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横関さんの引き出しの多さには驚いた。プロレスのあとは野球。しかもただの野球じゃなくて相撲部の高校生たちがやる野球。ドーピングをしたと判断され、野球界を追われた小尾が就任したのは相撲部員からなる新設野球部だ。まともにボールも投げられない、走れないと絶望的なスターティングだが、エースの具志堅の復帰によりチームが一丸となっていく。また同時並行に小尾の元妻の真由子が巻き込まれる事件が起きて、彼のかつてのドーピング事件となんらかの関連性があることがわかる。マシュマロナインが予選を勝ち抜いていく中で小尾が自身のドーピング事件の真実を暴いていく展開のスピーディーさはやっぱり横関さんならではの楽しさが詰まっている!
前作の『炎上チャンピオン』といい今作の『マシュマロ・ナイン』といい、直接刑事が主人公ではないお話も面白くて好きだ!個人的には茜ちゃんの冷静なキャラが好きだ。特に表に出すことはないが、小尾に対する信頼が垣間見えて良かったと思う。
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★2016年8月21日読了『マシュマロ・ナイン』横関大著 評価A
横関氏らしい青春サスペンス。小難しいテクニックではなく、物語の筋書きの面白さとスピーディでダイナミックな展開で一気に読ませてしまう。
元プロ野球選手の小尾は、身に覚えのないドーピング疑惑で球界を追放された。今はツテをたどって、高校教員免許を生かして、臨時教員として新栄館高校で働く身。
武道系の 部活動では有名な学校でも、少子化時代に生き抜くため共学化に踏み切るも、折角の女子生徒も次々に退学して、次の経営施策が求められていた。
校長から呼び出されて、小尾が無理やり引き受けさせられたのが、暴力事件で休部中の相撲部生徒を野球部へ移籍させ、野球部を立ち上げて、甲子園を目指すこと。
食べることしか興味がない相撲部員達だが、その体力と運動神経は抜群。無い時間でチームを強化するのは、その特色を活かすこと。そこからチーム作りを始める。
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暴力事件で活動停止の相撲部員を集めて作った野球部で甲子園を目指す。
高校野球の爽やかな話とドーピングのドロドロした話の2つの話が陽と陰になっている。
本城雅人さんの「英雄の条件」に続き読んだ本作もドーピングの話だった。
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横関大さん、初読み。
元プロ野球選手、今は高校で臨時教員として働く小尾は、校長の命令で相撲部員を選手とした野球部の監督となる。
元相撲部の"デブ"たちが、苦労しながら甲子園を目指す青春物語と思っていたら、ドーピング問題や殺人事件もある、ミステリーでもあった。
食べることが大好きな素直な"デブ"たちと小尾の娘で冷静・有能なマネジャーの茜、ほのぼとした「マシュマロ・ナイン」の場面がとても面白かった。
(図書館)
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不祥事を起こして無期限謹慎中の相撲部員が野球部に転籍させられ、ドーピング疑惑でプロをクビになった監督と共に甲子園を目指す。ミステリパートは特にヒネリもなくて物足りませんが、高校野球小説としてはなかなかの傑作。エピローグも最高です。
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部活に頑張る高校生男子、
といえばそうなんだけど・・・
「相撲部」から「野球部」へ
華麗なる転身ではないところが面白い。
力士の柔軟性やパワーって確かにすごいもんなぁ。
でも、それで野球って・・・
校長には最後まで「?」だったけど、
ミステリーもあったり
突っ込みどころ満載だけど
思った以上に楽しめた。
ワハハと笑いたいときに最適な一品です。
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活動停止中の相撲部が甲子園を目指す!?野球に関してはズブの素人、いやデブの素人が果たして野球なんて出来るのか!?タイトルと装丁からは、単に元相撲部員が紆余曲折、様々な困難を乗り越えながら甲子園に向けて奮闘するサクセスストーリーかと思いきや…いやはや、それだけではありませんでした。さすが江戸川乱歩賞作家の横関大さん。ドーピング問題が発端の、恩師や元チームメイトが絡む殺人事件といったミステリーもしっかり盛り込み、ほのぼのした“デブ”だらけの中にピリッとスパイスを効かせた後味スッキリの物語だった。
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相撲部の高校生が野球部に転身して甲子園を目指す……って、無茶にもほどがあるでしょう! と思ってしまう設定なのですが。これがなかなかどうして、見事な青春スポーツ小説になっています。笑いあり涙あり感動あり。野球に興味のない私でもとーっても楽しく読めました。個性豊かな部員たちと、監督よりもとんでもない女子マネージャーの活躍がもう凄いったら。
しかし。それだけではなくて、とんでもない事件も起こってしまうのに驚愕。実はミステリにもなっていました。というよりミステリがメイン? スポーツがメイン? どっち? 一冊で二度おいしい作品です。
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『ルパンの娘』のぶっとんだ設定が面白かったので、次の作品を久しぶりに調べたら、こちらがヒット。
またまたぶっとんだ設定に、迷わず予約。
王道の展開が期待を裏切らない作品だった。
マシュマロ・ナインたちのぽよぽよした感じを楽しんでいたら、途中で血なまぐさい展開がやってきて戸惑ったけれど、「そうだこれは横関さんだった」と思い直した。
ただ、今回はミステリー部分なくても良かったかも。
事件にマシュマロたちはまったく関わってないし。
野球の戦法も、『弱くても勝てます』を思い出す感じで、意外性はなく。
ホームランバッターの助っ人外国人がたくさんいるような感じと思えば、うなずけるところもある。
試合シーンが短めなのも良かった。あっさり勝ちすぎてるなとは思ったけれど。
エピローグはやはり王道の展開で、ニコニコしながら読めた。
最後に、試合結果一覧が載せられていたのも、良い演出。
最後の相手は「大阪桐蔭」の漢字違い。さらにニヤニヤしてしまった。
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私立高校の臨時体育教員として働く元プロ野球選手の小尾は、野球部の監督就任を要請される。だがその野球部は、不祥事を起こして無期限の活動停止となった相撲部の部員を転籍させて創られたものだった…。
最初は相撲部のデブたちが苦闘の末、一人前の野球選手になり…という須藤靖貴風の青春ストーリーかと思った。ところが途中から俄然ミステリーの色彩を帯び、最後は意外な真相が。一気に読ませる横関大の力はさすが。
(A)
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ありえないけど楽しくて奇跡を信じてしまいます。
最後に謎解きもあり未来の姿までわかってハッピーなストーリーです。
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これもまたとても面白かった♪何も考えずスポーツとミステリーを気軽に楽しめました。相撲部から野球部へ。愛称はマシュマロナイン。こういう展開だと大体は準決勝あたりで敗退して甲子園は無理でしたってオチになりがちなのに、勝っちゃって、そして甲子園でも2勝するっていう…一人は相撲のエース、一人はプロ野球までいくサクセスストーリー。読後がとても気持ち良いです。ミステリーは小尾のドーピング濡れ衣事件に端を発し、殺人にまで。東京オリンピックまで織り混ぜてなかなかの根深さでした。もう少し横関作品追いかけたいです☆
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軽い語りだけど小尾のドーピング問題も絡めながら、相撲部が野球部へと変わって行く。
娘の茜の存在はもうちょっと物足りなさがあったけど、ミステリあり、スポーツあり、コメディタッチありのこのボリュームなら仕方ないかな…。
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9月-1。3.5点。
相撲部が暴力事件で、野球部へ。
監督は、プロ野球でドーピングで球界を追われた主人公。
娘のチカラを借り、チームは勝ち上がる。
そんな中、主人公の元妻が、主人公の元同僚の殺害現場で
昏倒して発見される。不倫なのか?
さすがに読ませる。
ミステリ要素と、野球部の成功もの、両面で読ませる。
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相撲部が野球部に、そんな無茶な、と思うのだけれど、ただのデブってわけじゃないのよね〜。そりゃ、そうかスポーツをやってるんだからな。
選手の能力もあるのだろうけど、監督の戦略というのも重要なのね。なるほど。
豪快に食べるシーンがめっちゃ美味しそう。練習した後だったりするんだもん、そりゃ美味しく食べられるわ。