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2021年はナポレオンの没後200年です。
図書館での展示も検討中で、その参考文献として読みました。
ナポレオンが台頭したフランス革命後の混乱期がどのような世相であったのか(なぜ、ナポレオンのような「英雄」がもとめられたのか)という点や、ナポレオンの人気(国民からの支持)の理由、皇帝となって栄華を極めるまでの流れと、没落の過程など、ナポレオン・ボナパルトの生涯が簡潔にまとめられている良書だと思います。
単なる伝記ではなく、「歴史教科書」という雰囲気の本ですが、文章も語り口調で読みやすく、それなりの分量はあるもののストレスなく読みこなすことができました。
いわゆる「諸説あり」というようなエピソードはコラムや脚注で補足情報もありますし、事実としてはっきりしないところを想像で補うこともなく、内容も信用できる印象です。
ただ、あえて指摘するとすれば、各章の冒頭にある地図(イラスト)が少し見づらいことがあるでしょうか。理解を助けるために、それぞれの章で扱われることがらを地図に載せて紹介しているのですが、登場人物がすべて「てるてる君」というキャラクターで描かれており、人物のキャラクターがつかみにくい、と感じました。地の文章が良かっただけに、もう少し描き方を工夫してもらえラバよりわかりやすかっただろうと思います。