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私は読むスピードが遅く、あまり長編は読みたくなかったのであるが同作者「痴人の愛」があまりにも心に響いたので読むことにした。まだ上巻はあまり大きな進展が無く退屈なものであったが上巻なしではこの先は面白くないと思う。
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本格的に戦争に突入する前の時代、兵庫の芦屋に暮らす家族の物語。幸子や貞之介の細かい心理描写から、当時の慣習、価値観がわかって面白い。
社会的身分が結婚、仕事、その他いろいろな場面で影響するところや、一族のメンツを保つためなら多少の犠牲は厭わない空気など、現代に生きる身としては辛いものがある。生き方にもっと余白がほしい。
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上方の上流階級4姉妹の話し。上品な関西弁が心地良く、特に幸子の娘悦子は我儘ながらも可愛らしい。上巻のメイン、雪子の縁談は野村と破談になって良かったが、上手くいくのだろうか。上流階級なだけに浮世離れ感があるが当時の生活や上流階級ならではの価値観が垣間見れる。
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少し前に読んだ「罪と罰」のロシア貧乏文学の余韻が頭の中に未だこびりついていたので、こういう戦前の品の良い上流階級の描写が心地いい。ただ単に経済的に豊かというだけでなく、品があるというところがいい。
それにしても、野村とのお見合いは本当にイライラした。よく最後まで感情を表に出さずに堪えきれるもんだ。自分ならすぐ顔に出てしまうに違いない。そのへんが彼らと私との品格の差か。
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共感できる主人公とか出てくるわけでも、面白い出来事が起こるわけでもないが、なんとなく読み進めてしまう物語。文章は美しい。
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中学の頃、国語の問題で『細雪』の花見のシーンが一部出てきたのだが、当時は本に興味がなくスルーしてしまっていた。なぜかそれをふと思い出し、年末、実家に帰省する新幹線の中で読み始めた。
蒔岡家が持つ高貴な雰囲気とコテコテな大阪弁が相まって、4姉妹の上品さが際立っている。会話形式が多いため、長編小説の割にはすぐに読み終えられる手軽さもある。
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少し前の日本は恋の延長戦に結婚があるのではなく、家の発展や今後の過程が、どのくらいうまく行くのかという、極めて現実的な側面を重要視していて、それが愛を作り出していたのかなぁと思った。もちろん恋愛結婚もあっただろうが、まだ家柄や結婚の順番に縛られたり、体裁が重要視されていることに、少し歯痒さを感じた。
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当時の風習や時代背景の雰囲気を感じることが出来る素敵な作品です。
内容は3女の雪子の縁談についての話なのですが破談ばかりで上手くいかないという内容です。
御大家であった昔の格式に囚われて縁談が破断したり、自分の家柄に合う人を探すばかり周りが呆れてしまう。
義兄が進めた婚約を断ってしまい、仕事関係でギクシャクさせ、兄はその後婚約の話をしなくなったりなど。
縁談は今では馴染みがないので読んでいて複雑なのだなと感じることが出来ました。
また民俗学的な興味深い話も多かったです
・丙午は関東では忌み嫌われる。迷信が多い
・未年では関西は嫌われる。縁遠いなど
・興信所→ 企業や個人の信用や所在、行動等について調査を行う民間の機関である
主に縁談の相手を調べてもらうことが多い。今で言う探偵な感じです。
・結婚の縁談の下調べでも学校の成績表みる。しかも欠席日数まで。
・季節外れに雛人形を飾ると女の子は縁遠くなる
・東京は流行物ではなく自分に似合う服を着る
これは全然当時の風習とかと関係ないのですが
いけている花がまさかのケシの花だったのが驚きでした。
ケシの花はアヘンの原料です。
「その花見てたら花の中に吸い込まれそうになる」
と、当時から思われてるほど感じる何かがあったんだと思います。
流産した幸子の表現には感嘆しました。
「妻の眼の中にある涙の玉が大きく膨らんで、破れて、頬に伝わる」
幸子の言葉選びも未だにその出来事が尾を引いてるのだと分かる表現でした。
「今雪子のお腹の中にある思いがどう云うことであるのか、明かに読めるのであった」
「ライラックや小手毬の花がもう直ぐ咲き揃うのを見届けるまでは滞在していられますように」
今の姿が当時の人にとっては感動を得たのかもしれません。本は現代よりも身近な存在だったのだろうと思いました。
また、題名が細雪ってとこに何故なのかを全ての作品を読み終わるまでに気づけるようになりたいと思いました。
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戦時中にコツコツと書かれた作品。時局に合わないとして発禁処分となったこともあるとのこと。大阪の船場の旧家、蒔岡家。その三女雪子の婚活物語。三十歳なので、昭和10年代なら遅れてる感じだろうか…。京都の風景描写がわりとよい。
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とても良い。国語教材としても申し分ない、ストーリー構成と豊かな語彙に感動しました。
神戸が舞台なのも楽しく、阪急電車沿線に揺られながら、有川浩さんの阪急電車もサブ本に、2冊の小説をポケットにさくら夙川のベンチで読みたくなる小説だった。
叶えよう。近々。
ポケットのなかにーは、
小説がふたつ♪
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当時の関西上流階級の暮らしぶりなど
当然知らないんだけど
文章からはんなりとした美しさが
伝わってきてその世界を
知ってるような気がしてくる
バーチャル感ある作品
谷崎潤一郎すごい...
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一気に読みました。
谷崎潤一郎ってすごい作家ですね。昔の上流家庭の暮らしぶりの中に様々な人間模様が描かれていてやはり後世残る作家さんはすごいです♡