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オスカー・ワイルドらしいちょっと怖いショートストーリー。
表題作は、ちょっとユーモラスで悲哀を感じる幽霊。
良いですね!!
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東雅夫氏がブログにて映画『クリムゾン・ピーク』を観る前に「カンタヴィルの幽霊」を読んでおくと吉と書かれていたので手に取りましたが、これがものすごく個人的にはアタリ本でした。表題作はもちろんのこと、ワイルドの友人であるエイダ・レヴァーソンの回想や作品も付録で載っており、これもまたかなり惹きこまれ、こんな本を出された南條竹則氏と光文社はホントすごいです!「スフィンクス」については、まだまだ知識の足らない私には難解でしたが、また時期を置いて読み直してみたいと思います。
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お得な一冊。後編にてエイダ・レヴァーソンという女性の作品が掲載。解説は彼女と作者の関係に触れ、ワイルドの私生活が覗ける。何だか有名な人らしいなという印象しか持っていなかったが、エキセントリックな愛人の父親に憎まれ、同性愛という理由で逮捕された人なのね。やはり作品はウィットに富みながらも繊細でロマンチック、三島由紀夫ぽいなと思いました。エイダの方は女性であることを心から謳歌しているような陽気な作風で、花のような存在感がある。
全体的にとても好きなので、他の作品も読んでみるつもりです。
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何で読んだだらうか。スフィンクスの話のあらすじを読んで心惹かれたことを覚えてゐる。
あらすじでは謎こそスフィンクスといふことだつたが、それはかなり大雑把すぎるあらすじだらう。さういふ話があつたらしいとしめくくつてゐるところに謎があるのではないか。あくまで、この話は伝聞でしかない。謎の内容ではなく、謎を問いかける存在そのものこそが謎。スフィンクスの異国的な姿かたちとあひまつて、謎はひとを魅了する。現存するエジプトのスフィンクス像のその先にある謎。
カンタヴィルの幽霊は、喜劇的な物語の中に、皮肉と哀愁、そして浄化を含んでをり、単なるコメディではない、印象的な物語。劇で上演されたならかなり舞台映えする作品だと思ふ。
また、ワイルドにゆかりの深いエイダ・レヴァーソンの作品の中でも、ワイルドの裁判関係の出来事の回想録は、ジッドの描くワイルドとは異なる、ワイルド像が垣間見られた。良くも悪くも、ワイルドの大きな転換点となつた。夫人との関係や彼の行動、友人の視点である以上、同情のまなざしが含まれてゐないといふことはあり得ないが、それでも彼は彼なりのやり方で生き抜いてゐたことを感じさせられた。
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好きな短編小説の類。詩も入っていて、詩とかはよく分からないけど一応読んでみて、やっぱりよく分からない。海外の短編はサキとかカポーティとかフィッツジェラルドとかヘミングウェイとかO・ヘンリーとかロアウド・ダールとかマーク・トウェインとか好き。これもちゃんと偏りがあるのだろうと思う。
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ワイルドの小説はワイルドらしい道徳的説話集になりそうでならないところをうまく語る短編になっている。「カンタヴィルの幽霊」については、一般的に幽霊より人間の方が強く人間が脅かされるだけだが、この幽霊はかなり弱い。この着眼点は面白い。「スフィンクス」は流麗な詩といったところ。このような詩も書けることがワイルドの教養の深さでもあると思う。
後半のエイダ・レヴァーソンはなかなか辛かった。ワイルドの友人・同時代人ということで「回想」では同時代人ならではの事象に言及されているが、個人的にはそこまで興味が持てず、私自身がそこまで細かい話に興味がないということなんだと思う。
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アーサー・サヴィル卿の犯罪、カンタヴィルの幽霊、そのほか二つの短編も楽しめた。だけど、、、スフィンクスと絡めてエイダ・レヴァーソンの短編と回顧録を入れる必要があったのだろうか…