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なかなか面白かった。
神道、という概念が、一体どういうものなのか、正解が示されているわけではないけれど、著者の考える神道像が提示されて、これまで気を付けてこなかったことに注意を払うきっかけになってくれそう。
160913
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【目次】
第1章 「ない宗教」としての神道
第2章 もともとは神殿などなかった
第3章 岩と火 原初の信仰対象と閉じられた空間
第4章 日本の神道は創造神のない宗教である
第5章 神社建築はいつからあるのか
第6章 「ない宗教」神道と「ある宗教」仏教との共存
第7章 人を神として祀る神道
第8章 神道とイスラム教の意外な共通性
第9章 神主は、要らない
第10章 神道は変化のない宗教である
第11章 遷宮に見られる変化しないことの難しさ
第12章 救いのない宗教
第13章 「ない宗教」ゆえの自由
第14章 浄土としての神社空間
第15章 仏教からの脱却をめざした神道理論
第16章 神道は宗教にあらず
第17章 「ない宗教」から「ある宗教」への転換
第18章 「ない宗教」の戦後史と現在
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神道というものは聞いたことあるけど、よくわからないという感じでしたが、この本では神道の考え方や歴史などに触れているため、わかりやすかったです。
日本人として知っておいた方がいい、一つの内容かもしれないです。
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神道に教え、開祖、教義、救済がないのは、固定の神ではなく、八百万の神を称える民俗信仰が発端だから。神社は空間など存在しないものも祭る例が多々ある。
手続きとしての教えしかない神道は、仏教と併合し、天皇による政としての位置づけで存在し、浸透してきた。
それが、明治維新による王政復古で、国教的な位置づけとして分離し、第二次大戦以降は政教分離の中でもともと薄かった宗教色をより失いながら、「神道は宗教にあらず」として現在も残っている。
仏教が死後を視点にあるべき姿を諭しているが、神道は生きている現在を諭す。(五穀豊穣など)
概ね上記のようなことが書かれている。具体的な神社の紹介、歴史的な動向も書かれてはいるが、「・・・かもしれない」といった表現もあり、論文としても少し弱い。
何となく肌に感じている程度のことにちょっと味付けがされた程度の結論で、神道に対する新たな発見に乏しく、物足りなかった。
「日本人は、~神道や仏教徒は日常的なかかわりをもっている。にもかかわらず、自分たちを無宗教と考えるのは、神道と仏教が異なる宗教として分けられてしまったから~どちらか一つを選ぶわけにはいかない。~無宗教を選択せざるを得なかったのである。」