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誰本で冒頭のみ読んでいた作品が2作。
いじめを題材に
加害者、被害者、傍観者
の視点から描かれる。
どれも秀逸。
辻村さんは相変わらず
女性の醜い部分を書くのが上手だ。
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萩原浩、小田雅久仁、越谷オサム、辻村深月、中島さなえ、5名の作家が「いじめ」をテーマにした短編を綴るアンソロジー。
クラス内のいじめ問題に取り組む教師、いじめられていた親友を救えなかった少年、いじめを苦に自殺をしてしまう少年、いじめられていた女、いじめていたのに無自覚だった女、様々な「いじめ」に関わる人たちが登場します。
帯に書かれた「学校で、職場で、ネット空間で……いじめと関わったことがない人、いますか?」というコピーが印象的な一冊です。
いじめをしてしまった人、いじめられた人、いじめを傍観していた人、いま、いじめられている人。みんな、どこかしらの立場に立ったことがあるのではないでしょうか。
空気と同じくらい、どこにでも存在している「いじめ」。目に見えないから、感じないから、それは「いじめではない」と言えますか?この本を読むと「ああ、あれはいじめだったのか」と気付くことができるかもしれません。
5人の中に好きな作家のいる人、コピーに惹かれた人、「いじめ」という言葉が心のどこかに引っ掛かるという人、ぜひ手に取ってみることをオススメします。
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テーマが「いじめ」だけに、あまり面白い話ではない。
子どものいじめ、いじめ・いじめられた者が大人になった時の関係、大人のいじめ、それぞれどれもエグイ。
5話のなかでは、ダントツで「辻村深月」のが良かった。
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なるほどー・・・思っていたような内容とは違ったけど、これはこれでありだなぁ・・・意表を突かれた越谷さんに1本!
サークルゲーム 荻原 浩 ★★★★
明滅 小田 雅久仁 ★★★
20センチ先には 越谷 オサム ★★★★
早穂とゆかり 辻村 深月 ★★★★
メントール 中島 さなえ ★★★★
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「いじめ」をテーマにした5つの短編を収めた競作アンソロジー。
いじられる側・いじめる側、各々の立場からの話。
競作の場合には、良かった作品とそうでもなかった作品とが、どうしてもある。
最後の作品がもっとよかったらなー。
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○サークルゲーム「萩原浩」仕返し、モンスターペアレンツ、正義感教師
○明滅「小田雅久仁」読んでいてつらい、
△20センチ先には「越谷オサム」ありきたり、勇気を出して、後の祭り
○早穂とゆかり「辻村深月」大人になってからの仕返し、女は陰湿、
×メントール「中島さなえ」女性独特の妄想
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『いじめ』をテーマにした5つのアンソロジー。テーマが『いじめ』なので、内容が重たくて大人として、いろいろ考えさせられる作品である。いじめといってもいろいろな種類のいじめがあり、現代のいじめはSNS(主にLINEやtwitterなど)を使用して、いじめを行うため、昔のいじめよりハードなので、読んでいてとても苦しかった。いじめられてる子より、いじめてる子が読むといじめられてる側の気持ちがわかるのかなと思ったりした。
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「いじめ」短編集、5話。
見つける側だったり、友人の事だったり
過去の事だったり。
色々な状態ででてくる、いじめの話。
3話目が、ええ?! という読後感です。
4話目の辻村さんが目当てで借りたのですが
恐ろしいまでに冷静で、相手を叩き潰しています。
いじめた側、いじめられた側。
思い出をどこに分類するか否か。
TVでやってるいじめと違うから、というのに
そうかもしれない、と思いました。
しかし、屈託なく連絡をしても人によっては
非常に不快に感じるかと。
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+++
荻原浩「サークルゲーム」―中学二年生を担任する矢村琥代。彼女のクラスではいじめが起きているようなのだが…。小田雅久仁「明滅」―祖父の死をきつかけに地元に帰った私は、同級生と蛍を見に行ったあの日を思い出す。越谷オサム「20センチ先には」―クラスメイトからいじめられている僕の前に、現れた「悪魔」が見せる光景とは。辻村深月「早穂とゆかり」―小学校の同級生だった二人。早穂は、塾経営者として成功したゆかりを取材することになり…。中島さなえ「メントール」―由美子と志乃は歌劇団のトップ女優を目指す親友同士だったのだが、やがて…。学校で、職場で、ネット空間で…いじめと関わったことがない人、いますか?いま、この世の中に蔓延する空気を切り取った5つの短編小説。
+++
さまざまな場所、さまざまな状況、さまざまな年代に起こるいじめの物語である。切り取り方は著者によって違うが、読んでいてやり切れなくなるのはどれも同じである。渦中にいるときには抗えない流れに巻き込まれ、大きな罪悪感もなく何気なく行動してしまうのだろうが、年を経るにしたがって澱のように胸の底に溜まった粘りつくような黒い思いは、強くなりこそすれなくなることはないのである。怖くて胸がつぶされる心地の一冊である。
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2015.11.3.萩原浩さん『サークルゲーム』小田雅久仁さん『明滅』越谷オサムさん『20センチ先には』辻村深月『早穂とゆかり』中島さなえ『メントール』いじめをテーマにしたアンソロジー。テーマがテーマだけに重苦しい作品だったがそれぞれ個性が光り読み応えがあった。サークルゲーム、冒頭の保育園児、いじめを解決しようとする教師、どうつながるのかと思っていたらこういうことか…と…。そして納得のいく結末でよかった。越谷さんの作品はすごく意外な結末、命をどう考えるか、普段の子供達には読んで欲しい作品だった。辻村深月さんはそこまで深刻なことはないが、相変わらず女性の心の思い出の中に沈む暗いものを描いていてよかった。
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タイトル通り「いじめ」にまつわる短編集。
お気に入りは越谷オサム「20センチ先には」。いじめが取り返しのつかない事態を招くことになる、という教訓にもなるとは思うのですが。なんとも皮肉。タイトルの意味もなんともいえない……まさかそう来るとは。
辻村深月「早穂とゆかり」もかなりひりひりさせられる一作。かたちに見えるいじめでなくとも、こういうのもされた方は忘れないんだなあ、と。
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いじめにまつわる5人の作家の短編集。
いじめの話なので、どれも読後感はあまりよくないが、荻原浩のサークルゲームはちょっとすっきりしたかな。
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荻原浩「サークルゲーム」
小田雅久仁「明滅」
越谷オサム「20センチ先には」
辻村深月「早穂とゆかり」
中島さなえ「メントール」
なんせ『「いじめ」をめぐる物語』なので、重苦しいんじゃないかと予想はしてましたが、まあやっぱり重苦しいです。
そんな中、「サークルゲーム」の矢村先生の「~だから許されると思ったら~」という空気を読まないきっぱりした態度が実にすがすがしい。本来こうした空気を読めない教師、といった役どころは苦手なのですが…ここまできっぱりしてると心地好いなあ。
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いじめ、といっても単純な話ばかりではない。ひねりが効いていてなかなかよい。
加害者、被害者、傍観者、先生などなど
いろんな立場から描かれるいじめ。どうしてなくならないのだろう、決してなくなるものでないなら、どうやってやり過ごすかそれが大事なのではないかな。
ただ、テーマがテーマなだけに、後味はあまりよくないが。
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荻原浩、小田雅久仁、越谷オサム、辻村深月、中島さなえ、5人による「いじめ」をテーマとした短編小説集です。
よくあるような、「「いじめられっ子」と「いじめっ子」が最終的に分かり合う」というストーリーのものはなく、現実の世界のように、やるせない結末となる話です。
実体験として、いじめたことがある人、いじめられたことがある人、いじめを見ていた人、いじめを止めようとした人……何らかのかかわりがある人は多いのではないでしょうか。
小説の世界では、現実にはなかなか起こりえないような相互理解がなされたり、人間関係の変化が起こったりしますが、そういった「救い」が全くない物語です。
特に、小学生のころの経験が40歳になっても尾を引く様子を描いた辻村深月の「早穂とゆかり」には恐ろしさを感じました。
「いじめ」について考えるきっかけにはなりますが、実際に「今」いじめに(それぞれの立場から、ではあっても)悩んでいたり関わっていたりする人には刺激が強いかもしれません。
世の中の不条理さをひしひしと感じさせる作品でした。