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安倍首相が、敬愛しているであろうおじいちゃん、昭和の妖怪「岸信介」。
その岸信介を調べれば、安倍首相の考え方が想像できるかな?と思い読んでみた。
いきなり、不勉強を再認識。
岸信介と佐藤栄作は実の兄弟だったのか。
安倍首相と岸外務大臣が兄弟だという話は有名だが、そこに佐藤が入ってくるとは知らなかった。
佐藤、岸、安倍 いろいろな苗字に分かれてはいるが、明治維新のひとつの勢力であった長州閥。
一時、権力を握ったものは、姿を隠しつつ、権力を握り続けるという構図に、君の悪さを感じた。
また、岸信介というのは、戦後首相であった時期が主たる活躍場所ではなく、満州国設立、運営に非常に深くかかわっていた官僚であったことを知る。
関東軍、満鉄が実務機関であるとすれば、岸はその展開のグランドデザインを書いて、しかも、それを現地で中心となって推進していたのだった。
さらに、多くの国民を満州に送り込んだ後、戦局の変化を機敏に察知し、多くの国民を満州に残したままさっさと内地に戻り、官僚として復帰を果たしていたのだ。
本書は、その岸が満州にかかわった時代を中心に、岸がどれだけ優れた人間だったかを綴った、親安倍首相的な歴史書。
きっと安倍首相の本棚に並んでいるのだろう。
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名を残すリーダーは大胆である。
満州を統治していた軍から産業経済を取り上げた岸信介。
日本史の授業では習わなかったが、日本が統治していた満州政府で阿片が資金源となっていた。
岸信介を祖父に持つ安倍首相が北朝鮮拉致問題について悔やんでいる意味が分かった気がした。
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岸信介リスペクトという目線で書いてあるため、やや偏りがあるように感じられる。満州国というものがどういった位置付けだったのか、無主地であったという主張には無理があるようにも思われるけれども、一定の理解が深まった。産業統制とそれによる成果を目の当たりにしたら、日本でもそれをやろうと考えるのは不思議ではない。この男が戦前も戦後も内閣にいるということが、日本の歴史がいかに地続きであるかを表しているように感じる。
そして、戦後、現代を作ったといっても過言ではないように思える。