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御自身の半生記なのかと思って読み始めたら、名前が違うので小説のようだ。
しかし、内容の何パーセントかはやはり、自伝のようなものだと思う。
広島で被爆していた父親の話や、今住んでいる所が西東京のあたり…という事などで…
この人の本は昔の物から読んでいたが、どんどんと文体というか、文章の感じが変わってくる。
ずいぶんと風景の描写が美しい事に気がついた。
同年代なので、昭和の風物なども懐かしい。
「冥途あり」と「まるせい湯」の2編。
まるせい湯の方は、冥途ありの続きではあるようだが、不思議系の創作色が強い。
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初めての長野まゆみさんの本。ある人に薦められて
(勧められたのは別のタイトルの本でしたが)
初めて読んでみました。なかなかよかったです。
東京の庶民の生活史的な小説。昭和の風景・風俗が
細やかに描かれています。
関東大震災。広島の原爆を経験してきた家族の物語
父の死から通夜・葬儀からルーツを巡っていく話。
『冥途あり』と。
親戚(いとこ)との夏の思い出とその思い出の舞台での
思いがけない歴史の話『まるせい湯』
両方ともに趣があって、面白い小説でした。
また長野さんの本を読んでみようと思います。
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兄がいて双子のいとこがいて、親の死に伴い葬儀や親戚とのあれこれって感じ。
はっきりした答えが出るものでもなく、読み進めてこういうことかなとわかるような。
真帆という名の「わたし」だけど、娘という記述さえなければ男でも十分通じる気がする。
父の話と祖父の話とこんがらがってきたけど、まぁ、いい。
父が広島にいた時に原爆にあっていてって、原爆の話前に書いてたよね。読み返してみたくなってきた。
オバマが広島訪問してもいたけれど、やっぱり被害に遭うのは民間人がほとんどだと思うなぁ。
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冥途あり
特に何もなく淡々と話は進んでいく。しかしその背景には戦争、原爆を直に体験した人の過去がある。戦争体験者が高齢化し、減少しているなかで、この作品が生まれたのは何だか考えさせられるものがある。さらに父は何も語らず、ただガラスとともに旅立ったことも。
真と梓の双子は長野まゆみ作品らしいキャラクターだった。
まるせい湯
古き良き時代を感じられる話。双子のホラなのか本当なのかわからない話が続く。まとめると、
「これだから昭和という時代は侮れない。静かに暮らしている人にかぎって、懐に途方もない逸話をかかえこんでいる。」188頁
になるのだと思う。
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群像掲載時にうきうき読んでたものを、改めて再読!
昭和の原風景にはさほど興味がないものの、ときに諧謔を弄しつつも清涼でうつくしい文章を読むのは心地よく、するすると読める…。
長野まゆみ作品だけは中学生の頃から飽かずに読み続けていて、その理由は作風が川の流れのように時と共に変わっていくからかもなぁ。
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2018.02.27
父の葬儀をきっかけに父の生い立ちをしる話
東京の昔の描写、広島の話など始めてしることが多かったが、ちょっと展開が無さすぎて離脱
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川辺の下町、東京・三河島。そこに生まれた父の生涯は、ゆるやかな川の流れのようにつつましくおだやかだった―。そう信じていたが、じつは思わぬ蛇行を繰り返していたのだった。亡くなってから意外な横顔に触れた娘は、あらためて父の生き方に思いを馳せるが…。遠ざかる昭和の原風景とともに描き出すある家族の物語。
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父や母、親族の記憶、昭和の香り。ノスタルジー。
名前でよばず、「父」「母」「叔父」など関係性で呼ぶので、誰が誰だかわからなくなってしまった。
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長野先生、最近書きたいもの(notホモ)に従順だな・・・
ご年齢を考えれば、当然といえば当然なんだけども
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ふわふわしているけど、芯がないわけではない、不思議な感触のお話でした。泉鏡花を読んでいるような感じだなと。
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久しぶりに長野まゆみを読んだ。
わたしは中学の国語で『夏帽子』を読んで、高校生で『雪花草子』を読んでしまって、そこから『猫道楽』や『左近の桜』 を味わってしまうのだが、そのノリでこの手の本(たとえば、『野川』)を読むと、なんでこの人はこんなにものを知っているんだろうと、話の流れよりもそっちが気になってしまう。そして、言葉の流れ、文の書き方も、てきめんに影響を受けてしまう……。また、いつか。