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第二次世界大戦後25年間続いた技術の発達に伴う企業と労働者に蜜月が1973年には終わりを告げ2013年までにインフレ調整後の労働者の所得は13パーセントも下落したと始まり、ロボットやICTそしてAIなどの近年の発達を紹介し、労働市場が脅かされていると警告、更に教育や医療にもなどはそこで働く労働者だけではその仕組み全般に問題を投げかける。医療については現在の民間の保険を否定して政府管掌、ようするに日本方式が望ましいと書かれているのが印象的。テクノロジーにより労働市場が侵食されることをいわば告発(むろんラッダイト運動のようにテクノロジーを否定しているわけではない)する立場、人間はより創造的な仕事に向かうことができるなどと綺麗ごとではなく、現在も減少中の中間層がいなくなることで、購買層が減少しそもそも経済が成り立たないと力説し、ベーシックインカムを提唱する。AIなどの発達で働き方が変わるならそれに対応できるように自分自身を変えることはとても重要なことですが、社会の制度も変えていくことも合わせて考えていく必要があることを示唆します。今まで、そしてこれからのIT,AIそしてロボットの進化を経済や社会の観点から掘り下げた良本でした。ベーシックインカムの是非はよくわららないが目を向けることは重要だと思う。
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前半は機械やソフトウェアによって、
単純作業だけでなく、創作活動まで
コンピュータができるようになりつつあるという
例が豊富で面白く読めた。
後半は労働市場の話でイマイチ頭に入らず。
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労働市場は、労働者のスキルと能力の観点からは、常にピラミッド型をしていた。頂点の比較的少数の専門職と起業家は、創造とイノベーションに関わる仕事の大半に従事し、その他大多数の労働者は、比較的ルーティンな繰り返しの多い仕事に就いていた。経済の様々な部門が機械化され、自動化されるにつれ、多くのルーティン労働者は、別のルーティン労働にシフトしていた。だが、ロボットや機械学習アルゴリズムをはじめとする自動化の波が、次第にこのピラミッドを底辺から蝕んでいる。そして、人工知能のアプリケーションが、徐々に高スキルの職業まで侵そうとしており、ピラミッドの頂点の安全な領域も時間とともに減っていく。教育訓練への投資は、縮小するピラミッドの上位領域へシフトさせようとするものだ。また、自動化の進行を食い止めようとするのも現実的でなく、政策に目を向けるしかない。最も効果的な政策は、ベーシックインカム、最低限所得保証である。ペルツマン効果により、最低所得が保証されれば、大きな満足感の得られる仕事をしたいと考え、安全な勤め口を辞め、よりリスクの高い起業を行い、経済をより動的で起業家精神に富んだものにする可能性がある。逆に、最低所得を保証すると、人は働かなくなる、という意見もある。働くことをやめることを選んだ人たちの判断は、すべて自己選択で、野心や勤勉さが足りない人間である。これらの人が働かないことによって、進んで働こうとする人たちの賃金は上昇するはずだ。
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日本経済新聞社
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この一冊ロボットの脅威 マーティン・フォード著 多くの職が奪われる未来を考察
2015/12/6付日本経済新聞 朝刊
映画『ターミネーター』の暗澹(あんたん)たる未来像に比べるなら、本書で描かれる近未来像は、一見遥(はる)かに穏やかなものだ。しかしそれは、その未来像が明るく楽観的なものだということを意味するわけではない。
もちろん本書は単純な技術批判ではなく、かといって単純な技術礼賛でもない。いろいろな技術の中で特に焦点があてられるのは、指数関数的な発展を誰もが実感している情報関連技術の総体である。
なお本書で「ロボットの脅威」といわれるものは、その種の自動化技術の全体が社会にもたらす問題点のことを指している。
例えばファストフード店での単純労働は、あまり高いスキルを持たない労働者の重要な受け入れ口の一つだった。しかし自動化が進めば、肉を焼いたり、注文を受けたりなどの作業がロボット・自動化技術に肩代わりされ、多くの労働者が職を失うと本書は危惧する。
しかも、本書の重要な論点の一つは、その種のいわば機械による人間労働者の駆逐が、情報関連技術の成熟に伴い、より予見困難で創造性や臨機応変性をもつ、高次のサービス業全般にまで及ぶかもしれないという重大な予想なのだ。円熟した自動化技術がたいていの人間労働を追い抜いてしまう。それには金融関係の仕事さえ含まれる。
だが、そうなると、極めて多くの労働者の職の安定性が脅かされることになる。情報技術はわれわれに多くの利便性を与えてくれたが、ある日気が付けば、自分がそれなりに普通にこなしていた仕事から追い出されるということになりかねない。
そうなると何が起こるのか。それはごく一部の圧倒的な成功者と大部分の失職者という、凄(すさ)まじい格差社会の出現だ。だが、労働者は働くからこそ、消費行動ができるようになる。つまり大多数が失職者になれば、未来は何も買えない人間が大部分という社会になる。図抜(ずぬ)けた大富豪とて、一家で千台もの自動車を買うことはない。
だが、それならそもそも何のために企業は先端的な情報技術で早く優れた製品を作り続けるのだろうか。これでは社会を自動化することの根拠自体が揺らいでしまう。著者は、主にハイエクの理論に依拠しながら、この大きな逆説をある程度補填できる社会哲学を、最後の方で提示している。それは社会に独特なセーフティネットを張るための構想だが、その際可能的な反論に対しても、著者は丁寧に答えている。本書は充分(じゅうぶん)な味読に値する良質の本である。
原題=RISE OF THE ROBOTS
(松本剛史訳、日本経済新聞出版社・2400円)
▼著者は米国の起業家。ソフトウエア開発会社ファウンダー。著書に『テクノロジーが雇用の75%を奪う』。
《評》東京大学教授 金森 修
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テクノロジーよりは経済学的な話。あまり飛躍がないのはよいとも言えるし面白みに欠くともいえるか。
オックスフォード大学の研究によると現在の、700を超える職種の約半分が機械による完全自動化に向かっているという。高等教育と医療の分野は機械による代替を拒んできたが、そのツケが高いコストとして現れつつある。
比較優位の根底にある考え方は、一番得意なものをする、ということだが、これは機会費用が存在するためだ。つまり、人が何かをやろうとすれば別の何かをやる機会を諦めないといけない。同時に二つの場所にいて2つのことをするわけにはいかず、時間と空間には限りがあるためだ。機械、特にアプリケーションは複製が容易なので比較優位の考え方はあてはまらない。人間よりも機械が優位になってしまうと、その領域は全てが置き換わってしまう。
ロボットによって先進国内での単純作業(ファストフードとか)が置き換わってしまうことは問題だが、グローバルにみても労働集約性の高い製造業というのはかつては繁栄に至る道であったが多くの途上国ではそれも消えるかもしれない。
また、農業はますます効率的になり、人々は都市に追いやられる。
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ゴルディロックスの時期=オーストラリアの移住者が最初に見た緑の土地の時期。20世紀のアメリカはテクノロジーの繁栄が社会の繁栄につながった。
ソフトウエアの自動化や予測アルゴリズムの精度の進歩により、ルーティンだけでなくホワイトカラーの仕事が代替されている。教育やスキルを更に身につけることでは対抗できない。ブルースカイ思考に携わる人数はごく少数。
マックジョブ、くら寿司のようなファストフードでの仕事も減少。ロボットのメンテナンスなどの仕事は自動化でさほど大きくならない。
キング牧師の演説も、オートメーションの影響で職が奪われることが懸念された。1812年、イギリスのラッダイト運動。
賃金は、インフレを考慮すると1973年がピーク。労働分配率は低下、企業収益は拡大。
今度ばかりは事情が違う、という意見を無視する声がある。
比較優位=いくらかまし、であれば仕事はある、という考え方。ソフトウエアは複製可能なので、機会費用の概念はなくなり能力が劣っているヒトは要らなくなる。
ロングテール分布は、勝者独り占め、の世界でもある。インターネットの世界では、結果は不平等。
新聞記事もコンピュータが書く時代。ライティングに特別な能力はいらない。
IBMのワトソン、フェイスブックのサイボーグ=監視ソフト
コンピュータはプログラムされたことしかできない、というのは、今や誤った信念。プログラムを自分で作り出す。学習する。絵を描く。作曲する。芸術を作り出す。株式市場で超高速で取引する。
労働者は、機械と競争するのではなく、機械とともに競争しろ、といわれる。しかしテクノロジーの発達で、それすら間に合わないかもしれない。
ディープブルーがチェスの王者を破って以来、人間の得意分野で人間に勝つことができるようになった。
大学でもオンライン授業などで無料化の波が押し寄せている。
教育と、証明書発行システムの分離。
医療現場でテクノロジーの進展から現場の臨床医が不要になる。
高齢者介護の現場はまだ近未来。
医療の分野は、まだ難問が多い。
3Dプリンティングで製造業も変化する。家まで作れるようになったら。
フードプリンティングでシェフの仕事がなくなる。
自動運転=クルマを所有しない社会。
機械は消費しない。仕事を失えば消費できない。
テクノロジーの指数関数的進歩を見逃している。
サービス業の生産性は生産高が大事。仕事をしていなければ、生産性が高くても意味が無い。
ファストフードでの自動化。スマホで注文決済し、取りに行くだけ。
新興国で外国人が土地を買えないのは、投資によって高騰しないようにするため。値の張るものは値下がりしないが、日常品は値下がりが続く。
テクノロジーと労働力の高齢化=日本で労働力不足が起きていない。
中国は、より早く先進テクノロジーによる雇用の崩壊が起きる。
ケネディー大統領のころも職を生み出すことの困難がいわれていた。
���育のもたらすリターンが減少。大卒の仕事が機械に奪われている。
人間のスキルが、機械によって失われている。イヌイットとGPS。パイロットと自動操縦。
ベーシックインカムの必要性。
共有地の悲劇を起こさないための当局の介入が必要。
ベルツマン効果=安全にしたために、危険度の高いことをしようとする結果、事故は減らない。
革新的なことをしようとすれば失敗は避けれれない。ベーシックインカムで、最低保証をする。動的な社会を作る。
一定数の怠け者は覚悟する。全体ではいいこと。
制度設計のミスの修正を機敏に。
生産は大事だが、消費もなくてはならない要素。
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【ロボットの脅威】
A.テクノロジーは、ホワイトカラーの仕事をも奪いつつある。現在すでに、自らデータを収集し、スポーツ、ビジネス、政治など様々なニュース記事を書く人工知能が誕生している。
B. 今やコンピュータは創造性まで示しはじめ、楽曲を数分で作る機械が存在する。その技法は、他分野でも再利用可能で、近い将来、コンピュータが法律戦略やマネジメントの問題への新しいアプローチを考え出したりするかもしれない。
C. 3D プリンティングと自動運転車は今後、労働市場だけでなく経済全般にも劇的な変化をもたらす可能性がある。
D.今、建設用3D プリンターの製作が進んでいる。それは良質で安い住宅を生む一方、多くの人の雇用を奪いかねない。
E.将来、自動運転車はスマートフォンなどでいつでも呼び出せるようになる。すると、車の共有が進み、駐車場や自動車ディーラー、ガソリンスタンドなどが大きな打撃を受ける。
F.2010 年1 月2 日付ワシントン・ポスト紙は、「21 世紀の最初の10 年が終わった結果、その間に新しい仕事は生み出されなかった」と報じた。まったくのゼロだ。こんなことは、大恐慌以降のどの10 年間にも皆無だった。実際に戦後の時代を10 年単位で分けた場合、労働者の勤め口の数が20%以上増加しなかった時期はない。今、米国経済は新時代に入ろうとしてい
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内容は極めて重要、ロボットの進化により
職はどう変わっていくのか?
人の仕事はどのように奪われるのか?
誰にも関わる部分です。
読むべき1冊だと思いますよ!!
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機械化やAIの活用が進み、どんどん人の仕事が奪われていく未来を描く。単純な仕事だけではなく、知的業務すら、機械に取って代わられていくのだ。
人間が行う仕事は何になるのだろう?
この本で描く世界のさらに向こうにはマトリックスやターミネーターのような世界が待っているのではないだろうか。SFの世界が本当にやってくるのかもしれない。
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ロボットに職が奪われる日が遠からず訪れる。その時までに余剰人員をどうするか考えておかなければ、大クラッシュに見舞われるだろう。
私達の世代はいいが、子供達の世代にはどうなるのか心配だ!
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ロボティクスによる自動化とAI(人工知能)の発展が雇用と経済にどんな影響を与えているか、統計を引き合いに現状を分析しつつ、将来の可能性を述べてます。
簡単に要約すると
1)機械化によって単純作業〜中程度のスキルの職は壊滅する。
さらに、MRIの画像診断や法律家などの専門性の高い職もAIに取って代わられる。
これは現在進行形で進んでいる。
2)機械化は企業の収益性を高めるが、雇用が崩壊しては消費者がいなくなるので経済は破綻するかもしれない。
3)なので、最低所得保証(ベーシックインカム)制度を国が作って最低限の購買意欲を維持しつつ、より質の高い生活を求める人にガンガン働いてもらえばなんとかなるだろう。
AIが普及したらルーティンワークは全部機械任せにできるじゃん!わーい!
とか思ってたけど、取って代わられちゃうとわねぇ…
大企業ほど機械化の波は早いらしい。
職場は中小企業だけど、職を奪われた高学歴の人が来たら僕なんてお払い箱だわぃ
定年65歳に引き上げるとか言ってるし、僕がその年齢になったら定年は75歳とかになってるんじゃないか?
逃げていく定年と迫ってくる機械化。
しかも人工細胞とかできちゃって寿命がなくなった日にゃ、死ぬこともできずに働き続けるのか!? とにかく、ベーシックインカムが出来たら『おれは働くのをやめるぞ!ヒャハーッ!!』です。
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ロボットが単純作業だけでなく、適用できる範囲が広がることでブルーカラーだけでなく、ホワイトカラーの仕事を奪うこと恐れがあり、高度な知識や教育をもたないと人間でしかできないことがなくなってしまうため、格差が広がる恐れがあるという主張がとても参考になった。
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考えたらまぁ当たり前なことを説明するための辞書を読んでる気分だった。読むのは本文ではなく、目次だけでよい。
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・ソフトウェアはクラウドにホストされることが非常に多い。その観点から見れば、ソフトウェアはいずれほぼあらゆる職場に侵入し、コンピューターの前に座って情報を操作するようなほぼあらゆるホワイトカラー労働を呑み込んでいくだろう
・中国の直面している難題は、テクノロジーとの競争ではるかに後手をとっている貧困国にとってはまたさらに恐ろしいものだ。製造業の労働集約性が特に高い地域ですら自動化が進みはじめているいま、過去に存在した繁栄への道筋は、こうした国にとってはほぼ消えたも同然だ
・人工知能はやがて、自らのデザインを改良したり、ソフトウェアを書き換えたり、あるいは進化的プログラミングの技術を用いて自らのデザインを強化するものを作り出し、テストし、最適化するといったようなことに精力を傾けるようになるのだ
・人間の歴史において何か本質的なシンギュラリティ(特異点)が近づきつつあり、それを越えた先では我々が知るような人間生活はもはや持続不可能になるのではないか。カーツワイルは言う「本当の意味での知能機械は、2020年の末までに作られるだろう。そして、シンギュラリティ自体が起こるのは、2045年頃のいつかだろう」