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感想。山田詠美も作家生活35年くらいになるのかな?短編に関しては言葉遊びを繰り返しながら主人公の自虐を遊ぶ文体が多くなったなぁという感はあるのだけれどそれだけそうした言葉への丹念な向き合い方を感じる人だなと思う。変な例えだが一流のうどん職人がうどんを捏ねているような感じなんだよな。手際よくただししっかりと見極めつつ、出来上がったものはどこがどう凄いのかなんてよくわからないけれど食べてみると喉越しが素晴らしくて止まらなくなるような一流のものが出来上がっているというわけ。個人の感想ですけれど。
短編集なので深く入り込むというよりはエイミーワールドを堪能するというのが正しい味わい方なんでしょう。山田詠美を好きな人なら味わい尽くせるだろうけど初めて山田詠美を読むのならおすすめはしないかな。物語性の高い作品は他にもあるのでね。
個人的には山田詠美は全部5をつけたいのだけれど、やはり短編集であるが為に読後感にしっかりとした味わいが1本残らなかったという事で星4。でも私はこの本も時折めくり直すと思います。