投稿元:
レビューを見る
20年前から読んでいるベンジャミン氏の最新本です、欧州でテロが起きたり、急に円高になってみたり、普通にニュースを追いかけているだけでは訳がわからないことが多いこの頃です。
事件の羅列だけではなく、それが起きている背景は何なのか、興味を持つようになりましたが、それはニュースや新聞では私を満足させてくれません。
この本は一見すると過激なことが書かれいている様に見えますが、元編集長である彼の綿密な取材のもとに書かれています。詳しくは書かれていませんが、身の危険を感じながらの取材もされている様に思います。そんな彼の渾身の取材の成果を、本を買うだけで得られるなんて、私はなんて恵まれているのだろうと思います。
世の中は、今以前にも増して動いていると思います。大統領選、そして今年行われる衆参同時選挙、数年後の日本に大きな影響をもたらすイベントが今年もありますが、その背景で何が動いているのか、この本を読むことで少し理解できた気になりました。
以下は気になったポイントです。
・オンスーバーレル指数(金1オンス買うのに必要な原油の量)によれば、ドルの価値が崩壊した時に一気に跳ね上がる(p5)
・バルチック海運指数(ばら積み船運賃の国際市況)は、世界で実際に行われている経済活動を示している、この数値が驚くほど下がっている、2008年ころに 10,000だったものが、直近では 400を切る(p6)
・戦後にできた芸能プロダクションは、一つの例外もなく、その母体は米軍キャンプを経由して、その資金とコネクションによって誕生し、芸能界を牛耳っている(p25)
・ジャニーズ本体は、田岡一雄の流れで、神戸山建組の管理、弘道会が管理しているSMAPは独立する。キムタクが通っていた眼科が山建組のフロントであること、キムタクがSMAP移籍を潰した、SMAPの利権を弘道会から山建組に組み替えたのが騒動の真相である(p27)
・北朝鮮の覚醒剤取引に使われている「スーパーK:偽札」は、実はCIAが製造した、高度な偽札である(p33)
・CIAには、国務省および国防総省(ペンタゴン)の二つの命令系統が存在する。戦時中はペンタゴンが諜報活動、平時にはアメリカの外交を司る国務省が管轄する、その両者が2015年夏以降、対立が激しくなってきている(p37)
・アメリカ軍内部に巣くう「米軍SS」を潰す最も簡単な方法は、「ホモの解禁」である、同性愛行為が発覚しても軍をクビにならないので、違法行為に手を染めなくてもよくなる(p46)
・ダンフォード大将を統合参謀本部議長に据えた(海兵隊総司令官を1年で退任させて)のは、ペンタゴンが国務省=ナチス勢力と敵対するようになったことを意味する(p49)
・2010年当時、ポーランド政府はぎりぎりまで「ユーロ導入」を拒んでいた、墜落事故(カチンの森事件の追悼式典に参加の政府要人96人が死亡)が起きた後に、ユーロ導入に舵を切り替えている(p72)
・バビロン時代の労働者たちは、どんなに働いても借金が増え続けた、お金を得るのに「借金」���前提となっていたから(p84)
・1934年アメリカが事実上の破たんを迎えたとき、米連銀は経済再建のために中国を含む複数のアジア王族から金を借りることになった、そのときにアメリカが担保として差し出したのが、アメリカ国民の労働力、1936年アメリカでは子供が生まれると同時に、社会保障番号が発行されるようになる(p85)
・アメリカ政府はドルの発行権を持っていない、ドルをFRBから買わなくてはならない、支払いとして国債を発行して、その国債の額面分と交換する、従ってドル紙幣には、証書=借金札を意味するNoteが記されている(p87)
・2016年1月の中国政府のデータを見ると、中国がドル以外の通貨で行った国際間の貿易額は910億ドル分、中国が放出したドル建て資産は990億ドル、この差額の80億ドルが、金への投資に回されている(p106)
・東南アジアの勢力と中華勢力とが現時点で各々4000トンのゴールドを提供すると約束している(p110)
・アメリカは、イスラム国をジェノサイド集団と認定した以上、イスラム国に関わってきた国(サウジアラビア、トルコ、イスラエル)も対象となる、その連合国は、ロシア・中国・イランとなる(p113)
・2016年2月12日、キューバの首都ハバマでローマ教皇フランシスコと、ロシア正教のキリル総主教が会談した、これは11世紀にキリスト教会が東西に分裂して以来、史上初、これは米ロ軍事同盟に繋がる(p114)
・2015年に発足したAIIBにあれほど世界が注目したのは、次世代の再分配システムの雛形になるから。金融セクターである、スイスやルクセンブルクまで参加したのは、それが理由。アメリカの支配が支配体制が崩れるのを知っていたからアメリカは日本に圧力をかけた(p121)
・GHQは「大麻」を違法ドラッグに指定した、旧日本軍が開発した覚醒剤を「ヒロポン」として薬局で売ることを容認しながら、安全な大麻だけを排除した。簡単に栽培できる「万能薬」(大麻、アヘン、コカ)は全て違法にした(p125)
・ドラッグで危険なのは、化学合成した場合で、覚醒剤・コカイン・ヘロインは非常に危険な薬物となる。自然由来なら、酒やタバコよりもはるかに害は少ない(p127)
・ハザールマフィアの撲滅が加速した2015年以降、アメリカを筆頭に先進国では、大麻の個人所有と使用が、事実上解禁になっている(p128)
・イスラム教が浸透するまで、このエリアには二つの潮流がある、一つはメソポタミア文明を受け継いだペルシア系文化、もう一つが、乾燥地帯の遊牧民が中心となったトルコ系遊牧文化である、旧ペルシア帝国(シーア派)と、旧オスマン帝国(スンニ派)(p159)
・十字軍にとっての聖地奪還がエルサレムとすれば、東方正教会にとっての聖地奪還は、聖ソフィア聖堂のあるイスタンブールである(p165)
・中国が、世界各国にインフラ投資して、LPGが接岸できる港湾の整備、ガス管のインフラを展開したので、その結果、LPGの需要か中進国や途上国でも上がり、原油のライバルとなっていて、原油価格はLPGの価格���影響されるようになった(p168)
2016年5月29日作成