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面白かった。
手短に説明すると、正義感の強い警察官が汚職にまみれる話。よくある話のようにも聞こえるが、本作の凄さは堕ちていくプロセスが丁寧に描かれていることと、その心理変化に説得力があることだ。
警察も民間企業と同じで、評価のためには成果が必要。本書の著者の成果とは、拳銃の検挙数だったのだ。評価期間内に都合よく犯罪が起きるわけではない。しかし評価期間は決まっている。どうしても評価を上げたければどうするのか。
その結果が本書の物語である。
上層部の設定した無茶なKPIを達成するために疲弊する現場。まさに民間企業で見る風景だ。警察が違うのは、そのKPIが犯罪者に依存している点であろう。
本書を読んだ後、ストーカー対策の杜撰さについて見え方が変わった。おそらく評価点数にならないのだろう。