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山一証券破綻について詳しく、かつリアルに描かれている。登場人物は多いが、一覧表などを見返しつつ読み進めることが出来る。経営陣を監視するコンプライアンスの重要性が強く印象に残った。☆☆☆☆
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読了後に本作が講談社ノンフィクション大賞を受賞した作品だと知る。読み応えがあ理、無駄がそぎ落とされた作品。
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清武さん、ジャイアンツオーナーでナベツネに反抗したくらいのイメージしかなかったけど、なかなか読ませる文章を書く人だ。
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僕にとってはちょっと読みにくかった。
物語のような、そうじゃないような、
それでいて話しが行ったり来たりする感じがあって、
集中しなきゃすぐわからなくなってしまった。
ので、疲れた。
けど、金融機関に勤めている自分にとって、
当時の金融行政やら金融機関の業務実態が鮮明に書かれているところは非常に役に立った。
日本人が金融に疎いというか、
毛嫌いする部分があるのはこういう時代のせいなんだろうな。
それにしても、こういう事態を社内で自分たちで調査して公にするってのは並大抵のことじゃない。素直にすごい。
最後は目頭が熱くなってました。
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面白くて感激した。清武さんすごい。
現在の第三者委員会的な調査委員会で関与した弁護士の先生とお会いできたことから読んでみたのだけど、いろんな抵抗勢力や壁に当たりつつも、信念に沿って真相を解明しようとしていく姿がアツくて素晴らしかったです。
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山一証券の最期を看取った12名について書かれた小説。
著者の関係者へのインタビュー・アンケートを元にして、
恐らくかなり真実に近い内容になっており、それだけに迫力・緊迫感がある。
倒産にまでにならずに、どこかで正常に戻ることもできたはずだが、
そうはさせなかった会社の経営陣と雰囲気。
今、日本の製造業で起こっている不祥事も、正常に戻る契機と考えて欲しい。
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会社という拠り所を失ったとき、サラリーマンという人種は何を思い、どう動くのか。ほとんどの人間は、蜘蛛の子を散らしたように、沈み行く船から我先に逃げ出そうとするのだろう。それでは、沈み行く船と運命を共にしようとする人達は、どういう思いで、何を成し遂げるために残ったのかー
すごい、久々に面白かった!とすっきり終われた本だった。最近お仕事系ノンフィクションが好きなのは、本を通して、その時代の空気や血の通った登場人物の熱意に触れられるところなのだと思うけど、それにしてもすごいお話だった。12人のしんがりたちに、心からのお疲れ様とありがとうを贈りたい。仕事辛い時期だからか、不覚にも前書きで泣きそうになったよ…甘ったれた自分に喝を入れたい。でも、今でよかった。この本は、学生の頃の私では絶対分からない。
山一証券の破綻は、子供だった私もなんとなく覚えているくらいインパクトのある出来事だった。けれど、何となく「バブルの終わり」「平成の大不況のはじまり」くらいの感覚だったので、意外と最近(1997〜1998年)の出来事だったなんて全然知らなかった!この本を読んでから例の野澤社長の会見を見たり、当時の山一社員の達観したようにも見えるインタビューを見ると、なるほどなと合点がいくようなところも多かった。
ネットでちらちら探す限り、山一の元社員は今も集いの場を持っているようで、会社に人生のひととき(人によっては持ち株で財産のほとんどを失っているから、人生の大部分)を振り回されてもなお、その会社と仲間を愛した人達がいるのだなと胸が苦しくなる。それはまた、この敗戦処理に真正面から臨んだ12人のしんがりたちもまた同じなのだろう。
ともすれば専門用語が散りばめられたわかりづらい話になりそうなところを、私のような株やら証券やら縁遠い人間にも分かりやすく、かつこれだけ面白く読ませるというのはすごく難しいだろうなと感服しました。人々の興味を引くテーマを、記者が熱意をもって取材し、執筆・編集した賜物なのでしょう。そしてまさか清武の乱の人だったとは、それも知らなかったな…
清武氏はあとがきに、「2011年暮れからひとりのジャーナリストに戻り、組織を離れても悔いなく生きている人たちを取材し続けている。」と綴っている。2011年暮れというのは、正に清武の乱が勃発した時であり、清武氏が巨人の球団代表を解かれたタイミングである。一連の騒動で、思うところありまくったんだろうなぁ…その熱意がこのような作品を産み出したのだから、私たち読者にとってはありがたいことだけども。
「彼らの生き方はサラリーマンの人生の糸をよりあわせたようなものであって、私たちと無縁なものではない。言葉を変えれば、彼らの姿は苦しい時代を生きるあなたにもきっと重なっている。」
会社とサラリーマン、仕事、家族…と、自分の身に起こったらどうするだろうかと、ぐるぐる考えるとてもよい機会になりました。望むならば、不正とは無縁だった、ひいては不正に抗おうとした山一社員とご家族たちに幸多からんことを。
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1997年、四大証券の一角を占める山一證券が突如破綻に追い込まれた���幹部たちまでもが我先にと沈没船から逃げ出すなかで、最後まで黙々と真相究明と清算業務を続けたのは、社内中から「場末」と呼ばれる部署の社員だった。社会部時代に「四大証券会社の損失補填」「日債銀の粉飾疑惑」など、数々のスクープを放った伝説の記者・清武英利、渾身のビジネス・ノンフィクション。
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あの時代、社会人なりたてホヤホヤで、総務・秘書業務にだったものの金融業界の片隅に生息していて、色々なことを見聞きし、大丈夫なのかな世の中は?とただ漠然と思ったものです。社会のからくりが少しわかるようになり、社会経験も積んだ今だからこそこの本で触れられているあの時代の、あの日々の壮絶さとずるさが人ごとではなく、感じ取れます。どんな立場、仕事であっても誠実に取り組むことが大切なことなのだと、当たり前だけれど思います。
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しんがりという、はっきり言って後ろ向きで希望もない業務に対して、自分なら、ここまで取り組むことができるだろうか?
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WOWOWの特別ドラマになると聞いて早速原作を読んでみました。
山一證券の自主廃業に隠された秘密を実名で展開するノンフィクション作品。消えゆく会社の中で最後まで破綻の真相を明かそうとする12名の勇姿。最終的には「誠意」を持って何事にも取り組まなければ結局、最後に行き着く先は同じなのだと痛感。とはいえ、サラリーマンなら・・・というジレンマもあるはず。
改めて、日本のバブル経済の歴史を垣間見ることのできる一冊でした。
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経営陣も関与する形で特金などを使った損失補填と飛ばしが行われていた山一證券。バブル期の証券業界の異常さが良く現れているが、営業至上主義は今もあまり変わってないかも。バブルとその後の金融危機を伝える資料として面白いが、事実は社内報告書の引用だろうから、取材力というよりはこのテーマを取り上げた着想勝ちかも。題材の車内調査報告書を読んでみたい。
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「しんがり 山一證券最後の12人」
負け戦のときに、最後列で敵を迎え撃つ者たちを「しんがり」と言う。
1997年11月、当時の四大証券会社のひとつであった「山一證券」が破綻した。「銀行と証券会社は潰れない」と言われていた時代に、巨大証券会社であった山一證券が破綻したことは世間に強い衝撃を与え、「社員は悪くありません」と涙ながらに頭を下げる社長の姿が連日報道された。本書は、役員・幹部たちが我先に沈没船から逃げ出す中で、最後まで黙々と真相究明と清算業務を続けた社員達の物語である。
久々のノンフィクション。当時、小学生であったため、全く記憶に無いが、しんがりとして残った12名の社員たちの奮闘振りが非常に印象に残る一冊でした。
いや、奮闘という言葉では片付けれないですね。総会屋への利益供与、巨額の簿外債務、そして山一證券の自主廃業と、全てが隠され続けられ、当事者たちは責任を取らない。にも関わらず、顧客を含めた外部からの責任追及は、彼ら業務管理本部(ギョウカン)に丸投げである。そんな環境・上司・その他社員がいる中で、自分達としてすべきことを黙々と実施し、利益や報酬を求めずにやりきる。嘉本・菊野を中心とする彼らの責務には頭が上がりません。
例えば、自主廃業が発表後、嘉本の下にある社員から内部告発の電話が掛かってくる。その内部告発に対して嘉本は「我々は特捜部ではない。告発するならばあなたがしなさい」と言い放つ。
“巨額の簿外債務を解明することが目的であり、この悲劇を生んだ山一證券の旧幹部への恨みを晴らすことではない”という信念があったからだ。これ以外にも彼らの強さを感じる部分は多く出てくるのですが、兎に角、誰もが逃げ出す中でここまで信念を以て仕事(もはや正式なモノではない)に従事し、遣り遂げることが出来るとは、とても凄いことだなーと読めば読むほど感じました。
会社という組織には馬鹿な人間も必要なのだ。(中略)。賢い人間から見れば、馬鹿の見本だろう。しかし、そういう馬鹿がいなければ会社の最旗は締まらないのだ。
そんな覚悟を持つ嘉本と調査委員会に対して旧経営陣や一部の幹部が公然と批判をする。社内調査報告書の完成・公表の際には、役所(大蔵省・SESC)が内容に抗議してくる。そんな中で会社の最期と簿外責務の謎を解明し、世間に公表したのは、陳腐な言葉かもしれないが”凄い”の一言。
更に、その後、法的責任判定報告書の際には、旧経営陣を訴訟する側になる監査役(民事訴訟の場合は、原告になるらしい)・現経営陣が駄々をこねる。全く会社と人間というものは、こういう側面が必ずあるにしても、言葉が出ないですね。しかも、ここまでやった嘉本らは、一部の役員・幹部の企みであった簿外責務を知らなかったにも関わらず、彼らと同じ役員という立場である為に、彼らと共に訴えられるというのは遣り切れないです。
そして全てが終わる中で、今度は、調査委員会の再就職先を探すことに努める嘉本。読み終わって思ったのは、これ実話なんですよね??っていうこと。��こんな凄い上司って存在し得るんですね」と。そして、清算業務を共に行った社員と転職したいといった菊野。そんな彼を慕って次第に集まってくる元調査委員会メンバー。なんかこれも凄い良いです。
◆最後に◆
一部の幹部主導による総会屋への利益供与に始まり巨額の簿外債務、自主廃業。それだけでなく、損害を受けた顧客による顧問弁護士の奥さん襲撃事件や顧問相談室長への襲撃事件等が生まれたこの一連の事件は山一證券の社員だけではなく、その家族の人生を大きく変えたものだと思います。そんな事件の中で最後までしんがりとなり、真相究明を行い、本当の意味で会社の最期を見届けた彼ら。嘉本・菊野をはじめとして、凄い人たちだ。
ちなみに、無知で恥ずかしい限りですが、2011年(平成23年)4月、山一證券元社員を中心に2004年に設立された「IBS証券」が「IBS山一証券株式会社」に社名を変更して山一証券の名称が復活しています。その後、2014年7月には正式に「山一證券株式会社」(2代目)に社名を変更し金融庁へ届け出て、「山一證券」の商標は2016年10月に特許庁に正式に登録されました。
しんがりを務めた人たちはどう思っているのかは分かりませんが、大きな歴史を乗り越えて”復活”した会社がどんな道を歩むのか。それは非常に興味深いです。
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1997年に自主廃業した山一証券の最後を看取った人々の奮闘の日々。
山一はなぜ経営破たんに至ったのか?
検察とは別に、社内からその点に迫った人々がいた。
「最後の12人」とは、山一證券で社内監査を担ってきた部署の人々のことである。
周囲は新たな転職先探しに奔走し、次々と会社を去っていく。
そんな中で、ある意味、自らの手で自らの罪を暴くようなことをしていくわけで、そこには相当な困難があったことだろう。
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たまたまブックオフで手に取った本でした。
山一証券といえば「社員は悪くありませんから!悪いのはわれわれなんですから!」と社長が号泣するインタビューで有名。
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創業100年の企業が何故、倒産(自主廃業)に追い込まれたのかを探るノンフィクション小説、、、だけではありませんでした。。。 .
単なる野次馬根性で読み出したけれど、実はサラリーマンなら誰しもが陥りそうな葛藤がこの本には描かれていました。自分もサラリーマンだけに、常に自分が思う正しい事をし続けることは難しい場面があるような気がします。だからと言ってそれに流されてしまうのか、それに抗うかは自分次第…
.
あとがきにある「心の清涼感が生きる力になるんだ。」という言葉が、心にじっとり残りました。
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これは…全新入社員の研修1日目に読ませたほうが良かろうよ?!
バブル期の浮かれた金の使い方、
社内の風通しの悪さ、
保身に継ぐ保身の往生際の悪さ…
その裏で、
説明責任を果たすための調査を続けながら
倒産の煽りを食った社員の再就職先を探し出して押し込む作業をするメンバーがいた。
1997年の日常生活や学校生活の出来事はまだまだ鮮明に覚えているにも関わらず
山一証券の倒産など、当時の私にとってはほとんど関心事の外にあり、全く記憶から抜け落ちています。
こうして読んでみると
「よくこんな大事件が記憶に何も残ってないでいられたな?!」
と思うほどの大事件だったんですね…本当に記憶にない。
しかしながら
バブル世代のお粗末さが次々と露呈していく中で
真の煽りを食ったのは
まさに、1997年頃学生だった私たち世代なんだよな…と思うと
何か他人事にはできない、日本社会の分岐点的エピソードと捉え直すことができます。
ちょうど今期のドラマ「半沢直樹」で
「自分のためだけに働き始めると組織が腐る」
というようなセリフがありましたが
まさにその好例。好例というか、悪例というか…。
自信と勇気を持って仕事をしたい!そうできたらいいな!と思ってはいるけど、なかなか一歩が踏み出せない人へ。
「明日こそ絶対に頑張る!!」と力をくれる1冊です。