紙の本
リーダーシップ論を横溢するリーダーシップ論
2016/01/31 16:56
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投稿者:kentaro - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、タイトルが示している通り、「いつかリーダーになる」者たちへ、真摯に宛てられた本である。
とはいえ先に述べておくと、この表題は「いつかリーダーとして(会社やチームを率いて)活躍し続ける」者たちのみに宛てた本、というわけでもない。いかなる意味においてか。
チームとは、単に優れたリーダーがいればそれで事足りるわけではなく、同時に望ましいフォロワーのあり方も求められるものである。これは既に一般的にも認知されつつある事実だろう。リーダーシップとフォロワーシップの両立である。本書がもう一歩踏み込むのは、このフォロワーシップがリーダーシップの裏返しであり、リーダーシップの理解に基づいたフォローイングもまた、リーダーとしての経験から養われる、と述べている点である。
その意味で、誰しもがリーダーを経験することを求められており、それにより、その後自身がフォロワーとなろうとも、より良いチームが醸成されていくといえる。
もう一点付言するなら、リーダーシップに限ることなく、今後リーダーとしての経験を積んでいくために、本書は細かいスキルや(社会)起業のノウハウについても、具体的かつ平易な仕方で多くの知見が集約され、ブラッシュアップされたものである。筆者自身が社会問題という領域の第一人者として事業を興し、また同様に活躍する他の起業家を見てきた中での学生へのアドバイスは、説得的かつ即効的なものであり、(社会)起業を目指す者が最初に体得すべき技術が必要十分に凝縮されたものである。
第一部では、チームが効率的に機能するための基礎的なノウハウが、筆者の経験も交えて平易にまとめられている。こうした情報が、単に抽象論の羅列ではなく、学生でもわかるレベルの具体性や例を伴って書かれている点は、講義録であるところの本書の利点であろう。
第二部では、具体的な起業論が、主に東大生のチームによるプレゼンをフィードバックするなかで展開される。第二部の特徴は、まずこの東大生のグループワークの成果が簡素で抽象的なビジネスプランではなく、資金の調達からヒアリング及びマーケット分析、中長期戦略まで含めた非常に具体的なものだということである。
これにより、実際の起業プロセスで求められるものが、かなり具体的なレベルで提示されるとともに、そこで必要とされるノウハウも読者は理解することができる。
また、筆者が鍛えた東大生のビジネスプランはいずれも独創的であり、読んでいて飽きも来ない。加えて、それらに対する同級生および筆者のフィードバックは、起業に求められる具体的な水準を知っておくためにも、非常に参考になる。
最後に、本書が「いつかリーダーになる」者たち以外に、誰に役立つものであるのか、という点を付言する。まず、大学でチーム論を指導する者にとっては、本書は必携のものとなるだろう。学生のいかなる経験と興味に訴えて、目指すべきチーム像を理解してもらうのか。その際いかなる知見を提供すべきか。多くの点で参考になることだろう。
また、個人にせよ会社にせよ、新しい事業を興そうという者には、そもそものチーム作りから事業の組み立て方、更には体外的なアピールの仕方に至るまで本書が一つの理想形を提示しているといえる。特に、最後の「体外的なアピールの仕方」は最も重要なポイントといえるかもしれない。CSRからCSVへ、という昨今の流れと、社会的な事業領域への注目が増すなかで、社会を語るなかでいかに自らの事業を語るか、という能力が極めて重要なものとなりつつあるからである。
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自分の友人が講師をしている東大の授業を書籍化したものになり、授業の流れで記載されているため、非常に読みやすかったです。
プレゼン、ブレスト、ディスカッション、ファシリテーション、ビジネスプランなどに関して記載されていて、若手の企画職系の方にオススメいたします。
もう少し若いときに読みたかったという印象です。
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これは良書。ボリュームもちょうどよく、テンポも良い。まるで授業を受けているようにスイスイ理解できる。学生だけでなく指導者、支援者にも参考になる知識が満載。「伝わるは3段階」「相手が頷きやすいような問いかけ」「避難所のマッサージ師のエピソード」「ブレスト&マッピング」「差別化は新しい知識の創造で」「ファシリテーターの4要素」「正しい課題設定、正しい問い」「競合優位性の3要素」「質問の質を高める」
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リーダーには4種類ある。条件によってどのリーダーが良いのかは変わる。
結論を出すなら選択肢を用意する
グルーピングする時に新しい視点ができるように
役割を与えてあげる、しゃべることを正当化できると喋りやすい。
実際に動いているのかどうかを調べるべき。
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リーダーシップの種類、ファシリテーターの役割またブレストのコツなど基本的なところを話し口調でわかりやすくまとめられていた。
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人前で読むにはちょっと躊躇しちゃいそうなタイトだが、そろそろそんな事を気にする歳でもなくなってるので堂々と読了。
ワークショップとかブレストとか、なんかつまんない〜こんなもんなのか?と思っていたのだが、ちゃんとルールを守れてなかっただけ!ということがこの本を読んでやっと分かった。みんなは分かってんのかな?あたしだけがぐるぐるしてたとこはあるのかもだが。
タイトルは「いつかリーダーになる〜」だが、組織がうまくいくにはリーダーシップを踏まえた上でのフォロワーシップが大事だということもきちんと押さえられている。リーダーシップの形はひとつじゃないから(ここでは4つのパターンがあげられている)自分でリーダーなんて無理!って思ってる人も何かの形でリーダーとしての経験を持つことで、最強のフォロワーなれるよ、というアドバイスもいいな、と思う。
『クリエイティブ・マインドセット』のIDEOの、まずプロトタイプを作ってみよう、といった動き方もかみ砕いて分かりやすく伝えられていて、こういう授業を受けた若もん今後に期待したいー!と思ったのだった。
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ライトニングトークとか身近な話題もありつつ、貧困支援型シェアハウス、東大女子アイドルデビュー、野菜を食べてポイントをためる、などソーシャルビジネスのアイデアの切り口が面白かったー。
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前半、チームビルディングの基本は、それなりに整理されていた、リーダーの資質、アイスブレイク、ブレストの仕方など参考になった。後半半分は実際の議論だが、あまりなかみはなく???な感じ。最近こういう見出しだけで期待させる本が多い。少しガッカリ
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若い社会起業家が大学でやってる講義の本で、プレゼンなどの伝える力やディスカッション、ブレスト、ファシリテーションといったことや、実際に社会起業プランを学生に作らせたりといったこと。
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社会問題の本かとおもいきや、ディスカッションのやり方や進め方を実際の講義を例に説明する本。
タイトルどおり、ターゲットが若手なのでおっさんにはあまり得る物はないかな~と思ったが、ビジネス化に向けた観点や課題の指摘は面白かった。
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実際の講義の様子が感じられて良かった。前半と後半でテーマが大きく分かれていて、後半にはあまり目新しく感じるところがなかった。前半はチームで仕事をする社会人にも知っておいて欲しいことがたくさんある。
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東大在学時に社会問題を解決するために設立したリディラバの代表である安部敏樹氏が東大生を相手にチームビルディングと課題設定能力の講義を収めた一冊。
世界で活躍するリーダーを育てるためのチーム作りや考え方などを著者が行う講義を通して本書で学ぶことが出来ました。
また、プレゼン、ディスカッション、ブレインストーミング、ファシリテーターなどのポイントになる部分を第一部の講義を通して学ぶことができ、非常に勉強になりました。
そして、第二部では社会問題を通してビジネスプランの策定や食、ジェンダー、貧困、農業という社会問題について学生の発表が掲載されていて発想のヒントを具体的に掴むことができました。
自分たちの生活の身近にある社会問題に関心があってもその解決のための行動や考え方を本書での講義を通して学ぶことができ、非常に貴重な体験ができるだけでなく、社会を変えるために課題を見つけ、それを実現していくためのノウハウを学べたと感じた一冊でした。
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東大ゼミの講義、グループワークのやりとりが書かれていて分かりやすい。
特に収穫は、
自分が出来てなくても批判する
伝えるの3段階
かな。
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・阿部さんが主催する無料オンラインセミナーに参加したことをきっかけに、阿部さんのことをもっと知りたくなって手に取った
・「未来を開発するために今できること」という以前読んだ本にすごく似ている。チームビルディングについてわかりやすく書いてある印象で読みやすかった。書いてあることを実践していくために、何をしていこうか。
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息子のために今読んでます(笑)
「リーンによるプランの改善」
これはよく分かりました。
仮説検証でいきなり大金をかけて事業実施しても外れる可能性が高くて。
それよりも「プロトタイプ」や「ABテスト」を繰り返していく方が費用対効果が高いと言うことです。
例えばWEBの広告を数種類作って反応の高いネタに絞り込んでいくとお金もかけずにターゲッティングができます。
これってすごいことですよね。
Facebookに広告出すとか考えたこともなかったです。
事業計画のところのシングルマザー支援のところは共感しました。
「高等職業訓練促進給付金」に着目してくれたのは嬉しいですね。
僕が20年ほど前に母子福祉担当してた頃に導入された事業なんですよ。
僕やったら
空いてる民泊に住居を確保して
勉強スペースを確保して
ファミサポを何時から何時まで確保して
この辺りを一世帯ごとにコーディネートしながら勉強のモチベーションを上げる工夫をしますね。
それこそもう少し
リーンマネジメント
したら事業化できそうな気がします。
誰かやりますか(笑)