紙の本
さまよう刃
2015/09/30 11:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しらふ - この投稿者のレビュー一覧を見る
冒頭の性暴力の描写がひどく、正直そこで放り出したくなった。それでも読ませてしまう筆力は素晴らしいと思うのだが・・・特に女性は悪い読後感が残る作品だと思う。私は数日鬱々としてしまった。
投稿元:
レビューを見る
悲しい話。
救いのないはなしに感じた。少年法に関してや、ころされた遺族たち。
読んでいてもすごく痛みがつらかった。
協力してくれえるひ
投稿元:
レビューを見る
東野圭吾は少年法のあり方に憤りを感じてこの小説を書いたのではないか。
娘をレイプされ殺されてしまったあわれな父親が犯人(未成年)の居所を知るや、
その犯人をメッタ裂きにしてしまった。
さらにその共犯者を追って、逃亡と追跡の旅に出る。
善良な市民が、娘のレイプビデオを見て殺人鬼と化してしまったのだ。
読んでる人のほとんどが、この父親を応援したことと思う。
うまく警察から逃げ、この鬼畜ともいうべきレイプ魔をその手でうまく裁けますようにと。
未成年というだけで、社会にに庇護され、更生という名のもとになまぬるい処罰しか与えられない。
それでは被害者側の気持ちはどう収めればいいのか。
犯罪の低年齢化が進む中、この題材はかなり深刻なテーマといえる。
結局、犯人を猟銃で撃とうとした父親は、警官に撃たれ死んでしまう。
これで良かったのか・・・と作者は釈然としまいまま締めくくる。
投稿元:
レビューを見る
長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躙された末の遺棄だった。謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように娘の復讐に乗り出した。犯人の一人を殺殺害し、さらに逃走する父親を、警察とマスコミが追う。正義とは何か。誰が犯人を裁くのか。世論を巻き込み、事件は予想外の結末を迎える――。重く悲しいテーマに挑んだ、心を揺さぶる傑作長篇。
2009/09/09 弟から
投稿元:
レビューを見る
蹂躙され殺された娘の復讐のため、父は犯人の一人を殺害し逃亡する。「遺族による復讐殺人」としてマスコミも大きく取り上げる。遺族に裁く権利はあるのか? 社会、マスコミそして警察まで巻き込んだ人々の心を揺さぶる復讐行の結末は!?
投稿元:
レビューを見る
「いま」を映し出している内容.
答えのない問題に対し,あらゆる立場の人間を登場させることで,客観的な視点が確保されている感じ.
物語というよりもドキュメンタリーを淡々と見ていた感じが残る.
投稿元:
レビューを見る
時宜にあったテーマです。それだけにややもすればパターンに陥ってしまうところですが、さすが東野圭吾さん。
見事に描ききっていました!!ただ、オチが納得できませんでしたね・・・。
投稿元:
レビューを見る
2008/5/31 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2013/10/24〜10/30
娘をレイプされ殺された親の復習譚である。典型的といえば典型的なシチュエーションを東野流に描き出す。和佳子の位置付けが絶妙。流石東野さん、という感じ。今日はうちの子供の六歳の誕生日。男の子なので、この作品のような状況にはならないが、もし、理不尽な死に方で、命を奪われたら、私ならどうするだろうか。
投稿元:
レビューを見る
少年法とは何なのか?
加害者を助け、被害者側にはあまりに救いが無さ過ぎる。
そんな矛盾や憤りを訴えた作品です。
あらゆる箇所で悲しくなり、涙が出そうになりました。
大きな波紋を与える作品だと思います。
投稿元:
レビューを見る
数ページ読みはじめて、本を閉じてしまった。
あまりに読むのがつらかった。
でも再び読み始めると、最後までとまらなかった。
高校生の娘を陵辱され、殺された父親が復讐をしようとする。
父親、刑事、子供を事故で亡くした女性。
様々な思いが交錯し、法の前にあがき苦しむ。
少年法の問題に切り込んだ作品とありふれた言葉でいうにはあまりに深く、悲しい話。
自己の欲望のためだけに簡単に人を殺めてしまう人間が、毎日テレビに映し出されている今、
決して人事ではないし、小説の中の話だとは思えなかった。
この作品を読んで、未成年だからと言って罪を軽くする道理はまったくないと思ってしまった。
そういう極端な考えを持つのは危険だとは思いながらも、それだけ引き込む力のある作品。
しかし、父親の復讐を助ける人は、それが自分も殺人を犯すことと同等だということに気付いているのかな…
投稿元:
レビューを見る
いろいろな登場人物のそれぞれの思惑が最終場面に向かって集合していく。いつも通り最後に驚きとも落胆とも表現できる「あっ!」という声を発する自分がいた。少年法の意味とか意義を問うものだと思うし考えさせられる。「誰のための法律」。結局誰も救えないし救われない。(ま)
投稿元:
レビューを見る
長峰重樹の娘、絵摩の死体が荒川の下流で発見される。犯人を告げる一本の密告電話が長峰の元に入った。それを聞いた長峰は半信半疑のまま、娘の復讐に動き出す——。
少年達は、レイプの一部始終をビデオに撮っていた。
薬で意識を朦朧とさせられ、凌辱される娘の姿が映し出されたビデオを観た長峰は……。
少年達は「未成年」であるが為に、実名も公表される事なく守られる立場にある。
この先長い、拓けるであろう未来の為に……。
一方の被害者は実名も公表され、凌辱の果てに殺された事実に世間から同情されながらも好奇な視線に曝される。
「少年法」により守られている彼らに裁きを下せるのは自分だけだと信じ、蹂躙され殺された娘の復讐の為、父は犯人の一人を殺害し逃亡する。
遺族による復讐殺人…遺族に裁く権利はあるのか?
殺人を犯すのは道理じゃない。だけど本当に裁くべき人間は、守るべき人間は果たして誰なのだろうか。
自分の子供が殺されたら、あなたは復讐しますか?
投稿元:
レビューを見る
自分の家族が犯罪被害者となったとき、
刑事罰が加害者に課されれば十分かというと、
きっとそうではないと思う。
それだったら、自分が加害者になってでも復讐を果たしたい。
ここまではありきたりなお話。
でも、作中の主人公は、自分の復讐心を保つために、
犯罪の様子を写したビデオテープを苦しみながら何度も見返す。
こうした苦しみを味わいながら、復讐を何とか果たそうとする姿が、
丁寧に描かれていて、かなり感情移入できました。
結末は人によって好みが別れると思うが、
そこにいたるプロセスは万人向けだと思う。
投稿元:
レビューを見る
犯罪者を守り、被害者の気持ちを守れない法制度・警察機構について一石を投じる小説。特に少年法については被害者家族の長峰を通じて「本当の正義とは何か」を掘り下げる。
見どころは長峰の加害者に対する憎悪と、彼の憔悴していく様子。返り血を浴びながら加害者伴崎を切り殺す場面にはじまり、娘絵馬が凌辱される映像を繰り返し見て復讐の炎を滾らせる場面など、怒りの描写が流石。加えて時間と共に長峰が精神と体力の限界を感じていく切なさや悲しみが胸を抉る。ラストシーンも流石東野圭吾、美しく纏め上げている。
「最近の若者」の象徴、誠も他世代の登場人物と比較すると面白い。私も最近の若者に分類されるんで、誠の言い分もわかるけどねw
読後感は悲しいが、正義とは、という疑問が残り考え入ってしまった。
投稿元:
レビューを見る
あっという間に読んでしまいました。少年犯罪がテーマな本です。この本を読んで、というか凶悪犯罪などがあるたびに思う、「法制度って何?」。ハムラビ法典の「目には目を歯には歯を」って結構合理的?っていうか、「目には目と歯を」くらいな気持ちでいつもニュースを見てる私です。犯罪者の人権とか、更生の余地とかいうけど、被害者の人権は?死んだらもうもどってこれないんだよ!被害者の家族はマスコミにいいように利用されて、世間の目にさらされるなんて、おかしいよ。しかし、自分の子供が被害者になったらと思っても怖いし、加害者になったらと思っても怖い。親になると怖いものだらけだなあ。