紙の本
追いつめられる看護の現場
2016/08/15 14:51
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:リン - この投稿者のレビュー一覧を見る
医療現場、特に看護をとりまく状況がここまで追いつめられ、切り詰められている事実に愕然とした。国による在宅医療の促進は、一見、患者が住み慣れた環境で療養でき良いと思っていた。しかし、病院経営やコストカットのために在宅医療そのものが、制度的、経済的な支援を伴わず医療への依存度が高い患者を切り捨ててしまうことへのすり替えであってはならない。看護士の職種が階層化され、看護という仕事に充足感を持てなくなってしまっている現実。その現実は直接、患者へ影響する。人間の尊厳がないがしろにされた医療現場において、人は治っていくのだろうか?誰しもが病にたおれ、老いを避けることはできない。人間らしい看護を取り戻すためにはどうすればよいのか、日本の医療現場について考えさせられる。
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ちょっと一面的かもしれないけど、とっても納得できる。
医療の専門化・高度化→医師不足→医療行為を看護師に委託→看護行為を看護師から他スタッフへ移行→看護ができない看護師が増加。
看護という行為をどう定義づけるのか、昔のままではないとだろう。でも医療ではなく看護でできることは決してなくならないと思うし、もっと大切にしなくちゃいけないことだと思う。手間暇かかるやり方でしか対応できないことがあるよね。
でも根源は、「お金」がないことに帰結しちゃうんだよなぁ。ホントに日本はもっと医療費に予算をまわせないんだろうか。
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看護師不足の問題が、診療報酬改定に伴い更に入院期間短縮と急性期病棟の多忙さにつながり、ひずみが大きくなっている様子をジャーナリストらしく現場の困難さを記述してくれている。チーム医療の良い例としてみさと協立病院や東葛病院などが紹介されているのは身近な病院として嬉しく感じる。看護師特定行為に対しての問題点も的確。看護の本来の姿を問うルポであると感じた。
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これから看護師養成課程に関する研究を進める上での事例や資料が豊富に記載されているのがありがたい。ルポであるため、このような生の声を仮説に検討することができ、調査実施において、厚みを加えることができる。
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結局物事はお金で動くんだなと思った
家に帰ることを諦めずに済むようになったことは喜ばしいがそこに至るまでのフォローもなかなか充分に出来ていない現状がある
特定行為や准看護師など看護をめぐる諸問題に触れられていた
医療や看護、介護にかかわらず生きて死ねる人は居ないと思う
一つの職種の問題というより全ての人に関わる問題として関心を持たなければいけないと思った
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診療報酬制度が追い出し医療を助長したり、また、周辺専門職の制度や運用とも相まって、看護本来の、人を見て、触れてケアするという本質が損なわれているとする。
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看護の現場を丁寧に取材し書いている。患者を優先すると診療報酬や看護師の評価が下がる、そんなことがあっては本末転倒だか現実問題として起きているという現実。複雑な思いで読んだ。