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種差別(スピーシズム)の克服を主張する過激な動物愛護団体DOGによるテロ事件が勃発。使われたのはペット企業の子犬工場で交配により生まれた獣「不良品」達だった…。多くの人が送ってきた人生、そして想い…、閉ざされた施設の中で、あざ笑うかのようにそれらを踏みにじり屠っていく圧倒的な暴力と理不尽な蹂躙が描かれる。スピード感ある展開と迫真の描写に引き込まれるが、テーマは少々現実離れ?
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動物を消費物として扱う。
この世界で暮らしている限りは切っても切り離せない事実。
きっと動物実験を経た薬を飲んでいるし、小型犬が好きなら背景にある奇形種のことなど知らずに飼っているだろう。
死ぬ前のその一瞬で、生き残ったものはそれまでの数時間でどれだけの取捨選択が頭の中に浮かんでいたのか。
登場人物たちの心にも深く切り込んでいて読み進めるほどに心が苦しくなる。
それでも最後に望月栞が選んだのは最大多数の最大幸福かもしれない。
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ECOをテーマにしたイベントに、ペット業界の会社も参加。
その会社が動物に対して(主に犬)利益を優先するために酷い扱いをしているわけで。
そこにDOGという、動物愛護団体が無差別テロのため、凶暴に改良された犬を放って人を襲います。
最後は、ええっ!となりました。もう、驚きです。
ただ、思想が極端なんじゃないかなぁと思いました。
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ものごっつスプラッタだったんだけど、いじめとか動物虐待とかペット問題とか色々と絡まって、ちゃちゃっと読み飛ばしてしまうほど凄惨な描写もあるけど、ついつい先が気になって読んじゃう!みたいな本だった。
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死人多すぎパニック逃走劇。視点変換がくどくハラハラ感半減か。様々なキャラ背景の過去描写がくどすぎずとても上手い。女性描写ホント上手い著者。「○○○を○くせ」が心に残った。
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最大多数の最大幸福の実現のために、種差別を克服するの実現のためには殺人も辞さない…過激動物愛護団体“DOG(ドーン・オブ・ガイヤ)”。彼らの同志は世界各地に存在し、その代表であるカルネ・シンは日本で開催される「海の森クリスマスECOフェスタ」に乗り込んだ…。会場ではペットの販売や譲渡会が行われるはずだったが…その開催セレモニーで参加者達は閉じ込められ、謎の黒い獣に次々と襲われ…逃げ惑う人間を次々に襲う獣たち…参加者たちは生き延びることができるのか、“DOG”は行く末は…。
スゴい、スゴい…なんか、もう息が苦しくなるような展開で、怖すぎてドキドキしすぎて…一気に読み切ることができませんでした。ずっと読み続けているとあまりにも沢山の人が襲われるその描写がリアルすぎて!なんか、葉真中顕さんの作品じゃないみたい…今まで読んできた作品とは全く別物で、怖すぎて映像化は是非とも拒否したい!!
ただ、やっぱり考えさせられる作品で「種差別の克服」…深いなぁ~。ある意味、登場人物も何かしらの社会的な問題というのか、わかりやすいのは自閉症スペクトラムで生きにくさを感じている拓人…それが故にいじめにあうのは、人間社会にだって差別はあるってこと…。広義で考えればこの地球上のすべての生物が、穏やかに共存して生きることのできる世の中…本当に実現可能なのかなぁ~とか、ぐるぐる思いを巡らせることになってしまいました!
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かなり衝撃的で悍ましい場面が続く…ひたすら続いていくのだが、それだけにとても重くて人間がどれほど偉いのか…を痛感させられる。
動物を思いのまま自由に操れるのは人間だからなのかと思うと反論もできない。
真に成すべきはヒトに利用される動物の解放だと言うテロリストのカルネ・シンによる審判。
その方法がまったく異常かと思えるやり方。
カルネ・シンがDOGという組織を率いて種差別をなくすために戦っているとはいえ想像を絶するのだ。
ヒトの手によって未来は変わるのか?
ヒトは驚くほど頑なで考えかたを変えない動物だと…。
だが変えなくてはいけない。
今のままでいいはずはないと。
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動物の権利を守るためなら過激なテロも厭わない組織「DOG」。そのテロの標的にされた会場から彼らは生きて出られる事ができるのか。
これでもかこれでもかと盛り込まれた陰惨で残酷な場面に目を逸らしたくなった。
動物が愛護されている一方で、大量に殺されている現代。時代や社会に対して問題提起しながら物語は進んでいく。
会場に閉じ込められた人々が謎の黒い獣たちから逃げ惑う様、なんとか生き延びようとする様はモンスターパニック映画のそれだし、密室状態で次第に疑心暗鬼になって仲間割れを起こす展開はサスペンスだ。そして何と言っても手に汗握る展開が物語をクライマックスまで引っ張る。540ページの長尺も納得、大満足の一冊だ。
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遺棄動物の譲渡会とペット販売会が並行するイベント会場に閉じ込められ、見たこともない黒い獣に襲われる。次々と食い殺される人間たち。
「審判」をする過激な動物愛護団体DOGドーンオブガイア
グロ、恐怖、絶望感満載。でも強烈な疾走感で、どんどんハマって読み進められる。社会派ってよりもパニック小説でエンターテイメント性高い感じ。考えさせられるってよりも、とにかく面白い!
個人的には傑作に近いが、人によっては全然無理な作品。
ラストだけちょっと肩透かし感あるが、ホント面白かった。
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「ブラック・ドッグ」 葉真中顕 ★★★★☆
ものすごい厚い(物理的に)本です。よく読んだと自分をほめたいと思います。せっかくなので計測してみました。・厚さ・・・3.7cm
・重さ・・・591g
こんなに長いのですが、章ごとに主人公が変わり、ディザスター系の群像劇の様を見せており飽きさせません。
とにかくサバイバルです。主人公っぽかった人もどしどし殺されてしまいます。
いったい誰が生き残るのか待ったなし!
一方で、サバイバルとは別に、映像化不可能ミステリーも登場します。まったく予期していませんでした。やられた!!
また、ペット産業の闇を照らすなど、著者の旧作『ロストケア』に続き、社会派でもあるのです。
たしかに、昔は、ティーカッププードルとかソフトバンクのギガとか居なかったよね。人間の欲望によりヒズミが生じてきているのかもしれない。
#引用
雲一つない空はあまりに青すぎて逆に隠し事をしているかのようだ。
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過激動物愛護団体によるテロ
次から次に人が死んで行きます。この2人は生き残るだろうと思う人も容赦なく死んでいきます。
ほとんど死にます。
悪徳ペットショップによる無理な交配により誕生したでかい犬達に襲われ食べられていきます。
繁殖を行っている工場での描写には思わず眉をひそめてしまいます。
この人達かなと思っていた人は全然関係なくて、作者の思うままに手のひらで転がされました。
すごいな。