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最高に興奮する本だ。
特に80年代前半のヒット曲が好きな人は最高に楽しめる内容です。
当時を全く知らなくても、
とんでもなく大きな計画が実行され、成功した様を追体験できます。
スターと、大スター、と大御所しかいない風景。
数多く魅力的なエピソード。
有名で知っている話もありますが
初めて読む驚くべき出来事も多々あります。
アメイジングなレコーディング秘話や
哀切あふるる後日談など様々
できれば、一人でじっくり読むことをお薦めします。
洋楽好きで、当時ヒットしているさまを体感してる人なら必読の書です。
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「A&Mスタジオのハーモニー盛者必衰のことわりをあらわす」とでもつぶやきたくなるような歴史的一大イベント、ウィ・アー・ザ・ワールドの物語。光あるところに影がある、アメリカンポッフスの栄光の翳りの始まりを予感させる題名の「呪い」に着目したのが著者の新しい視点だと思いました。まるで歴史家のように丹念にビデオやインタビューからまばゆさばかりの中に陰を見出していく作業はまさにマニア!ディテールもそうですが白人、黒人、そしてブリテッシュ、3つの文化がグーチョキパーのように絡み合いながらポッフス(日本語の造語らしい)を作っていく大きな物語に眼を開かせられました。自分が無意識に洋楽にジャブジャブに浸っていた時代の幸せの意識的に振り返る読書になりました。
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呪いとは祝いの逆のベクトル。呪縛と祝福は背中合わせかもしれない。80年代という時代に起きた奇跡的な作品に集まった煌びやかなスターたちの関係性とアメリカという国の白人と黒人の問題、音楽と映画(映像)に関して西寺郷太という稀有な文章も書けるミュージシャンが自らの想いと記憶、資料と熱意を持って記した一冊。
この奇跡のあとに起きた呪い、80年代が終わってグランジ・オルタナティブという90年代の季節がやってくるのは当然だったのかもしれない。この場所にいなかった呪いから逃れたスターたちのその後も。
そして9月にはそこに居なかったプリンスについての『プリンス論』が刊行される。
情報が過多になり、検索すれば出てくるネットが当たり前になった世界ではその「検索ワード」がわからなければもう検索も知ることもできないのだ。郷太さんはこういう時代があったことを知らない世代に対して知っていることを伝えようとしている。それは音楽の歴史だしポップスの時代と今に繋がるものたちを橋渡しする役目は自分にしかできないと自負しているからだろう。
知らないことがあるのは幸せだ。僕は80年代前半生まれだから全然知らなかったことばかり。また当たり前のように知っているミュージシャンの見え方が音の聞こえ方が変わってくる一冊。
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80年代アメリカンポップの解説が面白い。
ウィ・アー・ザ・ワールドの製作秘話は読んでいて興奮してくる。
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ウィ・アー・ザ・ワールド制作に関する時代背景を交えながらの解説は面白かったです。
ただ、本題の「呪い」の部分は少し薄っぺらい気がしました。
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同年代の著者の80年代洋楽に対する思い入れは共感しまくり。アメリカンポップスの定義が実に興味深かった。We are the world製作の秘話は臨場感たっぷりで一級のドキュメンタリーだと思う。
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80年代から90年代へと移行するPOPミュージックの変遷。その時代をリアルに通り過ぎた世代にはかつての空気がフラッシュバックする一冊。
タイトル勝ち。
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1985年のチャリティソング「We Are The World」。この時期を境にアメリカン・ポップスが変わった。参加したアーティストは、まるで呪いのようにヒット曲に恵まれなくなったと著者は言う。全世界的な大ヒットに高揚し、何かが変わってしまったのだろうか。人種も国籍も超えて繋がろうとした試みは素晴らしかった。しかしそれは、アーティストそれぞれの差異をなくすということではなかったはずなのだが。アメリカばかりか世界規模の音楽業界の衰退を、身をもって感じてきた私には残念でならない。
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うむむ。こういうのを読むと、音楽を分析的に聞くことに対しての興味がわく。あと、80年代から90年代は音楽の黄金時代であったようにも思える。
1985年に発表されたこの歌にまつわるエピソードがてんこ盛り……というよりは概要をさらっとになってしまっているので、なんとなく読み足りない感がある。かといってハードカバーでがっつり書かれても、各アーティストごとに掘り下げると読み切れない感じもある。
そう感じるのは、同じ著者の「マイケル・ジャクソン」を読んだせいだとは思う。
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後半の、本題の「We are the world」に関する章だけでいいんだけど、それだとページ数が少ないので前半をくっつけた、みたいな感じがぬぐえない。
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1985年4月5日、USA for Africaのアーチスト名で一斉に世界のラジオ局で同時放送された音楽、映像は瞬く間に世界を駆け巡った。クインシー・ジョーンズ、マイケル・ジャクソン、ライオネル・リッチーという3名の黒人が中心に企画したジャズ的にボーカルがリレーするライヴの緊張感の中でオリジナルな魅力を発揮する匠の技のせめぎ合いの結集した音楽。その感動的な合唱は今でも鮮烈に覚えている。そして、ブルース・スプリングスティーン、シンディー・ローパーなどのソロも強烈な印象を与えた。参加者たちがなぜあそこまで高揚し、感動して歌うことができたか、彼らといえども、目の前に憧れてきた歌手たちが多く集まり、自分もその一人として選ばれたという感動を考えれば当たり前かもしれない。1月28日~29日にかけ、ほぼオールナイトでの録音・録画のライヴ感が大ヒットの理由であることは間違いない。しかし、45名の著名アーチストが集まったが、集合写真に2名が欠けている。その一人ポインター・シスターズの末妹ジューン。その謎を調べ、華やかな報道の翳の難しい面を知る。そして集まったスーパースターたちも多くが、1985年を境にヒットに恵まれていない!ライオネル・リッチー、スティービー・ワンダー、ダイアナ・ロス、ティナ・ターナー、ケニー・ロギンス、ビリー・ジョエル、スティーヴ・ペリーたち。そして参加しなかったジャネット・ジャクソン、ホイットニー・ヒューストンが大活躍という皮肉は単に世代交代だけとも言えないのだろうか。
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チャリティ・ソングの金字塔「ウィ・アー・ザ・ワールド」が、アメリカン・ポップスの青春を終わらせた真犯人? 奇跡の楽曲が生まれた背景と、その後にもたらされた「呪い」の正体を検証する。
タイトルが大げさ・・・?
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奇跡的なひと晩は、どういう文脈で訪れたか?
音楽の内側では白人と黒人の差が小さくなった現在(外側はまだ余裕で修羅の国)。そこに至る過程となった時代。
プレスリーから80年代までを俯瞰し、80年代にあるケタ違いのピークを迎え、そしてそれが作り手としても聴き手としても過大な消費となり、"we are the world以前の旧世代"という枠を作ってしまった転換点。
まだ生まれてないタイミングだったけど、そんな人にも80年代が捉え直せるよいまとめでした。
→次の一冊...プリンス論(同著者)
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2017年5月25日読了。1985年に発表された、45名もの大物ミュージシャンによるチャリティー曲「ウィ・アー・ザ・ワールド」のレコーディング風景と、その前後での世界的な音楽の変化について読み解く本。衝撃的なタイトルだが、読んで考えてみると80年代前にピークを迎えたアーティストがその後も勢いを維持するケースが稀であり、この曲は単に象徴的なものであって、別に呪っているわけではない、ということか…。メイキング映像はレコーディングの様子、アーティスト同士のやりとりなどが克明に記録され見応えがあるようなので、是非見てみたい。
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アメリカの音楽シーンを簡単にまとめてくれているのは面白い。このへん、ほんと疎いからね。
でも「呪い」の部分がイマイチな感。
そりゃあ、絶頂の人ばかりが集まるんだから、レコーディング後に絶頂じゃなくなるのは当たり前だと思う。「平均への回帰」みたいなもんで。