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この人、面白すぎ!
頭の中どうなっているんだろ。
大型犬2頭と猫6匹が共存できる間取りってそれだけでも難しそうなのに…
・人と寝食を共にしたい居場所がない二頭の大型犬の痛苦。
・人を怖がる猫六頭の住む茶室・物置小屋、連絡通路の傷みによる逃亡と倒壊の懸念。
・細長いダイニングキッチンで食事をする苦しみと悲しみ。
・ダイニングキッチンの寒さ及び暗さによる絶望と虚無
これらの不具合を解消するためのリフォームの解説がいちいちおかしい。声を出して笑ったよ。
電車では読めない本。
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自宅をリフォームする話ですが、リフォームを請け負う人々は、営業と職人含めて多数に渡るうえ、しかも、得意とする範囲は極めて少ない工程であり、入れ代わり立ち代わり、タイプの異なる職人が登場することに困惑する家主でありました。また、間取りや素材選びなどで何度も選択を迫られる機会に見舞われ悩み抜く家主でもあり、仕上がるまで大変な苦しみが伴う物語でした。
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布袋に殴られて千葉で被害届を出して知った人だが,パンクバンドが結構人気で,2000年には芥川賞を受けているんだね~2006年リフォームして住み始めた傾斜地に建つ家に不都合が生じ,2008年に8月に歳リフォームを思い立つ。工務店は地元のみなみの工務店。南の茶室をリビングダイニングと一緒にし,そうすると南北に細長くなるから,東西に延びている廊下を潰し,真ん中に位置する台所を北側に移し,元の仕切りがあった勝手口の壁を利用して格子戸を付ける。更に南の庭に20畳大のウッドテラス,リビングダイニングには温水床暖とトップライトと南の大きな掃き出し窓。ガス床暖房はランニングコストが高く,洗面台を高くしてくれと云ったら,胸の高さになってしまった。かくして永久リフォーム論へ~奥付がなくて吃驚した。2016年3月10日初版…1500円。結婚しているらしいが,公になっていない。ガス床暖房はランニングコストが高く,洗面台を高くしてくれと云ったら,胸の高さになってしまった
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破壊があってこその創造。破壊を恐れていては新しいものを生み出すことはできない。町田邸のリフォームを通して、氏の心の爆発が軽やかに描かれている。男なのに平日はブラジャーをつけ休日はキャミソールを身につけるような懊悩と煩悶を抱えながらも着実にリフォームは進んでいく。但し、その裏にはたくさんのあきらめと妥協がある。人生の一端を垣間見る。爆発のシーンには拍手喝采もしたり。
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町田さんは、リフォームとはなんぞや?を考え抜き、定義する。マーチダ家がどれだけへんてこな間取りで、様々な不具合があるか伝えるために、図面や写真はいらない。独特の文体、作家の想像力は、町田家におけるリフォームの必要性、その、段取りに始まるひとつひとつの細やかな作業の大変さを容赦なく読者に見せつける。
それにしても町田邸はなぜ次から次へとおかしなことになってしまうのか?はたしてうまくいくのか?テリブルテリブル‥なのである。
暴走する思い込み。おもしろかった!犬猫出演は若干ひかえめ。
写真多めの実録版も楽しみにしています。
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リフォームやったことある人なら、そうそうそう、そう!って声が出ちゃうと思うんですよ。
業者さんとの交渉とか、お茶出しの問題とか、私のことかと思うようなリアル感があって、一気読み。
不具合を「あきらめるのか、戦うのか、受け入れるのか」。「家には夜おそく帰って寝るだけ」の人なら、ここまでする意味はわからないかもしれない。うちは一室を仕事場にしていて、圧倒的に長い時間を過ごすから、「住」を素敵にしたら生活全般が底上げされる感じ、わかるわぁ。
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人と寝食を共にしたい居場所がない二頭の大型犬の痛苦。
人を怖がる猫六頭の住む茶室・物置小屋、連絡通路の痛みによる逃亡と倒壊の懸念。
細長いダイニングキッチンで食事をする苦しみと悲しみ。
ダイニングキッチンの寒さ及び暗さによる絶望と虚無。
……これらの問題を解消すべく行われたリフォームの記録。
なのですが、冒頭で仮に語られた岡崎氏の雨戸のリフォームの件やら、工務店選びの件やら、なかなか愉快。
ところどころ文学的にすぎてよくわからず、呆然とするうちにページを繰ってしまっていた、というところもあったものの、面白かったので良し。
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例の町田節で書かれた自宅のリフォーム体験記。
現実のお話だから、いつもように突拍子もないストーリーではありません。
ラストはどんなふうに終わるのだろうと思っていたら、
やはり突拍子あり。
ふーん、そこに繋がるか。おほほ。
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好き過ぎる。
リフォームは考えた事がないけれど、
実用書と言っても良いくらい自分にとっては細やかで、リフォームに対する心構えが出来た。
そして大変具合が良いのが、言葉の面白み。
音もリズムも好き過ぎる。
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本作を他人に説明するのが難しく、くだりらしいくだりもないので、例えば断熱材を入れようとしたけど、業者がやってくれないかもしれん、といった逡巡をしている、と話したところで、これに嫌悪感を示す人と、強烈な興味をそそられる人に二分されるのではないかと確信しています。意図したかどうかわかりませんが、他人からの評価を拒絶したのか、物語の必要性を問うているような感じになっていて、それでもちゃんと強烈なオチを作るところが町田康の特徴の一つですね。LPでいえば現代音楽的な繰り返しが30分続いたあと、2曲目がわずか1分だけどメロディアスになる、という具合いですね。
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いやーほんま町田さんサイコー。
ただリフォームするだけの話がここまで語りで面白くなるなんて。そしてなぜ岡崎さんを撃つ?わけわからんでおもしろいわー。
担当者やら職人さんやら、いろーんな人がリフォームにはやってくるなあ。
お茶菓子の話が面白かった。
ここは結構現実味ある。
永久リフォーム理論、分かるわあ。
まだ手ーつけてないけど、陥りそうでこわいわあ。
とりあえず、夢幻で心をごまかしとこう。
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町田氏自身のリフォームを記したエッセイ。いくつかの雑誌に掲載したものをまとめたらしい。
ビフォーアフター的な図面があれば、一目瞭然なんだろうけど、文章で書くと大変。読む方も大変。雑誌だと「続く」みたいに一息つけるけど、一冊にまとまるとなんだかすごかった。
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衝撃的な本だった。
リフォーム関係を生業にしている知人が多い。リフォームの悲喜交々は知っているつもりではあった。
だが、この人ほどに強烈に施主としての悩み・弱さ、それでいて内なる攻撃性を持っている人はいないのではないか。
いや、多分いる。みんな表現が違うだけなのだ。あるものはブログに悪口を書いて憂さを晴らし、あるものはカネ返せとごねたりするのだろう。彼の場合は本になってしまった。
「床板の下にバイブを巡らせ、そのなかに湯を循環させて床を暖める」っておい、パイプだろ! わざとか? 誤字か?(ほかにも誤字があったから、誤字かなあ)
さて、その床暖房。
「自分が快適で、まるでハライソにいるようだ、と思うくらいにガス温水式床暖房を作動させた場合、ガス料金がまるでインヘルノのようなことになるからである。」
温水式床暖房はランニングコストが高い、ということを言っているのだが、ハライソとインヘルノである。この後も数行にわたっておかしな喩えが続く。
ビニールクロスのこと。
「普請に凝る人の間では非常に評判が悪く、ビニールクロスなど貼るやつは人間の屑だ、とまで言われている。」屑か知らないが、たしかに普請に凝る人は使わない。どうビニールクロスが迫害されているかを数ページに渡り説く。だが、それでいて著者はビニールクロスを選んだ。安いから。
リフォームというのは不具合の解消が目的であり、それがもともとどんな目的だったのか、と考えないと、永久リフォーム論につながってしまう。
もともとは犬や猫のためのスペースづくりや、キッチンのプランと寒さ、暗さの解消が目的だった。だから、そこはもうビニールクロスでいいや、と選んだ。
曰く「つまり私は安さに負けた、言い換えれば貧しさに負けた、ということで、一部の富裕層は美しい左官仕上げの壁面の部屋で薄目を開けて極上のスコッチウイスキーを舐め、シガーをくゆらせて交響曲を…」と、また続いていく。
見積もりの話。
たとえばきつねうどんの見積もり、という話が出てくる。
うどんにかこつけながら、見積書の見積金額はまったくあてにならない、と説く。なぜならそれは、予算から逆算したフィクションであると。
『いまこの瞬間も、地球上のどこかで、「うわあ、なんだこりゃあ」とリフォーム業者が叫んでいるに違いないのである。』という一文に大いに同意するとともに、これを読んだリフォーム業者もまた、同じ言葉を発するのではないかなあ、と思った。
これからリフォームをするが、悩んだり考えこんだりしたい、という酔狂な人にはぜひおすすめしたい。リフォームと関係なく遠巻きに、野次馬的に読めるなら、それが一番シアワセかもしれない。