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初伊坂作品がこのエッセイ集となった。
本書前半は、「○○が多すぎる」というタイトルでつなげたエッセイ。北朝鮮のミサイル発射に怯え、本物のお化けや怪人が混じっているのではと、未だにお化け屋敷や戦隊物ショーを苦手とする著者は、かなりの心配性で、それだけでユニークな人物像が浮かんできました。そこには大好きな北杜夫のような気質も感じられ、親しみを覚えた。伊坂作品は未読だが、おそらくそのような気質が生んだ作品もあるのではないだろうか。
後半は、東日本大震災発災後の心情を綴ったエッセイや、被災地のボランティアをモデルとした短編作品が収録されている。今にして思うと、37年周期で発生してきた宮城県沖地震が、2015年くらいに起こるのではないかという著者の危惧が奇しくも的中してしまったわけで、心配性な著者のことを面白がるだけでは済まされないエッセイとなった。
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伊坂さん目線の仙台は、今まで気にもかけなかったようなおもしろい発見がいくつもあり、読みながら街歩きをしたくなるような気持ちに何度もなった。一方で、時間の変遷による日常の変化や、それに伴って考えた様々なことやたくさんの思いも詰まっており、心に響く場面があった。伊坂さんのエッセイは今回初めて読んだため、伊坂さんの人となり等も、とても興味深く読んだ。
サクッと楽しくもあり、じっくり考えさせられもする、自然と引き込まれる一冊。
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伊坂さんは日常でも伊坂節を言い回してるんだなと期待通りな伊坂さんを垣間見ることができます。
エッセイに登場するお嫁さんも面白い。
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同時期に発売された「3652」は様々な雑誌を寄せ集めた内容であるが、こちらは「仙台学」という本(雑誌?)に掲載されたもので、エッセイではあるが、作り込まれている。著者も言っているが、面白いことなんて日常にそうたくさん起こることではないが(小さな面白いことはあるけど)そこはプロ、何気ない中にもユーモアを加え、引き込まれる。これで、伊坂幸太郎祭り(自分の中では)が終わる、ちょっと寂しい。
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伊坂幸太郎さん、
わたし、実は小説を読んだことありません。
映画も見たことないです。
対談もインタビューも知りません。
でも、仙台の街なかで同じ時を過ごしたひとであり、
その同じときに過ごした仙台の街なかを書いた本であり、
こりゃ、読まざるを得まい、といった変な義務感(?)から
手にとってしまった一冊でした。
いま、仙台を離れてしまったわたしは、
とても懐かしい思いで読みました。
そうそう、そうだった。
国分町のタクシーの列、なくなってしまったHMV、
あの道の名前、あの町の名前、
あの景色、あの雰囲気。
過去はどうしてこんなにも、振り返ると実際よりも
美しく感じてしまうものなんでしょうね。笑
震災のことがまさか、書いてあるなんて思わなかった。
まんまと読まされました。
あのとき、あの期間のことを、まだいまも
こんなにありありと思い出せるなんて
思いませんでした。
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前半…飾らないゆるーい日常エッセイ。自分も、仙台の街をうろうろしながら、「立地条件が良く」かつ「混んでいない」店に立ち寄れば伊坂さんに会えそうな気がしてくる。
後半…東日本大震災の体験談と、震災を題材にした短編小説。根本的には解決されていないのに、なんとなく救われた気分で終わるのはやっぱり伊坂幸太郎。
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伊坂さんのエッセイってあんまり読んだことがないんだけれど、気楽に読めそうなので手にとってみた。
伊坂さんの人となりがよく分かるような一冊だった。ものすごく心配性なところから色々な小説の発想が生まれているんだろうな、と感じた。
震災前後の気持ちがありありと伝わってきた。
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面白い。
実は関連する漫画や映画は、いろいろと見てきましたが、活字は初めてでした。
最後の短編小説も素晴らしい傑作です。
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伊坂幸太郎さんのエッセイ集。「コンパクトシティ」と言っているだけあって、それが感じられるエピソードが多いのがいい。エッセイもどこか、伊坂さんの小説っぽい感じになるんだなーと思った。
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夏休み、さて何を読もうかと各社の夏のキャンペーンの小冊子を貰って帰って考える。
集英社のナツイチの冊子には“お試し読み”が載っていて、この本のそれはエッセイとは言いながらこの作者の小説の一片を思わすような内容で、どこかでエッセイは苦手とあって買うのを躊躇していたのだけど、俄然読みたくなった次第。
読み進める中で『当初、目論んでいたのは、エッセイに見せかけたフィクションであった』と書いてあり、さもありなんと納得する。
ところが、それもなかなか難しかったらしく『最初の、「タクシー」の話の時こそ、半分ほど創作したものの、第二回以降は基本的に、実話を書きつらねることに専念した』ということで、だけどもこの本の前半のユーモア溢れるお話は十分らしさを堪能出来た。
…2005年から2015年まで書き溜められているということは必然的にあの震災を挟んでいるわけで、書かれたもののトーンは当然そこを区切りに変化する。
作者自身、大きな被害にはあわなかったとは言え、仙台の街に住んでいるからには物理的にも精神的にもダメージはあるわけで、余震の恐怖の中、役に立たない自分に落胆し、途方に暮れ、しかし『「この地震でへこたれるために、今まで生きてきたわけではないのだ」と自分自身に言い聞かせ』、そして少しずつ自分を取り戻していく様が、語って良いのかという迷いを伴いながら語られる。
そうした中で書かれた「ブックモビール a bookmobile」はとても“楽しい話”だった。
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伊坂幸太郎の仙台ぐらしを読みました。
伊坂幸太郎が仙台で暮らしているなかで出会ったいろいろな出来事を描いたエッセイ集でした。
心配性の伊坂幸太郎のエッセイはほほえましく読みましたが、震災の後のコメントは悲壮感が漂っています。
今やっていることをやり続けなさい、というコメントが心に残ります。
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伊坂幸太郎さんのエッセイ。本人も言っているとおり、伊坂さんはエッセイ向きの作家じゃないなぁ、という印象を受けた。作者が心から楽しんで書いてないので、読者にも楽しさが伝わらないみたいな感覚がある。
ただ、文章は抜群に上手いので、サクサク読めてしまうのはさすが。ファンなら読んでも良いけど、ファン以外にはオススメしないかな。
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伊坂幸太郎のエッセイ。
仙台で暮らす著者の日常を記したエッセイのなかに著者の作風に通じるような視点が見られ面白かった。
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伊坂幸太郎の仙台エッセイ。
仙台市民だったら喫茶店で遭遇してみたい。
隣でコーヒー飲んでそのまま立ち去りたいものです。
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仙台で作家生活をされている伊坂幸太郎さんのエッセイ。
「仙台ぐらし」っていうタイトルに、なんとなくほっこりできそうな語感を覚えてご購入です。最近書店で手を伸ばす本というのはほぼこんな感じです。
・ハートウォーミングなもの(悲しい話いらない)
・のんびりできそうなもの(暑苦しい話いらない)
・すらすら読めそうなもの(難しい話いらない)
なんか、こうやって書いてみるとちょっと病んでるっぽいですが、やっぱり仕事とか実際のところけっこうキツかったりするので、バランスをとろうと肩の力を抜いてゴロッとしながら読めそうな本に手が出るんですかね。当分は心のままに、無意識が求めるものに従って読んでいきたいと思います。
で、仙台ぐらしを読んで、仙台に行きたいという気持ちになったかというと、答えは「ノー」です(笑)。でもそれはこの本が面白かったということとは矛盾してません。そこへ行きたい気持ちにさせるのはガイドブックの仕事ですね。