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社会人になった平成元年から読み続けている日下氏による最新本(2016.3.27現在)です。2年程前から「日本の時代がやってきた」と、彼の著作で解説されていますが、この本には「本格的に」というフレーズが入っています。
一般の報道を見ていると、日本の前途にも数多くの問題があるようですが、他の国との比較では良いということなのでしょう。この本にはそれらが書かれています。
日本に住んで日本円で給料をもらっている私にとっては、日本が元気で、この本にあるように「日本の時代」であるという内容には元気づけられます。
以下は気になったポイントです。
・国内問題を抱えていないのは日本だけ、他の国はみな国家が崩壊しかねないほどの深刻な国内問題を抱えている(p21)
・欧州諸国は、いろいろな形で埋蔵金を持っている、持っているから彼らは真面目に働こうとしない、そこが問題点である(p25)
・なぜギリシアに欧州諸国が心優しいかというと、ギリシアは欧州文明の発祥の地だから、無下にはできない(p26)
・戦前から日本は明るかったし、戦後の復興を成し遂げたのは民間である。通産省・農林省の力ではない(p30)
・アメリカと日本がくっついているだけで、ソ連や中国にとっては嫌がる行為であり、意味のあることである(p32)
・中東地域は「部族」で動いている、サウジアラビアは部族の親分が10人くらいいて、彼らで物事を決めている(p39)
・アメリカ貿易統計で、350億ドル勘定が合わないことがあった、それは武器輸出だと言われたが、そう書けないので「誤差脱漏」とした(p40)
・富裕層が集まるのは、ビジネスとしてつくられているニュータウン、誰に売るかが、まずクラブに入会できるかでコントロールされている。アメリカの中にまた別のアメリカが作られていて、いまでは2000箇所もあるらしい(p43)
・アメリカでは予算がなく、各州を抑え込めなくなり、各州の分裂は進む。州の内部でも人種間の分裂が起こっている(p47)
・インチキな商品を作って大儲けをしたが、今は、学資ローンで同じことを始めている。学資ローンを最優先で返済させる法律を作った(p51)
・当時は原爆投下で一般庶民が大量に殺されても「残虐だ」という意見は軍部では殆ど出ていなかった。というのは、日本も原爆の研究をしていたから。開発競争に負けてしまったという声の方が多かった(p76)
・追い出されたユダヤ人は最初はイスタンブール、次はフランス、そして、オランダに集まったが、そこも出ていけと言われて、ロンドンに集まった(p88)
・江戸時代には「国学」により、日本古来の新道の精神を教えていた。その前の時代には、「漢学=中国の儒教」があった。その前の時代には、「仏教」が伝わってきて、仏教の教えが広がった(p108)
・連邦の軍隊は議会に帰属していて、上院議員100人が掌握している。最高司令官は大統領だが、軍隊の所有は議会である(p111)
・第一次世界大戦後、敗戦国ドイツの領土分割に対して、日本は委任統治という制度をつくった。このときに受け取ったのは、パラオ・トラック・サイパンの南洋諸島である(p135)
・アメリカでも裁判の和解率が高まってきた、物事を白黒つけるのではなく、はっきりさせない日本的な形のほうが真実に近い(p143)
・欧州には野球は普及しなかった、欧州では貴族と下層だけの階級社会で、中流層の庶民がいない。(p183)
2016年3月27日作成
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ご無沙汰しておりました。
本日の書評は、私が(勝手に)師と仰ぐ、日下公人先生の新著「こうして「日本の時代」が本格的に始まった」です。
先生のソフト化経済センター時代のご著書に比べて、最近のは日本賛歌の書籍が多いです。日下先生は残念ながら、もうお歳。まるで「日本国への最後のご奉公」といわんばかりです。
そんな日下先生が「なぜ、日本が素晴らしいのか?」という問いに、実証的な例を多数挙げて答えています。
それではコピペにならないように、かいつまんで紹介。
日下先生がサラリーマン時代(日本長期信用銀行)、アメリカで日常会話を英語で話すと、ビックリされたそうだ。そのくらい、アメリカ人は「日本人は英語が出来ない」と思っているのだ。
そんな日本国の首相(我らが安倍晋三総理)が、アメリカの議会で理念を英語で長時間スピーチしたものだったから、何度もスタンディング・オベーションが起こったのである。
マスコミは騒がなかったが、これはアメリカ人にとっては「目に鱗」だった模様。
私もアメリカの移民会社に若い女の子と喋ったとき「あなたはグレイトだわ、だってあなたは英語を喋れるのに、私は日本語を喋れないもの」と、こんな感じなのである。
まず日下先生、現在の国際情勢を分析する。まずアメリカ。人種問題等が手に負えない。オバマ大統領も「アメリカは世界の警察官は止める」と宣言した。次、中国。統計は嘘だらけ。経済は破綻寸前。中東ではサウジアラビアとイランの衝突。北朝鮮は「水爆(と称するものの)の実験」ヨーロッパ諸国も経済問題や移民問題が山積。ドイツが支えているが、ヨーロッパは静かに沈んでいる。
2007年のドイツのハイリゲンタム・サミットでメルケル首相は安倍総理に「中国をオブザーバーとして入れていいか?」と尋ねたところ、安倍総理は「中国は入れてはいけません。理由はこれこれです」と、中国がいくつもの約束を守っていないことや、嘘ばかり言っていることを挙げている。
そのあとメルケル首相は、中国に飛んで「申し訳ない」と謝りに行った。この時、安倍総理に意見を求めている。総理はその時、メルケル首相に「行っていいのは北京だけです。南京の抗日記念館だけはいかないで下さいね」と念を押している。メルケル首相は承諾したようだ。
このように、日本には小さな問題は多々あるものの、上記のような各国にある巨大な問題を抱えていないので、近年のサミットで安倍総理にプレゼンス(存在感)が高まっている。
そんな日下先生、諸外国に赴くことが多いんだそうだが、中国でもロシアでもとにかく「日本はアメリカとくっついているから嫌だ」という声が多いそうだ。
そして日下先生はこう諭す。「世界はみんな腹黒い」ということである。これは世界史を知っている方なら周知の事実だろう。
最後に日本の良さを一点あげて、このブログを終わりにする。
日下先生、中国人の留学生と交友関係があったとのこと。そして彼は「どうして日本人はこんなに私に親切か分からない」��言っていた。
彼は賢いから、「教授が教えている本を図書館で見ました。英語で書かれているから、よほど早く分かりました」という始末。
そんな賢い彼も「日本がなぜ私に親切か」という答えが見つからない。日本人に聞いても、みんなニコニコするだけで、答えてくれなかった。
その留学生が「十年たって、やっと分かりました」と言ってきたので、理由を聞くと「日本人は何も考えていないことが分かりました」というのである。
そこで日下先生「よく分かったなあ(笑)。偉いなあ。日本で言えば剣術の極意とか禅の悟りと一緒なんだよ。考えて親切にしているんじゃないんだよ」
彼に「日本人は昔中国で悪いことをしたから、そのお返しだよ」という人もいたが。彼が「でも、それは国家レベルの事で、あなたには関係ありませんよね」というと、その日本人はそれ以上答えられなかったという。
それで、中国人の彼は「すっきりしました。これでアメリカに行きます」と言ったそうだ。
日下先生曰く、日本人は他人に親切にすることは当たり前のことである。それがアメリカ人であろうが中国人であろうが。
とにかく恩を感じたら恩返しする。それが日本人である。
この本で日下先生が言いたいことを強引に一言でまとめると、それが日本の強みであり、世界を征服する原動力になるというのだ。
日本が好きな方、ぜひ日下先生のご著書に触れて欲しい。
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2016/12/25:読了
同じ時期に読んだ2冊が似ていた。
-日下公人
こうして、2016年、「日本の時代」が本格的に始まった!
-長谷川慶太郎の
2017年世界の真実
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日下公人 著「こうして、2016年、日本の時代が本格的に始まった!」、2016.2発行です。私としては、日本はとてもいい国で大好きですが、著者が説かれてる「日本の時代の始まり」や「世界の日本化」などはあまり感じていません。どうなんでしょうかw。ただ、次のことは同感です。日本は、国家、軍隊(自衛隊)、政治、裁判所、警察、税務署、医療、教育、金融など殆どのビッグシステムが信用されている唯一の国。アメリカは軍隊だけが国民から信用され、中国は現金、株、党だけ。ただ、日本も信用が消滅しそうなものも増えてるので(新聞、テレビ、不祥事続きの大企業、裁判官、役人など)奮起を願いたいです。日本人とはと問われて、本居宣長は「敷島の大和心を人問はば 朝日に匂ふ山桜花」と答えましたね!