投稿元:
レビューを見る
両親を亡くして児童養護施設に入った太輔と、同じ施設に暮らす子どもたちの物語。
児童養護施設の子どもたちがメインだから、共感できるか不安を抱きつつ読んだ。
でも描かれているのは「大好きな人とずっと一緒にいたい。大好きな人のために、何かしたい」という誰もが持つ強い想い。
そして「逃げてもいいんだよ」という優しさ。
なので素直に、じんわり染み入ってきた。
ラストはバスの中で読んでいたが、思わず涙目。
これは境遇が違っても、多くの人が共感できると思う。
しかし…浅井リョウがこれを書いたのが23歳というのが恐ろしい…。
投稿元:
レビューを見る
ボッロボロ泣いてしまった。誰かが自分のために走ってくれることがこれからさきあるのかな(ニュアンス)、これだめ。ほんとだめ。必ずしも肯定できないじゃんこの本の世界でも現実でさえも。子どもが未来を見る目がかげること、悲しすぎる 子どもは絶対的に守られてほしい マジで幸せになっててくれ
投稿元:
レビューを見る
朝井リョウって、なんでこんなにあらゆる人の気持ちがきめ細かく書けるんだろう。
電車で読んでて目が潤んで困った…
投稿元:
レビューを見る
朝井リョウはもう10作目くらいかも…?
今回は星やどりの声みたいな構成かと思ったら基本太輔を軸にした話やった。
学校になじめない人や立場が弱い人を描くのが上手やと思う。そういう子が今回も複数登場する。
主題に感じたのは出会いかな。
野ブタ。をプロデュースで野ブタがもぐらみたいに掘ってたら修二や彰に出会えたから一人で掘ってるのも悪くないって言うシーンがあるんやけれど、本作はそれにかなり近いものを感じた。
そして、伯母との関係で学ぶ、代わりはいないということと戻れないということ。
人との出会いがある分、別れも増えていくけれど、同じだけの希望を持ち続けられるかどうかで人間関係は深められるのかもしれないと思いました。
投稿元:
レビューを見る
浅井さんは描写がすごく綺麗。
ふとした景色に感情を乗せるのが上手。
シンボル的な役割を果たすものがたくさんある。
この物語のなかでうたうビリーブの歌詞はとても素敵だと思えた。
大人になると、逃げてもいいってことを学ぶ。
子どもの狭い世界ではなかなかそれに気付けなくて、終わらせてしまったりする悲しい出来事が起こったりする。
これこそ国語の教科書に載せて欲しい、みんなに読んで欲しい話。
約束しても約束を守らない人はいる。
でも自分のことをわかってくれるひとは、どこかにはいる。
投稿元:
レビューを見る
一気に読めた本。
子ども達のキャラもよかったけど、周りの大人たちもよかった。
特にみこちゃん。
解説に書いてあった、「逃げることを選ぶことも間違いじゃない」という言葉を読んで、すごく納得しました。
ところどころ涙が出そうになりました。
投稿元:
レビューを見る
児童養護施設に暮らす少年少女たちの成長を描く完成度の高いジュブナイル小説。彼らの苦悩やささやかな安寧を綴った言葉が琴線に触れ、その幸福を願う思いが行間に溢れる。坪田譲治文学賞受賞に文句なしの作品。
投稿元:
レビューを見る
朝井リョウさんの作品は初めて
単行本が出た時に、読んでみたいなと思っていて
文庫本が出るまで待っていた感じ
子供達の心に寄り添い読んでいると、胸が痛く切ない
そして、それぞれの悲しみや苦しみを乗り越えて
前に進もうとする姿に救われた
大人として、もっと大きな気持ちで優しさでいたいと思う
読んでよかった
投稿元:
レビューを見る
悪意からは逃げていい。
他人が悪意を持って接してくるなら、何とかしようとするだけ、こちらの精神が消耗してしまう。
そんなときには、逃げたっていい。
逃げた先からやり直すことだってできるはずだ。
両親を交通事故で亡くし、養護施設「青葉おひさまの家」で暮らし始めた太輔は周りのみんなとうまくできない。
一班の他の子には、お姉さんの佐緒里、自慢気な美保子、淳也と麻利の兄弟がいた。
突然に両親を亡くして、悲しむ余裕すらなく、鳴きそうなときは太ももをつねって、じっと耐える太輔だったが、だんだんと一班のみんなとわかりあっていく。
子どもたちも、いつかは養護施設を出ていかなくてはならない。
大学受験を控えた佐緒里だったが、夢を断念せざるを得なくなる。
佐緒里の夢をかなえたい。その一心で一班が奔走する。
まだ外の世界を知らない子どもたちの、世界へ飛び出す前の下書きの段階だ。
子どもたちには希望が、救いがあるべきだ。
投稿元:
レビューを見る
朝井リョウにしては、トゲが少ない話だった。児童文学というカテゴリーにしたらこうなるのかもしれない。ただ言葉の端々に“らしさ”みたいなものは感じられた。久しぶりに読んだから、「あーそうそう、こんな書き方する人やった」と懐かしく思いながら読んでた。例えば大輔と淳也、麻利が夜の学校に潜入して欲しいものを盗ったあとの淳也の教室を覗くくだりとかに感じた。
投稿元:
レビューを見る
浅井リョウさんは多分初めて。
実はすっかり女性だと思ってました。
キツイけど暖かな話。
好きなタイプの話なのですが、少し構成の甘さが気になります。そこまで表面化したイジメなら、学校もなんらかのアクションを取るでしょうし。
でも、もう少し別の作品も読んでみましょう
投稿元:
レビューを見る
【あらすじ】
【坪田譲治文学賞受賞作】両親を事故で亡くした小学生の太輔は「青葉おひさまの家」で暮らしはじめる。心を閉ざしていた太輔だが、仲間たちとの日々で、次第に心を開いてゆく。中でも高校生の佐緒里は、みんなのお姉さんのような存在。卒業とともに施設を出る彼女のため、子どもたちはある計画を立てる……。子どもたちが立ち向かうそれぞれの現実と、その先にある一握りの希望を新たな形で描き出した渾身の長編小説。
【感想】
投稿元:
レビューを見る
我慢した先に希望が見えるなら、我慢し続けようって思うかもしれない。
自分をごまかして神経擦り減らしてボロボロになったその果てに、素敵な未来が見えるなら。
見えないから逃げたいんだ。
何も見えない。永遠に続く真っ暗闇!
もう、この苦しさから解放されるには、全部リセットするしかない。
と、思ったことがあった。
だけど今のんきに楽しく暮らしてる。逃げ出したから。
無理かどうかって、自分がいちばん分かる。
周りに理解してもらえないかもしれない。
苦しみで頭がモヤモヤしてるから、言葉がうまく出てこないし。
「そんなんじゃあ、どこへいったってやっていけない」分かってる。知ってる。
それでもどうしてもここにいたくない!
そんなとき、この本の力を借りたらいいと思う。
言い表せないことを補ってくれる。
「逃げる」という選択の印象を払拭してくれる。
そんな意味で、これはすごく実際的に役立つ本だと感じた。
「逃げても、その先にある道はどんどん細くなったりしない」
この言葉、ずっと忘れない。
投稿元:
レビューを見る
心にずんときた。ちょっと苦しい。そういうときは、この本の言葉の力が心に沁みている時だ。人生には、逃げるという選択肢がある。逃げることは悪くないし、かっこ悪くもない。新しい道を選ぶことは、未来を狭めることでもない。当たり前だけど、それがわからずに苦しむ子はいると思う。わかっていても行動に移せない子も。少しでも、人が生きることに挫折した時に、勇気づけられればいい。
投稿元:
レビューを見る
難しい題材に取り組んだな、と思いつつ、あとがきをよんで、作者がこの物語を書こうとした理由がわかって、納得した。
ひとつだけ、なんだかもやもやするのは、子供達がいろんなものを自分たちで調達する場面。
物語の中の人は「こどもたちはよくわかっているんです」といってくれるが、こんなに簡単にぬすみをするだろうか。
「自分たちでやるんだ」と思っているからこそ、できることなのかもしれないけれど。