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「被害者女児死亡」という大誤報を打ち、飛ばされた3人の記者。その七年後、児童連続誘拐事件が発生、関口豪太郎はかつての事件との関連性を疑っていた。
著者はもと新聞社勤務、中央と地方局の争い、特に警察との駆け引きが面白かった。
(図書館)
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2018/1/26
「被害女児遺体発見」誤報を打った新聞記者がまた似た事件に遭遇する
事件よりも新聞社の軋轢中心。
事件は面白かったし、被害女児への書き方もよかった。
だけど登場人物、各視点、名前やあだ名が多すぎて混乱。
映像にすると分かりやすくて良いかも。
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元新聞記者の小説家といえば何と言っても横山秀夫さんですね。経験に裏打ちされた重厚でリアルな作品群はエンターテイメント性も忘れず、人間ドラマと社会性もふんだんに盛り込まれていて、現役最強と言っても良いのではないかと思っています。問題が有るのはなかなか作品が出ないということぐらいでしょうか。
で、この本城雅人さんという方、今回直木賞ノミネートだから読んだわけでは無いのですが、横山さんを彷彿とさせる固さと人間ドラマを感じています。いい意味で肩に力が入っていて好感を持ちました。記者としての矜持を反映させたのだと思います。
事件としての捜査や解決としてのドラマという点では警察ではないのでメインではないと思います。あくまで新聞記者としての生きざまが主役です。捜査そのものに記者がタッチしすぎるとリアリティが無くなるので、これくらい記者魂の部分をクローズアップしてくれて僕としては満足でした。
続編あるか!?あると嬉しいですね。
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現場の緊迫感がひしひしと伝わり、目が離せない展開で一気に読んだ。記者の誇り、刑事の誇り、自身の出世。それぞれの思惑がぶつかる、まさに心理戦。
最後、3人の想いを感じて泣きそうになった。
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「夜討ち朝駆け」という言葉は知ってたけど、記者経験のある作者が書く新聞業界は本当に厳しい世界だ。言葉に命を懸ける。読後、見出しやレイアウトにまで興味がわいた。新聞購読者は減少してるけど、私は新聞が好きだ。
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7年前に、勇み足で誘拐被害者を「死亡」と書いてしまい、それぞれ責任をとった中央新聞の4人。埼玉での連続少女連れ去り事件に、7年前の犯人の姿を見る。しかし、その主犯とされた男は、すでに死刑が執行されているのだが…。
作者の詳細は知らないんだけど、新聞社の内情などが生々しく描かれている辺り、新聞関係者だったのであろう。そこがメインでもあり、本作の面白さでも有る。
癖の強いさいたま支局の関口と、関口を目の敵にしている本社の人間たちだが、関口の説得力の有る取材に、次々と折れていく辺りは爽快である。
前半では、会話と説明の順序がまちまちだったりと、読むペースが乱される部分があるものの、中盤に差し掛かるとそれも気にならない筆致で、グイグイと引き込まれていく。誘拐犯を追うという動機と行動が、これ以上ないほどシンプルでわかりやすい。前半での読書時の違和感は、その辺りが1本に絞られているかどうかがわからない点にあろう。
情景描写などには欠けるが、さいたま市、久喜市、綾瀬市など、しっかりした実在の土地と距離感などが考慮されている辺りも、リアリティの演出にうまく働いていると感じる。
でまあ、難点といえば特に前半の「連れ去り未遂」にこだわる記者陣ではあるが、実際には未遂くらいではそんなに動かんだろうし、他の事件が平行に動いていても良かったのではないか。その辺りは少々都合がよく進みすぎたのではないか。
誘拐の動機なども、それほど重要ではなかったのかもしれないが、記者陣に都合が良すぎるのではないかと感じるので、☆1個減らす。宮部みゆきなどを好む人は、まず間違いなく楽しめるであろう。
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野球小説で鉄板の本城氏の著作の中でも、傑出した作品。新聞記者の実態がわかり、あっと言う間に読み終えた。面白かった、個人的には傑作。
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事件に対して刑事が主人公のものはよく読んだ。これは新聞記者が主人公。
なるほど彼らは、事件とどう向き合っているのか、だけじゃなく、警察とどう鎬を削っているのか、他社と仲間とやりあっているのか、その感じが出ていて面白い。
事実はひとつ、表現法は無数、表現するためのパワーバランスはシーソーみたいにカオス。