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難しいけど面白い。
会社ってこういうものなんだなーって。
北海道拓殖銀行から出向していた社員は自分の会社が倒産して数日後に出向先まで倒産。。
自分の父親は拓銀の最終面接で落ちたらしく、入らなくてよかったねと話してたことがあるからなんか心に残った。
youtubeで当時のニュース映像も見ることができた。飛ばしの仕組みがわかりやすく解説されていたし会社の雰囲気もわかりおもしろかった。
山一OBの女性の話も是非読んでみたい。
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社内調査の雰囲気や様子などが克明に描かれてい 、著者が関係者に迫ってインタビューをしたことを感じ取れました。
ただ、話の時間軸の前後が激しく、理解するのに苦労しました。また、登場人物の入れ替わりが激しく、証言が多いからか、内容が散ってしまっているように感じました。
まあ、それでもおもしろかったと思うので、星四つにします
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1997年に多額の簿外債務の発覚がトリガーとなり、自主廃業を迫られた山一證券において、破綻後に簿外債務の事実関係の調査や顧客対応等の清算業務に従事した12名の社員の活動をまとめたノンフィクション。
丁寧に時系列を追いながら、経営破綻後の会社でどのようなことが行われるのか、そしてその雰囲気をここまでリアルに体感できるのに驚くと同時に、会社が消えゆく様を最後までやり遂げた12人に去就する使命感とは何か、これを知れることに深い感動を覚える。12名のメンバーは精算業務に従事していた関係で他の一般社員に比べると再就職のタイミングは遅くなり(そのため、必然的に多くの社員が引き抜かれたメリルリンチのような有望な転職先は既に残されていない)、またその後も複数回の転職を余儀なくされるメンバーも多い。その姿は、終身雇用制度が終焉しても何とか生きていけるという現実的な楽観性を感じることもでき、感慨深い。
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山一破綻後の清算処理・真相究明部隊が、自分たちの生活も顧みずに、山一證券がなぜ自主廃業へと追い込まれたのか、究明していくノンフィクション。
会社を潰すため、清算するための業務だから社員の士気が上がらない。という当たり前なようでいて、会社が存在するうちは考えもしない事実にハッとした。
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山一の敗残処理を引き受けた人たちは、決して自分のためにに引き受けたわけではなく、生活苦に喘ぎながらただ責任感や連帯感で引き受けるが、無給で将来に不安を抱きながらの事であり、頭が下がります。
しかも自分を貶めるリスクがある危険な事でありながらも、その半端ない仕事は歴史に残る偉業を成し遂げたが、当事者達は後悔なく良い経験が出来たと語る。
人は真に必要とされる、或いは必要と感じた時、尚且つそれが有事である時にこそ損得関係なく行動できてこそ価値のある人物であり、必ずその行いは誰かが見ていると考える。
サラリーマンとて矜持を持ち、行動する心を少しだけでも汲み取りたい。
同時に、悪事に手を染め私欲に過ぎないよう、反面教師となる旧経営陣からも学びたい。
実名で記した作者も同様にリスクと根気がいったであろう。しかし、書いて残すことを使命を感じ、成し遂げた点では登場人物たちにも通じるところです。
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突然自主廃業となった山一證券。沈みゆく船から皆いち早く脱しようとする中、後処理を一手に引き受けた場末チームの奮闘を綴る実名ノンフィクション。
つまらない仕事なんてない。つまらくしている自分がいる。社会のせい、人のせいにして、逃げを打つ人生にするのか、自分の信念を打ち立て、実りある人生にするのかは、自分次第なんだろうな。
近所の同級生にお父さんが山一證券勤務の奴がいたな。廃業ニュースが流れてしばらくした後、静かに引っ越していってしまったことを思い出しました。元気にしてるかな。
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山一証券の簿外債務の問題から清算業務までを請け負った12人のドキュメンタリー作品です。
陽の当たらない部署にいた嘉本さんをはじめとしたメンバーが自社の問題を明らかにしていく。自主廃業し、なくなることが明らかになっているにもかかわらず、一所懸命に業務に当たっていく。嘉本さんたちをそのように突き動かした根底にあるものはやっぱり愛社精神じゃないかと思います。だから未だに山一出身者が集まる会が続いているんでしょうね。
他方で、嫌なら会社を辞めてもいいという生き方は参考になると思います。自分に正直に生きるというのは勇気のいることですが、そのように生きている人は誰か助けてくれる人がいて、輝いていますね。
#読書 #読書倶楽部 #読書記録
#しんがり山一證券最後の12人
#しんがり
#清武英利
#2016年57冊目
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金融関係のビジネス書では異色の内容。失敗談と美談との組み合わせ。山一證券の破綻を、記者会見で号泣した社長の姿とともに記憶している方も多いことでしょう。「社員は悪くありませんから!」という絶叫でした。
社長までが泣く、その大混乱にあって、「しんがり」の彼らはなぜ筋を通そうとしたのでしょうか。
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山一證券が破たんに至る経緯がよくわかる。その中で原因を究明しようとした、男たちの奮闘が描かれている。証券会社の人間のメンタリティや業界の慣習もうまく説明されている。
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山一證券が破綻したのは大学学部3年生の時。ニュースを見た時は「まさか山一が」と衝撃を受けた。
しかしその後の報道および本書から、山一は相当前から破綻に近い状態だったことが伺える。
著者は巨人でいろいろあった人だが、ジャーナリストとしては非常に優秀であることが本書から見て取れる。
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1997年に自主廃業した山一証券において、廃業に至るまでの真相を解明した社員たちのお話。
バブル崩壊後の証券業界では、四大証券会社による総会屋への利益供与問題など、逮捕者が出るほどの不祥事が続いていた。山一證券では利益供与問題の他に、顧客の負債を自社の関連会社に付け替える「飛ばし」という違法な行為と、それらを隠すための「粉飾決算」を行っていたため、大蔵省より自主廃業を迫られたのである。
廃業後の残務整理と真相調査については、業務管理本部という部署が中心に行ったのだが、自主廃業が決定した直後から、殺到する顧客の問い合わせに対応し、また転職先へと去ってゆく同僚を横目に見ながら、取材のプロであるマスコミ達を唸らせるほどの報告書をまとめた仕事ぶりは実に見事だった。本作を読む限り、しんがりのメンバーや一般社員の方々には気の毒だが、山一は潰れるべくして潰れた会社だったのかもしれない。
社内の不祥事を暴くための調査だったが、報告書には大蔵官僚の不適切な言動も記載されていて、当時の大蔵省は相当焦った事だろう。業界だけではなく監督官庁も加担した不祥事の連鎖の中で、まさに掃き溜めに鶴のような人々がいた事を、決して忘れてはいけないと思う。
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山一証券の最後を綴った小説だが、リアルに情景が浮かぶ読み応えのある内容。情報収集に相当な時間を要したのは想像に難くない。いつの時代も義理を果たして最後までやり遂げる人間、自分の事しか考えずにそそくさと逃げる人間はいる。自分は前者の人間でありたい。
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山一破綻は、確かにバブルがはじけた象徴的な事件だった。そして、それから今に至るも日本の経済はおかしくなったまま。まだ、この時は古き良き日本のサラリーマンがいた時代だったのか、自主廃業に向けて最後まで踏みとどまった彼らの物語は、今に読んでも心に刺さるものがある。
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2017/02/10読了。
山一証券自主廃業後、事実関係を明らかにした業務監理本部のメンバーのドキュメンタリーである。
山一証券の自主廃業を行った際には、社員にはなにも知らされておらず、日経新聞で話を知ることになる。
その後、会社という母体が解体されるなか、事実関係を整理した12人を中心に語られている。
証券会社特有のフロント以外を軽んじる文化などが端々に描かれており、リアリティーがあった。
重いテーマなのだが、サラリーマンとしての覚悟も感じられ、前向きになれる書き方なのが印象的だった。
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大手証券会社が倒産した際に、会社に残って誇りを胸に精算業務に取り組む人々の背景を描いたノンフィクション