人・知人に対する思いが、成長によって別の見方を考えるようになる。
☆ど真ん中の青春小説でした。
☆ダブルスのs とシングルスのs は、違う意味を持っているという説が良かった。