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すごく不思議なんですが、読んでいる最中、メモを取る頻度は多かったのにも関わらず、読後、あまり何も残らないという…。
美人は美しいことばを話すものです、皆さんも愛語を積極的に口にしていきましょう!がコンセプトなのかな?と思うのですが、それにしてはとっ散らかった印象の本でした。
後半にいくにつれ実践的になるというか、手紙で使える文章例などがたくさん載っているのですが、この章と他の章との差が激しく、いまいち内容が入りづらかったです。作者の方の持論やちょっとしたアドバイスなども加えられているのですが、あまりにも短過ぎて、なぜその話を今?という感覚に陥ってしまうこともしばしば。
ただ、文体からにじみ出る、穏やかな語り口は心地よかったですし、説教じみた文体ではなく、あくまでも作者自身の体験談をシェアしてくれているという感覚から察するに、この本がなんとなくいまいちな出来になってしまったのは、編集さんの責任なのでは…と思ってしまいました。もしくは、企画自体が、文庫にするには詰め込みすぎだったのか。
どちらにせよ、「美味しい」と有名な食べ物と果物とデザートを詰め込んだお重のように、ひとつひとつの味はしっかりとしているのに、最終的な印象が芳しくないというやや残念な結果に。
作者の他の著書も読んでみたいです。