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現代の日本の法律に疑問を投げかける脳死の話。普通であれば、誰しも脳死を受け入れるものであるが、それをせずに3年少し少女が生きながられた?という話。最初の伏線が最後にこうなるのか!とは思わなかった。
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「この世には狂ってでも守らなきゃいけないものがある。そして子供のために狂えるのは母親だけなの」号泣でした。
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東野圭吾さんの新刊のテーマは重い。ずばり言ってしまうと、「脳死」である。考えたくはないが、子を持つ親なら、いつこのような決断を迫られるかわからない。そのとき、自分は、妻は、どう振る舞うだろう。
障害者の介助・支援技術を研究しているハリマテクスの社長・播磨和昌と、別居中の妻・薫子は、娘の瑞穂のお受験講座に来ていた。そこに、瑞穂がプールで溺れたという連絡が入る。慌てて病院に着くと、医師は冷徹に告げた…。
臓器移植法の改正により、日本でも子どもからの臓器提供・移植が可能になった。しかし、簡単に脳死を受け入れられないのが親心。そもそも、脳死判定は、親が子の臓器提供に同意し、初めて行われる。提供を拒否すれば、形式上は脳死ではないことになる。
妻に負い目もある和昌は、ハリマテクスの技術や人脈を尽くし、薫子が瑞穂を在宅介護できるよう協力する。専任の社員までつけた。現在の介助技術が、どこまで進んでいるのか知らないが、ここまでするのは果たして正しいのか?
周囲の反応にナーバスになりつつも、正しい道と信じて突き進む薫子には、鬼気迫るものがある。そんな薫子に惹かれ、知らず知らずのうちに優越感に浸る、ハリマテクス社員の星野。そもそも環境を整えたのは和昌だが、もはや彼には手出しできない…。
いつまでもこんなことは続けられない。どう決着するのか。終盤が近づき、帯に書かれた問いかけの意味に、納得した。おそらく、今の日本に、明快に答えられる法曹関係者は1人もいまい。ある少女の勇気ある告白で、あまりにも酷な真相が明らかになる。彼女には、重荷を背負うことなく生きてほしい。
重いテーマを扱ったにも関わらず、読後感はいい。読んでよかった。同時に、本作はすべての子を持つ親に訴えるだろう。臓器移植を待つとは、誰かの脳死を待つことでもある。提供する側とされる側、双方の心情の複雑さに、思いを馳せずにはいられない。
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社会派推理小説を発表し続ける東野さんお久しぶりの、
子供の脳死と臓器移植、そして、家族の再生を描いた、
ミステリー要素を廃した、質の高ぃ社会派小説でした。
脳死は、
日本では、まだまだ受け入れ難い側面も多く、
それが、我が子のこととなれば尚更でもあり、
加えて、臓器移植ともなれば、抵抗は大きく、
社会派小説としても、重いテーマとなります。
そこは、東野さん。斬新なネタを盛り込んで、
単に、ハートウォーミングな家族小説に陥ることなく、
また、ひたすら重い雰囲気に陥ることもなく、
難しいテーマを描き切ってはおりましたが…、
やはり、模範解答を示すことはできなかったですね…。
本作品では、“意識”のない状態としての脳死に加え、
“意思”のない状態、といぅものにまで踏み込んでの、
個人の尊厳にまで踏み込んだ人間の生死を捉えており、
一方で、日本における臓器移植の、仕組み的な課題を、
自然に盛り込んで問題提起できている点は、秀抜です。
本作品は、テーマこそ重く難しいものではありますが、
残された母親と父親、そして弟の崩れゆくバランスと、
その先の再生を描いた、温かく優しい家族小説でした。
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東野圭吾の新作。今年2冊目の書き下ろしで凄く
楽しみにしていた本だったのだが・・・。
・・・メチャクチャ重い。
単純に重い、というだけならこれまでも「手紙」や「殺人の門」、
「さまよう刃」などいくらでもあったのだが、そんな物語でも
どこかで納得出来る部分があった。しかしこの作品は重い上に
あまりに救いが無さ過ぎる。いつもの東野作品とは明らかに
毛色が違うので、ファンの人も読む前に若干覚悟しといた方が
良いかも。
水難事故で脳に大きな障害を負い、いわゆる植物状態となった娘。
そういう場面に遭遇した時に、両親はどういう気持ちでどういう
行動を取るのか?、が描かれる。
境界線が曖昧な「脳死」とその扱いについての矛盾点を考えさせ
られる話ではあるが、この作品内の両親、特に母親の行動に全く
共感出来ない。読んでいてイライラするし、ラスト周辺の取って
付けたような決着の付け方も妙に腑に落ちない。
もし自分が植物人間になってしまったとして、更に意識がちゃん
とあったとしたら、と考えると、この人たちの取った行動は正直
迷惑である、とハッキリ言っておく。
子どもの居ない僕には、こう言う時の親の気持ちなんてもちろん
解らないのだけど・・・。
かなりの問題作。
決してスッキリ出来る話では無い、と思うなぁ、さすがに。
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主人公の娘が水難事故により植物状態になる。
一度は臓器移植を決断するが、脳死判定の直前に身体反応があり、自宅での介護を決断。
「脳死」という、人の手によって死を判断するシステムの法的矛盾に対する問いかけに考えさせられる。
母親の子供に対する愛は強い。
全般的には暗い内容で、精神状態が健康な時に読むことをおススメ。
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途中、星野とのラブロマンスが展開されたらどうしよう…と心配になったが杞憂に終わった。想定範囲内のオチになったが、読後感も良く、各登場人物のキャラ分けも良かった。
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東野圭吾作品にしては珍しく、ミステリーものではなかったことに多少驚いた
プールの事故で失った娘の命。
心臓は動いていても、脳波はなし。
しかも、脳死判定は臓器移植を受け入れた時に行われると知った。
脳死であろうと言われる娘を手にかけることは、果たして殺人になりえるのであろうか?
殺人として扱われるのであれば、娘は生きていることになる。
難しい問題である。
日本における臓器移植法に鋭くメスをいれた社会派小説に 考えさせられるものがあった。
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脳死…
昨日まで元気に過ごしていた娘がプールの事故で脳死状態に…
一度は脳死判定を受けて臓器提供もする意思を固めるも、娘のわずかな手の動きに心が揺れ、経過観察の後に自宅介護に踏みきる薫子。
経済力があり、時間があり…奇跡を信じたい親心はよくわかる。同時に脳死状態の娘を機械仕掛けで動かすことに拒否反応を示す人々にも共感する。
いまお腹ですくすくと育っている命が、無事に産まれてきてくれること、将来こんな目に遭わないことをただ願うばかり。
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心のどこかでミステリー要素を期待しつつも、脳死という重いテーマに一石を投じようと書かれた小説に、ミステリー要素はいらないだろうなーと思いながら読んだ。誰があの娘を殺すのか?警察を呼んで、この娘を殺したら自分は逮捕されるのか?と迫った場面に、東野圭吾の明晰さを感じた。母親を、ギリギリ綱渡りの精神状態で描いた技術はさすがです。子供を持つ親としては本当にやり切れない気持ちになる。どこかであの子の完治を望んでいた。心臓が動いていることを生きているというのなら、あの子は今もどこかで生きている、というラストが素晴らしい。白黒つけない死の定義がここでいきてくるのかと。ただ、こういう作品は、海堂尊には及ばないかなー。
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最初はいまいちかなーと思ったものの、だんだんハマりました。あの終わり方が、東野圭吾っぽい。好きな終わり方でした。
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久しぶりに東野圭吾さん読みました。
やっぱりこの人の作品は読みやすい。
題材が重かった為、エピローグまでは☆3.5くらいでした。臓器移植、募金活動の所は本当に考えさせられます。
とにかくエピローグが良かったです。
素敵な終わり方でした。
久しぶりに読書を始めた一冊目がこの本で良かったなぁと感じました。
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脳死と臓器移植。それを取り巻く、家族たちの葛藤。死ぬと言うことの定義を考えてしまう。
脳死を受け入れられない親の気持ちも分かるし、臓器移植を待っている親の切ない気持ちも分かる。どちらが悪くて、どちらが正しいなんて言うのは誰にも分からないのだろう。
やっぱり切ないお話でした。
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薫子のサイコパスぷりをもっと期待していたのだが、そうでもなかった。テーマがテーマなだけに、いろいろ配慮したのか? 面白くなかったわけじゃないが、期待はずれ。
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娘が、事故に遭い脳死になった。家族は、どう対応していくのか。
私の家族も事故に遭い、人工呼吸器を外した。家族は、もしかしたら、あのまま様子を見ていたら意識が戻ってきたのではないかと、今でも考えることがある。
従姉妹のせいで、事故にあった。それは、死ぬまでひきづっていくだろう。決してスッキリすることはないだろう。
当事者の自己満足。しかし、それを他人に押し付けてはいけない。
エピローグには、感心させられた。