投稿元:
レビューを見る
4編収録の短編集。
『あとがき』では『「本格」SF(本格ミステリを主題にしたSFの意)』と表現されているが、読んでみるとやっぱりミステリだなぁと思う。確かにSF要素もあるのだが……。
『ノックス・マシン』も良かったのだが、私としては『引き立て役倶楽部の陰謀』を推したい。
投稿元:
レビューを見る
うーんという感じですね。
「このミステリーがすごい」をみて期待して読みましたが、ちょっと馴染めない方でしたね。
引き立て役倶楽部は面白かったですけど。
残念ながらきつかったですね。
投稿元:
レビューを見る
《探偵小説とSFの融合。エントロピーが溢れ出す!》
「本格」SF(「本格SF」じゃないよ)
ここでいう探偵小説は、ミステリという「ジャンル」ではなく「小説そのもの」。
表題作『ノックス・マシン』や『引き立て役倶楽部の陰謀』なんて実際の小説や小説内キャラクターをSFやメタな要素を使って見事に「こじつけ」られていて、知識と歴史と発想の泉が渾々とわきすぎ!
『バベルの牢獄』は終盤で、「幸せの書」を思い出した。
本でしかできないトリックと言われれば簡単だけど、、、なぜこれをやろうとしたのか。
ちゃんとSF要素の意味かあるし、、、。
読み終わったあと、マジかよ、、、って声が出てしまった。
投稿元:
レビューを見る
ミステリだと思って読んだら、クラシックミステリを素材に使ったSF短編集だったのはびっくりした。めちゃ面白かった~~!
投稿元:
レビューを見る
それぞれで触れられている作者や原作を良く知っていれば、きっともっと楽しめたんだろうな、とちょっと悔しいです。でも、「生首~」で感じた作者に対する自己評価(まあ普通)は、ちょっと見直さないとって気になりました。表題作(とその続編)、引き立て役の3つの話は、原作についての知識云々を問わず、純粋にSFミステリとして楽しめました。なるほどなって思わせられる、見事な解釈になっていると思います。ただ、3番目に収録の話がイケてなかった。これがなければ満点でも良かったけど、くらいの減点。これが一番短くて、サラッと読み流せるくらいだからまだ良かったけど…残念です。海外ミステリの古典が、もっともっと読みたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
ミステリ等をネタにした遊び心溢れたSF短編集。表題作と続編のオチ、『引き立て役倶楽部の陰謀』の古典ミステリネタをふんだんに配しつつ私のような不勉強な読者にも最大限ネタバレしないよう配慮した面白さ、『バベルの牢獄』の驚きの仕掛け、どれも楽しめた
投稿元:
レビューを見る
ミステリーとSFに関する知識があれば、より楽しめる作品
アガサ・クリスティ、エラリークイーンあたりを読んでからまた読んでみたいです
投稿元:
レビューを見る
一回目読了
4つの物語が入った中編集
1,3,4つ目の話はなんとか読めて、内容も面白かった
引き立て役倶楽部の陰謀は頭の中で整理がつかなくて一時断念
あとで読み直すことにした
参考文献があるにしてもよくこんな難しいことを盛り込んだ小説かけるね
投稿元:
レビューを見る
2014年版このミス第1位など、各種ランキングで上位にランクイン。法月綸太郎さんの作品は未読だったが、文庫版が薄かったので、手に取ってみたわけである。
結論から言うと、一般向け娯楽小説とは言いがたい難物だった。探偵小説研究会のメンバーでもあり、評論家としての顔も持つ法月さん。なるほど、業界人の評価が高いのはわかる。これは、ミステリーでもありSFでもあり評論でもある。
「ノックス・マシン」。一応本格ファンであるから、「ノックスの十戒」を聞きかじったことはある。その5番目に、「探偵小説には、中国人を登場させてはならない」とある。真意はともかく、古典ミステリに精通していなければ、これをネタにしようとは考えないだろう。
「引き立て役倶楽部の陰謀」は興味深い。引き立て役倶楽部とは、ワトスンに代表される名探偵のパートナーたちの団体である。某女史の某作品が、彼らにとって由々しき事態だというのだが…。虚実入り乱れた内容であり、本作中最も評論色が濃い。僕は彼女の作品を未読なので、本当の面白さはわかっていないのだろう。
「バベルの牢獄」は、専門用語を散りばめられて煙に巻かれたような、日本語論でもあるような…つまり難解でした。その作品はもちろん知りませんでした。
「論理蒸発──ノックス・マシン2」。以前、北村薫さんの『ニッポン硬貨の謎』に手を出し、痛い目を見たが、その後にクイーンの国名シリーズを読破したので、何とかついて行けた…のだろうか。量子化されたテキストが、「燃えた」という。つまりは改竄である。仮想空間における発火点とは、何か? これは現代にもあてはまるテーマだろう。
古典ミステリに疎いことに加え、量子力学やホーキングの宇宙論まで出てきては、正直お手上げだが、設定に惹かれる点はある。物語はアルゴリズムで自動生成され、あらゆるテキストがデータベース化された時代。長期的には、電子書籍は普及していくだろう。でも、紙の本が愛おしい。難儀しながら本作を読み終え、そんなことを思った。
投稿元:
レビューを見る
内容(「BOOK」データベースより)
2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される。博士論文のテーマ「ノックスの十戒」第5項が、史上初の双方向タイムトラベル成功に重要な役割を担う可能性があるというのだ。その理由を探るべく、実験に参加させられた彼が見たものとは―。表題作「ノックス・マシン」、名探偵の相棒たちが暗躍する「引き立て役倶楽部の陰謀」などを含む中篇集。
ノックス・マシン、SFを読みなれない人間からすると非常に難しい文章だった。が、読み終わった後、ミステリ的にはとてもさっぱりしたシンプルなものだった。
引き立て役倶楽部の陰謀、これもタイトルを見て思い描いていたものとは違い、メタ要素が絡み合い気軽には読めない重厚なものだった。ワトソンはパロディで主役として書かれると、すこし残念な感じになることが多いのはなぜだろうか。
エラリー・クイーンの国名シリーズをまた読み返してみたくなった。
投稿元:
レビューを見る
ミステリとSFを組み合わせた傑作の短編集。不思議な話ばかりだが、納得させられてしまう。種明かしをされて、「腑に落ちる」のが気持ちいい。特に好きだったのが『引き立て役倶楽部の陰謀』で、様々な探偵小説の「引き立て役」たちが議論を繰り広げるのを読んでいると、すべての「引き立て役」を知らないことが悔しくなってくる。
投稿元:
レビューを見る
うわー、「こういう本」だったのかー。
正直に言ってがっかり。著者の本格の大ファンなんで。でもファンなので星3つ。
投稿元:
レビューを見る
SFとミステリの融合。ノックスマシンとノックスマシン2。W・ハイデンフェルトの「<引立て役倶楽部>の不快な事件」をさらにパロった「引き立て役倶楽部の陰謀」とどれも面白かった。
投稿元:
レビューを見る
法月綸太郎によるミステリにまつわる話をSF仕立てにした短編集。
本作はいろんなところで言われているように、決して万人向けではない。むしろ、クリスティやクイーンといった古典ミステリをこよなく愛し、かつSFもある程度読みこなしている人が、そこかしこに仕掛けられた遊びを楽しむ、という側面がかなり強い。そういった意味で、「このミス」一位という評価だけによって本書を手にするとなんだこりゃとなる可能性も高い。かくいう自分も、古典ミステリはかじる程度しか読んでいないため、ネタ元がわかるものとわからないものがある。様々な作品に触れた後で読み返すとおそらく今とは違った感想を持つだろう。
古典ミステリへの愛が如実にあふれた作品として「引き立て役倶楽部の陰謀」が収録されているが、ミステリの歴史の体系的なまとめとも言える作品で、それと知らずに読んでも非常にコミカルな作品でもある。
また、本作は「紙の書籍」への愛着もそこかしこに感じられる。特に電子書籍版には収録されていない「バベルの牢獄」はその最たるもので、絶対に電子書籍化できない仕掛けが仕組まれている。
表題作とその続編もふくめ、よくもこんなことを思いつくものだと感心することしきりで、ある意味論理の煙に巻かれたような読後感もあり、そういう意味でミステリにも通じるが、あくまでも本作はミステリではなくSFテイストの作品集だ。
投稿元:
レビューを見る
ノックスが"十戒"第5項に込めた想いと人類初の双方向タイムトラベルとの因果。
ブラックホールと化した"読者への挑戦"の蒸発により発火した『シャム双子の謎』。
トンデモSFなのに史実や学問知識の織り込み方が精緻で美しい。
そこに軸とロマンが立ち現れる。