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平易で簡潔な本だったので一日で一気に読んだ。企業経営上、大変参考になるというか、つくづく冷や汗の出る本だった。まだ進行中の事態なので詳細な記述は避けるが、とにかく、1、経営は絶頂期のときに綻びが埋め込まれたり生じたりするので絶頂期の時にこそ経営全般の点検をすべし。2、1つの事業に過度に利益を寄せない、過剰に投資をしない。出来る限り事業の柱を複数本化させる。財政の健全を保つ。3、実り多くしてますます頭を垂れる稲穂になる。奢らない。という3点が企業や事業の大崩壊を防ぐ方法かなと深く思いました。他山の石としたい。「創業者の精神は語り付けても受け継げない」これも覚えておきたい。
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タイトル通り、シャープが買収されるまでのいきさつをまとめた本。日経新聞のシャープ関連の記事を時系列にまとめて、そこに記者の主観を入れて解説しているような感じを受けた。シャープがここまで不振に陥った原因を分かり易くまとめている感じ。
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大企業病といえるのか、サラリーマン社長の長老支配の典型的な崩壊パターンですなぁ。本当に日本のいわゆる大企業は、大丈夫なんだろうか?
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全体としてまとまりのない本。時系列の中で事実の前後関係が行ったり来たりしていて非常にわかりにくい。わかりにくいながらもシャープが如何にして崩壊に向かったかについては良くわかった。
しかし、最新のホンハイによる買収の経緯について詳細に触れられていないのは不満だ。この本が発売された2016年2月と言う時期を考えるとこの買収の経緯についてもぜひ織り込んで欲しかったところである。文庫落ちする場合に完全版として出版されそうな気がする。
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テレビドラマの原作本かと思うくらいいろいろな出来事があって、関係者としてはその当時の自分のことを思い返しながら、とても興味深く読めた。
企業を生かすも殺すも人次第なんだなと改めて感じた。
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シャープと言えば、シャープペンシルを発明いた会社として有名かと思いますが、液晶事業が大当たりして「液晶のシャープ」と言われるようになるまではソニーやパナソニックの後塵を拝する1.5流の家電メーカーというのがボクの印象です。
しかしながら、液晶テレビ以外にも、電卓(1964年)、オーブンレンジなど世界初の製品を世に送り出してきた企業だったりしています。米電気電子学会(IEEE)から技術分野の歴史的な業績をたたえる「IEEEマイルストーン」に電卓、太陽電池、14インチ液晶モニターの3つの製品が選ばれていて、この賞を3度も受賞するのは日本企業として初めての快挙だそうです。
シャープは、世間(ていうかボク)のブランドイメージとは裏腹に、技術力、研究開発力を元来備えていた会社だったようです(液晶ビューカム(1992年)やヘルシオといったヒットもとばしてるし)。
さらに財務基盤も盤石でした(過去形だけど)。シャープの財務体質は、第二次世界大戦後の一時期を除けば健全で、無借金経営が続いていて、90年代前半の自己資本比率はおよそ50%。財務指標は極めて優良です。
それでは、技術もあり財務基盤も盤石なシャープの凋落を招いたのは何だったのかっていうことですが、それはシャープのブランド力を世に周知させた液晶事業への過剰投資が発端でした。町田社長(4代目社長)時代の亀山工場への投資もかなり大きな投資でしたが、片山社長(5代目社長)時代の堺工場への超巨額投資の失敗、その後の社内の権力抗争とそれに伴う戦略なき経営によって、シャープは抜き差しならない状態に陥っていきます。
具体的には2009年に堺工場が稼働するも、地デジ特需の終焉と円高が相まって、2011年には液晶事業の収益が悪化し、2012年には巨額の赤字を計上して経営陣は引責辞任。リーダーシップのない軽い御輿を社長を祀り上げ、院政の覇権を争う内向きの権力闘争に夢中になり、危機を脱する為の貴重な時間を無駄に浪費してしまいました。
正直アホ過ぎます。国策による地デジ特需は利益の先喰いだってことはまともな知能がれば誰だってすぐ分かるのに、液晶パネル(テレビ)に集中投資してしまった愚は弁解のしようがないと思います(「液晶の次も液晶です」とか言ってたし)。あっ、ちなみに日本からのテレビの輸出は1985年以降は微々たるものだったようです。
ついでに地デジ特需の折、パネル受給が逼迫するなかで、自社製テレビへの供給を優先し、外販に回すパネルの量を制限してソニーや東芝を激怒させたという、どこの途上国よという感じの振る舞いにはあきれて何も言えません。取引先より会社の都合を優先し、商談中でも上司から呼び出しがあると席を立つのも半ば常識というエキセントリックな社風で、下請け企業に対しては執拗に部品の値下げを迫り、横柄な態度で接するシャープの悪評は、地元の関西地域ではよく知られていたそうで、取引先を「おまえ」呼ばわりし、怒鳴り散らすのは当たり前という「下請けいじめ」の常連だったようです(下請法に抵触しないのか?)。これが一部上場企業のすることかと思うとガッカリです(なので、経営危機に陥っても内資系企業はどこも助けてくれなかった)。
こんなあきれた社風を改善す���ためか、高橋社長(7代目社長)は社長就任早々に過去の権力者達と決別し、権力を社長に集中させて、ホンダのワイガヤを模倣しり、「さん」付け運動等を実施して企業風土改革をはかりました(このご時世で「さん」付け運動始めるとか、どんだけ社内風土が周回遅れしてるんだよって思います)。しかしながら、業績がちょっと回復すると危機感が喪失してちょっと調子に乗ってしまいます。で、結局、再び赤字に転落し、挙げ句の果てには自己資本比率は10%を下回り、有利子負債は1兆円規模になってしまいます。で、従業員を人切りし、業績悪化の責任は仲の良くないボードメンバーに押しつけ、自身とそのお仲間(仲良し3人組)はちゃっかり残留します、メインバンクの傀儡として(まぁ、企業風土改革って一番難しいよね。一朝一夕できるわけがない)。
ついでにこの高橋社長が面白いのは、3千人超の希望退職者が会社を去った翌日に「人が重要だ」という内容の社長訓辞を出す正に目の付けどころが斜め上なセンスです。
創業者の早川徳次は社員を家族のように大切にしたと言い、「和は力なり、共に信じて結束を」を地でいく経営をしてきたようですが、現経営陣は部下や一般社員に詰め腹を切らせ、自身は銀行の言いなりになり保身に汲々としているようにしか見えません。一番無能なのは、破綻必死の状況になるまで無策であったトップ・マネジメントだというのに。
さて、ここまでシャープの転落ぶりをなぞってきて何か思い出しませんか?
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず。ただ春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
平家物語の冒頭にそっくりじゃね?
ってオレは力強く思いました。
シャープと言えば、「目の付けどころが、シャープでしょ。」のスローガンが長らく使われてきましたが(2010年から「目指してる、未来がちがう。」に変わったけど)、ネットの世界では「目の付けどころが斜め上」などと揶揄されたりしています。だって、
デジタル複合機用プラズマクラスターイオン発生装置とか
「ともだち家電」シリーズとか
健康コックピットとか
極めつけは、ロボット型スマートフォン「RoBoHon」とか
誰がターゲットだよ?
って思いません?
シャープは、
経営危機によって独創的な家電商品を生み出す余裕が現場から消えた。
消費者ニーズを最優先して商品を開発するという良さがなくなった。
自由闊達さがなくなった。
なんて言われているようですが、斜め上ばかり見ているようでは経営再建は夢のまた夢でしょう。
結局はあだ花だった液晶事業のかりそめの成功に浮かれ、
傲慢で不遜になり、
身の丈に合わない金の使い方をして、
失敗すると社内抗争に明け暮れて、
責任は部下にとらせ、
今までのツケが回ってきて、誰も助けてくれないとか
シャープの凋落は必然だったんじゃね?って思います。最終赤字が2500億になって債務超過になりそうだとか報道されてるけど、自業自得感でいっぱいです。
それでは最後にシャープの最も痛々しい話を一つ。
シャープのナンバー2のの長谷川祥典専務(コンシューマーエレクトロニクスカンパニー社長)は、シーテック(映像、情報、通信の国際展示会)でスティーブ•ジョブズのone more thingを真似してモバイル型ロボット電話RoBoHon(ロボホン)のプレゼンをしたそうです。実際見た訳じゃないけど、どんだけ罰ゲームなんだよって思いました。痛々し過ぎますよ。そもそも誰得なの?誰が欲しいの?税込みで20万超えてるんですけど。
ドリフのいかりや長介ばりに
ダメだこりゃ
そう思いました。
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未だに危機から脱しきれない株式会社シャープ。複数回のリストラ、本社売却、鴻海との提携を経たものの、明るい兆しは少しも見えない。ロボホンなんぞ作っとる場合か。
ここまで悪化する事態が長引いている理由は本書を読んでよくわかった。ズバリ、シャープには創業一族を除いて、まともな経営トップが現れていない。リーダー不在、そのことに尽きる。
「液晶のシャープ」と呼ばれた全盛期からすでにその徴候はあった。社長、副社長、前社長の3人が思い思いに経営し、投資する。それは3本の首からビームを出す怪獣キングギドラに例えられた。彼らキングギドラが互いに疲れて、退くも、その後はビームを出す能力すらないワンポイント社長が1年間在籍。そして、現在の社長、高橋興三。今のところの彼の業績は自分の仲良しグループだけを残し、役員から一般社員まで幅広くクビを切ったことだけだ。
崩壊するのも当然という現在進行中の組織を、責任者をはっきりと名指しで、記した取材録。著者が「日本経済新聞社」だからこそ書けた暴露本だ。
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こんなん書いてええんかー、って内容多数。
信憑性不明。
・シャープとサムソンが結んだ資本提携の内容に複写機事業売却に関する優先交渉権の件が。。。
・2013年大型増資(新株発行)は東京オリンピックの神風によるもの。東京オリンピック開催決定による株式相場の上昇が無ければ銀行が首を縦に振らなかった。へー。
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液晶などで業界で確固たる地位を手にしたSHARPの凋落や迷走を多数の関係者の取材で明らかにした一冊。
本書を読んで、SHARPの内情を深く知ることが出来ました。
シャープペンシル電卓、太陽電池、液晶モニターなど大衆の生活に変革をもたらす開発を行い、液晶モニターやカメラ付き携帯などその後も色々な商品を生み出した同社が液晶事業の成功による慢心、不毛な権力闘争、キングギドラ経営、サムスンと鴻海との関係など人間や他社との関係で堕ちていく様には色々と考えさせられるものがありました。
また、創業者の早川徳二氏の模倣される商品を作って次の製品にすぐ取りかかる精神や7代目高橋社長のJALを再建した稲盛さんの信奉など人となりの感じられるエピソードも多く書かれており、そのなかでも日本電産に転職した5代目社長の片山氏のエピソードが非常に印象に残りました。
強気な姿勢の経営が様々なところに波及して、現在があるということも本書で知ることができました。
戦後復興のなかでの情熱から創業した家電企業が一定の普及をしていくなかで、いかに存続していくことが難しいことであるかということや創業者の情熱を伝承していくことの難しさも感じました。
本書を読んで失った信頼が多く、一筋縄ではいきそうにない印象を感じましたが、鴻海傘下となり同社の今後が非常に気になります。
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液晶パネルの大規模な外販にビジネスモデルを変えた時に、自社の需要を優先し、外部への供給責任を果たさなかったことが、業界での信用を失わせた。下請けへの対応等もあり、国内の同業者からの救いの手が差し出される事はなかった。事業戦略の失敗き加えて、会社としての品格が問われたのだと思う。
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ホンハイ出資前のH28年2月に出された本。
社長がこんなに血縁関係多い人がいたことに少し驚いた。
太陽電池事業の赤字の要因が、割高なシリコンの長期調達契約ということに驚いた、いくらシリコン不足だったとはいえ、ヘッジ率を抑えなかったのか?と思う(結果論かもしれませんが)
しかもトップが赤字事業の要因をつかめてないなんて…。
読んでいると、ガバナンスの問題も大きかったように思います。
あと、調子が良かった時代は、天理の研究所が頑張ったことが書かれており、女性が3割在籍、男女徹底平等、机も手裏剣状に配置など、コミュを促す仕組みあり。
シャープペンシル、電卓、両開き冷蔵庫、オーブンレンジ、液晶ビューカム
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流石日経新聞というべき、骨太のシャープ崩壊のドキュメント。
メーカーの立場から言わさせていただければ、液晶やプラズマなどのパネル投資をSamsungを引き合いに煽った新聞が何を批評するか?と思わんでも無いですし、為替は読めんよなーとも思うけど、プラズマで死んだパナソニックが復活している以上、シャープの経営に瑕疵があったのも確かなのでせふ。
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ロボホン発売のころまで
経産省主導かホンハイ(シャープ内には抵抗感)か
後者の方が銀行には有利そう。
※本書には出てこないが、結果的には後者に
小さくても潤沢な資金を持つ優良企業だった
亀山、堺と液晶へ巨大設備投資を断行、裏目に出る
太陽電池も駄目
沈むタイタニックの中で椅子取りゲーム
三洋に似てきた自社製品購入お願い
リストラにつぐリストラ
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液晶と太陽光の二大巨大投資で一気に傾いたシャープの凋落劇、直近の10年を描いたノンフィクション。個人的にはサムスンとの複合機事業売却のエピソードが面白かった。
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シャープの権力闘争によりシャープの会社が傾く話。
結果論から人の悪い面を書き連ねて、なるべくして会社が傾いたなと思え、第3者が見たときに面白い読み物だと思う。
末端社員としてはこの話がどれほど本当かわからないが、読んだからと言って何か教訓があるわけでもない。
内容があまり気持ちがよくないので、★2.