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▼あらすじ
伯爵家の次男である佐樹は、大富豪の桜田との見合いを親に画策される。
成り上がりの男のもとに嫁ぎたくない佐樹は家出するが、何者かに捕らわれる。
さらに競売にかけられ不遜だが抗えない魅力を持つ眼帯の男に買われてしまう。
眼帯の男は堂上と名乗り、佐樹をすぐ抱くかと思えば言葉で嬲り、そっけない態度で翻弄する。
そして佐樹を淫らに喘がせるのだった。
佐樹は気丈にふるまいながらも、いつしか彼の熱情を秘めた瞳に囚われていき…?
***
商業BLで眼帯キャラというのはなかなか見かけないので、気になって購入してみました。まず、読んで吃驚したのが時代設定。
伯爵だなんて書いてあるものだから、てっきり明治とか昭和とかその辺の古い時代の話なのかと思いきや、まさかの21世紀末…!
現代から更に歴史が進んで華族制度が復活した未来の話で、やれ伯爵だ華族だ政略結婚だと古めかしい単語が出て来るのに対してインターネットや自動運転システムが搭載された車、果ては人間そっくりなアンドロイドの家政婦なんてものまで普通に出て来たりと、旧時代と新時代がごっちゃになっていて読んでいて凄く不思議な気持ちになりました。何だろ、このチグハグな感じ…(笑)
しかも、当たり前のように宇宙にまで行ってるし…!
これには心底吃驚しました(笑)
こんなにSFちっくな話だったなんて本を開くまで夢にも思ってませんでした。
色々と衝撃的で、ある意味楽しめはしたのですが(笑)
とりあえず、読み終わって一番最初に思った事は、遠回り過ぎる!ですかね…。
堂上の正体は、恐らく誰もが途中で感付くと思うのですが、正体を隠していた理由を聞いても、正直あまりピンと来なかったです。
佐樹に先入観無しで見てもらう為に、第三者の振りをして会うというのはまぁ、理解出来なくもないのですが、それにしたってあそこまで引っ張る必要あったかなぁ…と思うんですよね。
佐樹の告白を聞いてまで尚、騙す必要ってあります?
既に両想いになってるって分かってるのに、何であんなに回りくどくて意地悪な事をしたのか私には理解出来ません。
素直になれない性格だったとしても、ちょっとやり過ぎな気が…。
あ、でも正体を隠した上での暗闇えっちは愛に溢れてて正直、萌えました。
流石に正体を明かさないまま最後までするとは思いませんでしたが…(笑)
あと、地味に眼帯をしている理由が気になっていたのですが、結局ただの変装道具というオチに拍子抜けしてしまいました(笑)
てっきり、何か深い訳があると思ったのに何だそれっていう…。
そもそも眼帯だけで変装になるのかっていう。まぁ、格好良いけど(笑)
…とまぁ、他にもちょいちょい引っ掛かるところはあったのですが、最後はハッピーエンドですし、アンドロイドの描写などは読んでいてワクワクしたので、終わり良ければ全て良しという事で…。
イラストも綺麗ですし、そこそこ楽しめたので、評価は★4つです。