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<目次>
第2部 日本を支配する「歴史の呪縛」
第7章 経済と金融
第8章 ビジネス
第9章 社会的・文化的変容
第10章 政治
第11章 日本と世界
<内容>
筑波大のマーフィー教授の日本論下巻。現在の日本は、第二次世界大戦前に戻りつつあるという。それはあほな首相の妄想のためではなく、官僚が主導する「アメリカ従属国家」をさらに推し進めるため、だという。アメリカは日本を「お友達」としてそれを認めるのではなく、対中国の捨て鉢として、役に立つから利用しているに過ぎない、という。日本は明治政府を作った政治家たちが死んだ後、残念ながらきちんとした政治家が生まれず(田中角栄はやや評価が高いが)、官僚が自分たちに都合よく動く政治家を利用し、裏から国民を動かして、あほな陸軍も動かして行った結果が、アジア太平洋戦争なのだという。訳者の言うとおり、著者の分析は結構なところで腑に落ちる。やや陰謀論的な書き方もあるが(というか、そんなこと知らない、というのが私の正直な気持ち)、瑕疵にしかならない気がする。日本の将来は暗いが、東アジア諸国を敵にして、大立ち回りをしないように、何とか頑張っていきたいものだ。