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アイデアを考えるときは、目的、必要条件を決めてから。
マーケティングをやるには、自分がユーザーとしてやってみること。
外から積極的にアイデアを盗むこと。
数学的フレームワークとは、aとbを60:40でaになければbをcとd30:10に分けてcを掘るようなアプローチ。
ビジネスで成功するには、外部が変わらないときにより良い成果を出すために、違うことをやるか同じことを違うようにやるかの二つしかない。
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"2010年以前、来場客の右肩下がりが続いていたUSJを立て直したCMO森岡氏の著書。
限られた資源、予算の中からどうアイディアを出していくか、ビジョン達成に向けてのステップ開拓方法などが書かれている本。
ちょうど2013年だったか2014年だったか、ハリーポッターのアトラクションが出来る数日前にUSJに行ったので、そこそこタイムリーな話題でスラスラ読めた。
※OPENしたら混むだろうと予想して日程を組んだら、なんと限定公開の日だったようで待ち時間なしにライドを楽しめたのは良い思い出(若干の自慢)
なにか特別な思考法、フレームワーク、というよりは、一つの再建物語として読むと面白いかと。
※マーケターとしての考え方は非常にタメになり、後半のフレームワークも面白いので勉強にもなるが
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◆中小企業が勝ち続けるには”攻め続ける”しかない
=日本人がリスクを恐れて変化をためらうのは何故か?
⇒”その必要性”を感じていないから、ではないか
エンターテイメント業界は「娯楽」=「不景気になると真っ先に削られる費用」
【3段ロケット構想】
ホップステップジャンプの要領で、最終的にビジョン達成をしていく
実際にUSJでは以下の施策を行なった
1)ファミリー顧客の取り込み
=テーマパークのボリュームゾーンでありながら、”映画”に振り切っていたUSJは弱かった
2)関西依存の集客構造からの脱却
3)会社のノウハウを複数の箇所に展開
◆差別化という名の誤ったこだわり
本からの理論が先行するマーケターは、やれ差別化・差別化というが、実際はそうではない
ディズニーランドとは""3万円の川""(交通費)が流れている
この川を渡って来園する顧客は全体の1割程度=TDLとの差別化を図る必要がない
敢えてニッチ戦略を取って、本来の目的を忘れてしまうのが愚の骨頂である
⇒結果、USJは”映画だけの”テーマパークを辞めた(※”映画中心”のスタンスに)
◆マーケティングをやる人間は、まずなんでもやってみる
なぜなら、”消費者目線”を軸にしないとアイディアも戦略も焦点がズレるから
森岡さんは実際にパークを歩いたり、
モンハンに没頭したり…etcからアイディアを出している
◆ユニバーサル・ワンダーランドの工夫
世界観のターゲットを子供・母親に定めた
※前述の通り、弱点だったファミリー層をターゲット/身長制限で乗れない子供・付き添う母親を取り込むアトラクション作り
・わくわくするような建物のデザインを「ライドに乗った子供の目線」で作った
・ライドのデザインは「母親が求める可愛さ」を再現(フェラーリの塗装工場で透明感のある塗装に)
◆リノベーション、というマーケティング技法
リノベーション(改造)は、新しいものを生み出すイノベーション(革新)とは違い、
既存の物を新しく生まれ変わらせるべく手を加えて改造・改築すること
この戦略で生まれたのが【スパイダーマン4K3D】と【ハリウッド・ザ・ドリーム~バックドロップ~】
リノベーションの【成功のカギ】は、
変化の度合いはリノベーションなのだが、いかに新築だと思ってもらえるか
スパイダーマンでは、TVCMで「今までのものと全く違う」という認知形成を行なった
=実感するポイントを事前に誘導することで、体験価値の違いを知覚させた
◆アイディアの神様を呼ぶ方法
最初に最も大切なことはフレームワークでポイントを絞ること
(※アイディアが満たすべき必要条件が明確になる)
・戦略的フレームワーク
・数学的フレームワーク
・マーケティングフレームワーク
戦略的フレームワーク
【目的】⇒【戦略(必要条件)】⇒【戦術(アイディアそのもの)】の順番で考えていく
ex)
目的:彼女と仲直りをする
戦略:彼女の好きなもので歓心をかう
戦術:好きなアーティストのチケットをあげる
ex)
目的:安定的な1,000万人レベルの年間集客の達成
戦略:小さな子供連れファミリーを獲得する
戦術:新ファミリー・エリア「ユニバーサル・ワンダーランド」の建設
数学的フレームワーク
足して100になる仮説を立てて検証していく
ダメな例)
ファミリー層の集客が下がっているのか?あるいは女性客の集客が下がっているのか?
⇒重なる層が現れると「非効率」が発生、""単身の男性客""の見落としは「宝を見失う」可能性
良い例)
・男性の集客が下がっているのか?女性の集客が下がっているのか?
・11歳以下の子供の集客が下がっているのか?12歳以上の子供の集客が下がっているのか?
・ファミリー層の集客が下がっているのか?それ以外の集客が下がっているのか?
足して100になる仮説・検証を繰り返すことで確実に宝を掘り出せる
◆日ごろからストックを蓄える
”気づかないことは考えられない”
例えばエンターテイメント業界であれば、テーマパーク以外にもアニメ・漫画・ゲーム?映画館?本?釣り?キャンプ?スポーツ観戦?…etc、様々な分野が顧客を取る可能性がある
=アンテナを常に張っておくことで、”引き出し”の多い人間に"
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始めから著者の熱が強く感じられるほどこの仕事に対する情熱、危機感がヒシヒシと伝わって来た。
読み続けていくとテーマパーク自体が好きなのもあり、何とか成功したい気持ちとお客さんに楽しんでもらいたい気持ちの両方が分かってくる。一方で従業員に対しては自分の体験や考えを通じて皆んなを鼓舞する情景が浮かんできた。
アイデアを実際の企画まで持っていき計画を押し進めて行くが、本当に綱渡り状態だけれども自分を信じて諦めない気持ちは見習わなきゃいけない点。
その中で特に個人的に有益だと思ったのが、何か事を起こすための考え方のフレームワークが文書の中ほどに書かれている。それは、とても分かりやすく今後の仕事に役立てたいと思った。
流れとしては「戦略的フレームワーク(課題解決)」の落とし込み。「リアプライ(どこからかアイデアを探す)」「ストック(情報の蓄積の解放)」「コミットメント(やり切る力)」「エキセキューション(戦略的詰め)」。
これらが一つになって始めてコトがなせるのかもしれない。
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執念、を感じる一冊。
省略されている 頑張り にも底知れぬ行間を感じました。
当たり前とも思える基本動作と、エクセキューションまでの徹底が、成功を生む確率を押し上げているというところを確かめるため、久々にUSJに遊びに行きたくなりました。
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ジリ貧だったUSJを起死回生させたマーケター森岡氏。なにしろマーケターという言葉すら知らなかった私は、利益云々とは対極にありそうな仕事をしているものですから、ビジネスの話に疎いのです。しかしこういった話が常にそうであるように、何もビジネスだけに限った話ではありません。変化を起こさないのは無難。でもときには変化を起こす必要性がある。こだわりを持つのは悪いことではないけれど、こだわるポイントをまちがえていないか。人にあれこれ言う前にまずは自分自身でやってみろ。『夢をかなえるゾウ』と併せて参考にしようかしらん。
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めちゃくちゃ面白かった!!アイデアを生み出す方法って、こんなにも具体的だったんだ!!
もっと外に目を向けて、積極的にアイデアを盗みに行くこと。(リアプライ)
そのために、世界中に広く情報の網を張って外からのアイデアの種を輸入するべく努力すること。
仕入れた情報は、全て自分のアイデアのタネになるストックになること。
日本人はなんでも自分で0から考えようとする悪い癖があること。
価値を生み出すアイデアの切り口は、ほとんどの場合「消費者理解」にあること。
自分で考えた全くの新しいアイデアであるように見えても、それは過去に自分が触れてきた人様のアイデアの「断片」の組み合わせでしかないことが多いこと。
たくさん読み込みたい。
これを、自分の知識としたい。物凄く良い本に出会えた!!
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USJは関西に出来た遊園地みたいな印象を持っていた人が多かった中、今や革新的なイベントにアトラクションにで世界中から人気となっている。
この変革をもたらした張本人が著したもの。主に、着想を得るに当たるタイミングや考えが簡単に書かれている。
考え方を学ぶのもよし、USJがなぜここ数年で変わったかを知るのもよしと様々なことを学べる良書。
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初めてユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ったのは高校の修学旅行だったんですが、その頃はまだハリウッド映画のテーマパークでした。正直あまり楽しめなかったので、関西に引っ越してからも行ってなかったんですが、ここ数年はちょいちょい遊びに行ってます。
昔と今のUSJを比べたら今のUSJの方が俺は好きです。何でもアリな感じですけどね(笑)
2010年6月、CEOグレンガンペル氏によりヘッドハントされた森岡毅さんがUSJに入社します。初年度は年間1100万人を集めていたUSJですが、この頃は700万人台にまで減少していました。
森岡さんは入社直後から経営回復のための大戦略・三段ロケット構想を掲げ、大改革を断行します。「ハリウッド映画にこだわったテーマパーク」から「世界最高のエンターテイメントを集めたテーマパーク」へとブランド戦略を変えていきます。
結果としては見事V字回復し成功といえますが、そこに至るまでに何度もピンチがあったこと、その度に乗り越えていったこと、乗り越えるために考えて考えて考え抜いたことが、この本を読めば分かります。
実際、ここまで考えられる人っているだろうか。考えたとしても行動に移せるだろうか。方向性の間違ったこだわりを正していけるだろうか。強い反発があっても屈せず突き進めるだろうか。と、感心させられると同時に、自分の仕事に対する姿勢ってどうなんだろうと反省させられます。
まるで一つの映画を観ているような物語性のある本でした♪
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・テーマパークは、究極の集客ビジネス。
・価値を生み出すアイデアの切り口は、
消費者理解の中に埋まっている。
・「どんなアイデアを思いつけば良いのか」(必要条件を明確化)
を先に徹底的に考える。
・生き残るためには、攻め続けて勝ち続けないといけない。
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向上心の高さ、改善力の高さを、二冊の本を通して体感させていただきました。
同じ著者の、”USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門を読み、興味を持ったので別の本と思いこれを手に取りました。
結論的には前者の本を読んでいる人にはこの本は不要でしょう。そう言い切れるぐらい、この方の本の書き方が良くなっていて、前者の本を読めば、この本の内容は網羅されています。妥協のなさはマーケティングだけでなく、執筆にまで及んでいることが、目に見えてわかります。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○そもそも、USJとTDR(東京ディズニーリゾート)の間には激しい集客競合がほとんどないのです。その証拠に、この数年間で急激な2桁成長を続けるUSJですが、TDRはその煽りを受けるどころか、ちゃんと集客を伸ばしていますよね?その理由は、東京と大阪の間には、交通費という「3万円の川」が流れているからです。(P.37)
○そして、それより更に大切なのは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンならではの品質の付加価値が乗せられるかどうかです。(P.42)
○「良いアイデア」を出すにあたって、ほとんどの人が実はよく考えていないのが、次の2点です。
①良いアイデアとはどんな条件を満たすアイデアのことか?
②それらの条件を組み合わせて、良いアイデアを探すにあたっての着眼点(釣るポイント)をどこに定めて頭脳をフル回転させるべきなのか?(P.139)
○・疲れ果ててはいないがそれなりに疲れている状態。
・意識ははっきりと広く透明なスッキリした状態。
・考える焦点以外に何にも脳が囚われていない状態。
・極めて冷静で集中できている状態。
そんなときにアイデアは降りてきます。(P.163)
○ある音楽イベントのチケットを売ったときに「わずか数分で完売しました。よかったです!」と大喜びで沸いている部下たちを見て、私は暗澹たる気持ちになったことがあります。私はそのとき、値段のつけ方と売る数量を決定的に間違えたと、自戒と残念な気持ちで一杯だったのですが・・・。(P.218)
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ハリーポッターのアトラクションをUSJに持ってくるという中期目標があったからこそ、そこまでの期間にいかにコストをかけず、売上をあげるための施策を打つかをどう進めたかとどうだったかを記載した本。素晴らしいアイデアが怒涛にあったが、勝率が高く実現性を考慮したものだからこそどれも成功した、とのこと。
何もせずに勝率の高いアイデアは生まれない。重要だと思ったことは、3点。
・誰からメッセージをしかけるか(震災後の施策では、大阪知事から公共性の高いメッセージにした)
・消費者の理解(モンハンやハロウィンイベントは自ら消費者目線に)
・アイデアを盗む(自分のストックが増え、確率も高い。そのままではなくいかに新築と思ってもらえるか)
また、従業員にメールを日々送ることで自分の考えを伝えることも社内雰囲気を良いものにつながるのだろう。
数字的フレームワークはもっと知りたいと思った。
面白かったがサクッと進みすぎたのでもう少し泥臭いことも知りたかった。
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"価値を生み出すアイディアの切り口ら、経験上ほとんどの場合は「消費者理解」の中に埋まっています。"
"私はアイディアを考えるときは、まず目的を徹底的に吟味して定め、その次にアイディアが満たすべき「必要条件」を1番時間をかけて考えます。"
"その必要条件を組み合わせ、より条件を絞り込んで、自分が必死に思いつくべきアイディアの輪郭をできるだけ明確に絞り込んでいきます。具体的なアイディアを考え始めるのは、いつも最後の最後なのです。"
"私はパークで働く全従業員に向けて社内SNSを使って日記を配信しています。…会社が何を考えてどこに進もうとしているのかを組織の隅々まで伝えて、従業員の意識を変えていく目的で10周年記念直後から始めました。"
"ある問題について、地球上で最も必死に考えている人のところに、アイディアの神さまは降りてくる"
"一度腹をくくってからのグレンのリーダーシップは強烈でした。目標から全くブレず、誰よりも意欲的で粘り強く、誰よりも執着して物事を考え、さまざまな困難な条件交渉の先頭に立って会社のために戦う彼の姿を、私は間近に見ることができました。"
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新しい企画・事業を創りたい人に読んでほしい本。また、新規事業のマネジメントを行うマネージャーにもお勧めできる一冊です。
成功には理由がある。その理由を言語化してくれている。
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最近USJに行ったこともあって、どうしても読みたくなった一冊。
10年以上前に自分が訪れたUSJは映画の世界が繰り広げられる特別な空間だった。2018年になって再び来園してみると、子どもの頃とは違う感じ方、大人でもワクワクでき、童心にかえることができる、なんとも言えない興奮があった。
USJの入り口からも見える後ろ向きのジェットコースター、近くでみると恐ろしくてたまらないフライングダイナソー、そして圧倒的クオリティのハリーポッター。
さらには、子どもも楽しめるミニオンズやスヌーピーやエルモの世界。
クルーの人の人間味。これは関西にあるテーマパークなのも関係あり?
USJは確実に進化していた。
そんなUSJが実は自分の知らぬ間に低迷していた時期があった。来客を減らし続けていたUSJをV時回復させ、いまの魅力ある姿を取り戻すために戦ったひとりの人がいた。
それがこの本の著者であり、マーケターの森岡さんだ。
本の中身では、飽くなき探究心と情熱と先を見据えた徹底的な策略が書かれている。
山あり谷ありなストーリーが描かれていて、本当に面白い。
いろんな試行錯誤の末にいまのUSJがあると思うと、なんだか感慨深いものがある。
絶対王者TDRが日本には存在するが、USJも負けたもんじゃない。東と西、日本には世界に誇れるテーマパークがある。
ワクワクという感動を提供するUSJ。
自分も一つの素敵な思い出をもらったひとりだけに、この本にのめり込むことができた。
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USJの再建の立役者森岡毅さんの手法が集められた本。
敷地という限られた場所の中でどのようにお客さんを呼び込むのか、というアイディアは
色々な場面で考え方として、参考になります。
以下抜粋。
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・リノベーション成功の鍵は、変化の度合いはリノベーションなんだけど、以下に新築と思ってもらえるか?というその1点に尽きる。今までのスパイダーマンが4K3Dになりました、と物理的な変化を静かにやっただけでは必ず失敗する。
・多くに人は会社で長く働きすぎです。さっさと早く仕事を切り上げ、自分へのインプットを増やす機会をどれだけ作れるかが、実は重要なキャリアのさを生むことを自覚したほうがいいのです。
・あとで考えると「後ろ向きに走らせるジェットコースター」もそうだったのですが、それまで死ぬような思いで
考えて続けていた努力に照らすと、あまりにも不釣り合いに思えるくらい、実にあっけなくて単純。
でも私含めその瞬間までずっと誰も気づかないものなのです。
ある問題について、地球上でもとも必死に考えている人のところに、アイディアの神様は降りてくるものだと私は思っている。
・つまるところ、外部条件が大きく変わらないときにより良い結果を出すためには
「違うことをやる」
か
「同じことを違うようにやる」の2つしか方法はありません。