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手紙には愛あふれたりその愛は消印の日のそのときの愛
書き終えて切手を貼ればたちまちに返事を待って時流れ出す
私は小さい頃から手紙が好きで、今でもたまに書きます。
なので手紙の歌には敏感に反応してしまいます。
この2首には、手紙のやりとりの中で生まれる「時」が詠まれていて、確かにそうだなと感じました。
他にも素敵な歌が満載でした。
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たくさん恋愛した人なんだなあと単純に思ってしまった。出てくる固有名詞はこれらの歌が読まれた時代のアンカーになっているが、これら歌には今の時代でも共感できた。
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小さいときにベストセラーとして知っていたこの本。サラダ記念日の俳句しか知らなかったが。大人になって初めて手にとって読んでみると。素直に「あ。わかるこれ」といった句があり、佐々木さんの後書きのようにさっぱりとした失恋の句等は成る程確かにと思えた。湿っぽくなくて良い。
今読んでもとても良いです。
初めて俳句を良いと思ったかもしれない。
また読み直してこの俳句を味わいたいと思う。
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若さが躍動する相聞歌。歌集を初めて通しで読む。物語になっていることに驚き。ブームとはいえ共有できた時代が何となくうらやましい。今なら他者と何を共有する。
るきさんっぽいけどるきさんではない。時代はそのくらいか。
恋をしていると何もかもが詩になるのかな。色が鮮やかになるのかな。
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買い物袋のような一日を幸せで一杯にしたい
時間を食むように 幸せを飲むように
待つ間に 幸せを見つけたい
落ちていく夕日に 過ぎゆく幸せが
アルコール度数
すべてお金に変換できる愛情
一輪の薔薇も 買ってくれた鞄も
プレゼントの指輪も
どうか私にお金では代えられない愛をください
隣にあなたがいるということ
会話をするのは確かめるため
帰ってきて 胸に沁みこんで
初めて知る あなたは温かいひと
あいまいなまま続いてしまう関係に
終わりが見えないことに不安になる
終わらせるのはあなたか私か
いつまでも決められない
ついていきたいと思わず駆け出しそうな恋と
ついていくだけの未来を魅せてくれるのか醒めた瞬間
男と一緒に未来を捨てる
どうせ離別するのがわかっているのに同じ景色を共有してどうするの
あなたのいない未来に残した思い出写真と重なる
あなたのために
抱きしめた愛情のゆくえにある
帰ってくる場所
そんな約束してしまえるほど私はあなたに近づいてはいない
あなたに抱きすくめられて散るはなのような未来を思って春が悲しい
愛を魅せてほしい
でもそれ以上に愛ではないもので私はあなたを信頼する
思い出が形になったら
残しておけるのに
――あるいは 無くしてしまえるのに
言葉にすれば届くとでも思ったの?
だって月にさえ触れられないじゃない
旅先で心と重ね合わせる風景
私の心とはまるで関係のない場所で
あなたを思い わたしに思いを馳せる
日常のことあるごとにあなたのことを思い出す
あなたが日常で染まっていく
自分の心を硝子のように砕いて海にまいて光を吸って息をしたい
あなたを体と心のすべてで感じられるように
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7月6日はサラダ記念日
手にした時懐かしく、しかし中身は今だからわかるものが多々。
時々読みたくなる一冊。
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「それならば五年待とうと君でない男に言わせている喫茶店」
青春が詰まっています。
大学生くらいのみずみずしい感性の素晴らしさが詰まっています。どれほど時が経って読み返しても、一瞬でこの多感な時期に戻れるのでしょうね。
恋人、友人、家族とのなにげないささやかな日々の感情が愛おしい。そういう愛おしさにいちいち立ち止まっていた、輝かしい日々の跡。
名作。河出書房。
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俵さんの短歌は、どこか艶っぽい。そして、「そうそう」と想像してしまうのだ。
この短歌を詠む人は、どんな女性なのだろう。
この言葉の選択は、どんな経験から来ているのだろう。
そして、どんどん好きになる。
言葉の美しい人に、私は虜になってしまうのだ。
愛ひとつ受けとめられず茹ですぎのカリフラワーをぐずぐずと噛む
万智ちゃんがほしいと言われ心だけついていきたい花いちもんめ
愛された記憶はどこか透明でいつでも一人いつだって一人
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【読んだ目的・理由】短歌に興味があったから
【入手経路】実家にあった
【詳細評価】☆4.2
【一番好きな表現】それならば五年待とうと君でない男に言わせている喫茶店(本文から引用)
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公募の短歌を多数掲載したもの
それまでの短歌に向けられた堅苦しいイメージを払拭して一般の、特に女性に対して普及をさせた。内容は恋愛から日常生活まで身近なものを取り上げており、あまり厳しい様式の縛りもないので気軽に思える。反面、短歌のテーマにはやや偏りがあり、全体を通して目を通すと飽きてしまうように感じた。
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現代の短歌には何気ない日常生活を詠むイメージがある。俵万智「「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」が典型である。小説も私小説というジャンルがあり、短歌も自分の日常を切り取ることは当然と言えば当然である。
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俵万智の第1歌集。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』に本書が登場し、また現在放送中の『舞いあがれ!』に短歌が登場し、著者がTwitter上で感想を述べていること等から気になり、借りてみた。
収録は以下の通り。
「八月の朝」50首
「野球ゲーム」50首
「朝のネクタイ」10首
「風になる」44首
「夏の船」37首
「モーニングコール」28首
「橋本高校」27首
「待ち人ごっこ」35首
「サラダ記念日」30首
「たそがれ横丁」5首
「左右対称の我」42首
「元気でね」26首
「ジャズコンサート・IMA」11首
「路地裏の猫」30首
「いつもアメリカン」9首
視点が遠近・自他へと移動して捉えられる風景――恋をしているとき・旅をしているとき・教師をしているときに目に留まり感じ入るもの、何でもない時に気になるもの、傷付いているときに遮ったり遮られるもの。口語体で詠まれているおかげか自分もこれらを共に見つけ、味わうことができた。短い文章表現中にドラマティックな奥行きを見出せたような気がする。
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歌集を読んだのは初めてかもしれない
文字をなぞってぼんやり生まれる感情を何度も楽しんで良いのかもしれない
『左右対称の我』
一人暮らしを始めたときのほろ苦さを思い出した
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発売当時、とても話題になっていた。
その頃はまだ10代後半。
今、改めて読み返してみると、歌の意味を深く
読み解くことができ、その情景が映像となって
浮かんだ。
今の年齢になったからこそ、心に響いてくる歌
もあった。
いい歌だなぁ、、と印をつけた歌がいくつか。
読み終えて余韻が残る。
いつか、また読み返したい。