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短い本なのに、5人(かな?)の少女の生き様が描かれていて凝縮されている一冊。
それぞれ方向性が違う強さを持っていて、強い人間とは何なのか、ということを訴えかけてくるよう。
余談ですが、女性向けの小説となると男性側はこういう面子になるんですね!
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人食い3部作から読み始めたので、全く毛色の違ったお話でまず驚きました。それでもやはり、この方の作品はどこかしら欠陥を持った少女たちが逞しく生きる姿を美しく描いていてとても読んでいて勇気をもらいます。今回特に素敵だなと思ったのが、サーカスの役職にそれぞれ有名な作家の名前が肩書きとしてつくとろです。サン・テグジュペリは私も大好きで、そのせいもあって読み始めたのですが、ブランコ乗りと飛行士であった彼の名前とがこのようにリンクするとは思っていませんでした。歌姫についても然り。私はまだカフカやチャペックの作品を知らないので、読んでみてから改めてこの作品を読み直したいと思いました。紅玉さんの知識の深さと、それを開けっぴろげにせず登場人物の背景に持ってくる書き方にとても好感を覚えるステキな作品です。
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とてもよかったなー。
通勤電車の中で読んでたけど、駅に到着して歩き出すといつも頭の中で毛皮のマリーズの星の王子様が流れたなー。
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このサイトで見つけて本屋さんに注文して買った本。
素晴らしい物語だった。
面白くてスラスラ読めた。
少女たちの花のように咲く一瞬の儚さと美しさ。
完璧でも完全でもなく不完全でありなさい、グッと心にきた。
一時の夢をみせてくれる、そんな物語。
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少女四人の視点で、柔らかく、淡々と静かに語られるそのくせ、中身は最初から最後まで苛烈で荒々しい物語だった。こうありたい、という心情のための生き方は、高飛車なんて言葉では生温く、傲慢と呼ぶのが正しい。この人の書く話はいつも凄い勢いを感じて、息を詰めるように読んでしまう。たかだか文庫本一冊の人生が、流星が駆け抜けるが如く、燃え上がって走り去って行く、それが、激しすぎて、びっくりするほど怖い。アンデルセンが好きだなぁと思ったのだけれど、やっぱりサン=テグジュペリの激情が一番圧倒されるかな。
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紅玉いづきの描く女性像がよく出ている小説。
どんなにか弱くてもどんなに年若くても、どこかにしなやかな強さがある女性。今回の小説は「少女サーカス」をテーマに上げているが、少女から女性になる彼女らは変化と苦悩と、あの年頃特有の自信があって美しいのだと思い知らされる。「少女」に「美しい」はおかしく感じるが、紅玉いづきの文体で描かれる身体・精神状態のバランスが悪い彼女らは、「不自由」という言葉がぴったりだった。
読み終わる直前、冒頭から引っ張られている事柄に終止符が打たれるが、そのあんまりに歪で強い結末に、首の辺りから総毛立つように感じた。