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「聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた」
反論の連続。
初めて読む作家さんの作品で「その可能性はすでに考えた」の続編にあたる。前作よりパワーアップした「奇蹟の証明」に青髪の探偵・上苙が挑むミステリで、前作で特に人気の高かったキャラクターを再登場させているらしい(それは一体誰だ?)。
聖女伝説が伝わる地方での結婚式で、胸糞悪い一家に嫁がざるを得ない花嫁、その式中に発生した殺人事件。更に、同じ盃を回し飲みした八人のうち三人(+犬)だけが殺害されるという飛び石殺人。一体どのようにして犯行は行われたのか。ここに、ミステリ的なテーマは「否定」が、ガジェットでは「毒」が使われている。
毒に関しては毒とは殺すためだけに非ず、とまでに話が膨らむ。しかし、個人的なインパクトでは、前者が上回った。ミステリ的なテーマは「否定」とはあるものの、ここまで遣い込むとは思ってもいなかった。前作もここまで遣い込んだのだろうか。だとしたら、なかなかの中毒性を孕んでいる。
この毒性は八ツ星少年探偵を始めとしたキャラクターによるものだろう。今回で言うと、飛び石殺人事件の概要、詳細、容疑者(推定)、その容疑者が犯人の場合に起こり得る矛盾(反論)がまず話題となる。そこを皮切りに、立て続けに〇〇事件と銘打った仮名が付き、その場合の犯行は如何にして実施されたのか、また何故その犯行は容疑者には不可能かを、キャラクターが代わる代わる述べていく。言わば、〇〇事件を否定していく。これがなかなかの具合で、中毒性も中々。
キャラクターとしては、フーリンも捨てがたいが、才気煥発な八ツ星少年を一番手にあげたい。少年らしい可愛らしさを始め、なかなか魅力的なキャラクターだ。フーリンの目の前に再び登場した際は、ムカつく空気の中だったので、やるじゃん!とさえ思うほどのcoolさもあり、さぞファンもいるんだろう。
因みに、ウエオロは今回は遅れて登場である為、本来の魅力を全て見た訳では無いが、こちらも中々。前回はどんな活躍をしたのかは、気になるところ。そして、フーリン。美人でナイスバディだったら、是非なところがあるが、業務が怖すぎる。踏みつけられたい人は、マゾ中のマゾだ。
前作を読みたくなるほどのインパクト。
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『その可能性はすでに考えた』シリーズ第二弾。同じ杯をまわし飲みした8人のうち3人と犬だけが死ぬ、という不可解な状況の殺人事件を解き明かす。あいかわらずそれぞれが推理を披露し、それを論破し…と繰り返し、途中の殺人が可能かどうかの表まで出されたらもうめんどくさくなってもきましたが、話自体は面白く読めました。
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事件が「奇蹟」であることを示すために、奇蹟でない可能性が「全て」否定されることを示す、シリーズ2冊目。婚礼の席で盃の回し飲みをしたもののうち、1番目、3番目、7番目に飲んだものと、酒を嘗めた犬が死亡する、という不可解さはミステリ読みとしてはワクワクします。全てを否定するのに最後には表まで出してきて潰していくところなど、数学の証明問題のようで私はとても楽しかったです。一見何の役に立つのかというような情報がみな必要なことだったり、情報提示が綺麗なのには感服します。続編が出たらぜひまた読みたいです。
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シリーズ2作目。前作が思ったよりも面白かったので読んだもの。
はっきり言って1作目のようなパワーもインパクトも感じられず、謎の複雑さだけで持たせている感が否めない。特に主人公が出てくる前までのモタモタ感は、読んでいてツライ。
逆に言えば、後半のスピード感は気持ち良いのだが…
前半を読んでおかないと後半につけていけないが、前半のムダをもう少し省いてくれると良かったのになぁ…と少し残念。
次作もきっと読むと思うが、それも今回と同様だったらその次は読まないかもしれない・・・
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続編ですね。アニメ的なキャラクタたちの出自はともかく、前作の続きというより、そのフォーマットだけを利用した入りにたくさんのシリーズ展開というわけではないのだなと言う感じを受けます。論理的に選択肢を潰すという推理展開は読者の思う方向を誘導する必要もあり、そっかそういうパターンもと想起させておいて、その可能性を消します。なかなか難儀な展開です。探偵が事件をと紐解くと言う形からも逸脱していく展開はなかなか凝っております。典型的な展開をぶち壊す後半は圧巻でした。
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地方の町、名家の息子と家の事情で断れない娘の結婚式。望まぬ結婚を強いられた娘が両家の男を毒殺したという町の伝説どおり、式で同じ酒を回し飲みした家族のうち、婿・両家の父親のみが毒殺される。自殺用の毒を持参していた花嫁が疑われるが。
いつものメンバーのちょっとシュールな物語を楽しむか、論理的に配置されたアイテムで論理式を組み立てるか。なかなか後者に至れませんが。
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いやぁ…これは凄い…
最後の畳み掛け。悪魔の証明なのか奇蹟の証明なのか知らんけど「〇〇の考察は✕✕によって反する。よって矛盾」の羅列は圧巻だった。凄えな…